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職場の人間関係で、敵わないと思った日──助け合いは、その日には始まらない

    隣の部署からヘルプの話が来たとき、みんな顔を見合わせた。
    重い空気だった。
    一人が入院したらしい。
    ヘルプの内容についてミーティングが行われたが、他の部署にも応援を頼んだらどうでしょう、という声が出たきり、結論は出なかった。

    私も気が進まなかった。
    隣の部署の人たちは、視線が強く、どこか圧があった。

    その頃、同僚に一人、苦手な男がいた。
    彼は私を嫌っているようで、
    私も彼を毛虫のように避けていた。

    ある夜、残業していたのは私と彼だけだった。

    彼はキーボードを叩きながら言った。

    「まあ、あいつらも悪いんだよ。
    普段、自分たちの仕事押し付けたりしてるだろ。
    だから、いざ困ったときに、気持ちよく手伝ってもらえねえんだよ」

    私は、何も言えなかった。

    敵わない、と思った。


    *

    この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
    他の作品もよろしければ。


     
     
    日常の薄皮をなでるように。 どう生きれば、自分の人生を生きたと言えるのか。 そんなことを考えています。

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