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人間休業日──仕事を休むのではなく、人間を休みたい

    「今日は、人間を休みます」

    ガラス玉のような上司の目
    静止画像のような周囲の人々

    僕は、そのまま外へ出る

    ダンス、ダンス
    身体だけが先に動く
    太陽が、やけに明るい

    ーー疲れたな。

    有給休暇?
    それでは足りない。

    社会人でもなく
    夫でもなく
    父でもなく

    名前すらも脱ぎ捨てて
    ただの生き物になりたい

    温泉で深く吐息をつく
    うたた寝をする
    窓の外を眺める

    頭の中を
    雲の切れ端が流れていく

    風の匂いがする

    そのまま帰らないこともできる
    下着さえあれば、いつでも泊まれる

    ちゃんと戻るから

    それでも時々、
    ただ、湯気の中でぼんやりしている
    何者でもない時間がほしい

    そんな日が、
    月に一度あってもいい

    いや、ときどきでもいい


    ——人間休業日

    *

    この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
    他の作品もよろしければ。


     
     
    日常の薄皮をなでるように。 どう生きれば、自分の人生を生きたと言えるのか。 そんなことを考えています。

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