
宇宙のカプセル──SF短編・出口を探す、ある感覚の断片
「非常に不安定です。
安全を確保してください」
AIの声がする。
僕はカウンターに身体を預けて、ぼんやりしていた。
メンバーは七人。
どこにいるのか、知らない。
さっきまで、背後のテーブルのあたりに何人かいた。
空気が、少し薄くなってきた。
後ろから一人が飛び出してきて、
デッキに半円状に並ぶドアのひとつを開け、飛び込んだ。
迷いはなかった。
もうもうと、湯気のようなものが流れ出してくる。
大気圏に入った。
激しく揺れる。
僕は胡座をかいて座り込む。
遠くで、何かがぶつかるような音がした。
「後方デッキをシャットアウトします。
機能不全」
どれくらい時間が流れたのか分からない。
揺れがおさまり、静かになる。
「着陸しました。
速やかに脱出してください」
人の気配はない。
どこが出口だったかな。
目の前の扉を見つめながら、思った。
*
これは、ある感覚の断片です。