
あすなろ白書──母の一言が変えた、恋愛の見方
昔、「あすなろ白書」というドラマがあった。
子供の頃の記憶だから、細部は曖昧だけれど——
主人公の女性が、恋人に裏切られる。
彼は一度だけ、浮気をする。
彼女はそれを許す。
けれど二人の関係はうまくいかず、彼は地方の大学へと移っていく。
私は、主人公に感情移入していた。
もし本当に心を入れ替えたのなら、
彼のいる大学に一緒に行けばいいのではないか。
そう思った。
母が言った。
「こういう男はね、何度でも裏切るのよ」
はっとした。
私は、好きな対象にバイアスをかけて、
縋りつこうとしていたのだと気づいた。
それから、少しだけ見方が変
わった。
*
この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
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