
職場の人間関係で、敵わないと思った日──助け合いは、その日には始まらない
隣の部署からヘルプの話が来たとき、みんな顔を見合わせた。
重い空気だった。
一人が入院したらしい。
ヘルプの内容についてミーティングが行われたが、他の部署にも応援を頼んだらどうでしょう、という声が出たきり、結論は出なかった。
私も気が進まなかった。
隣の部署の人たちは、視線が強く、どこか圧があった。
その頃、同僚に一人、苦手な男がいた。
彼は私を嫌っているようで、
私も彼を毛虫のように避けていた。
ある夜、残業していたのは私と彼だけだった。
彼はキーボードを叩きながら言った。
「まあ、あいつらも悪いんだよ。
普段、自分たちの仕事押し付けたりしてるだろ。
だから、いざ困ったときに、気持ちよく手伝ってもらえねえんだよ」
私は、何も言えなかった。
敵わない、と思った。
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この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
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