
両手いっぱいの愛で、首を絞めていた
【Verse 1】
誰でもよかった、と言ったら嘘になる。
でも、「あなた」じゃなきゃダメだったかと言われると、それも怪しい。
私はただ、両手で抱えきれないほどの「愛」を掴み取りたかった。
愛が何なのか知っているかと聞かれれば、それもまた怪しいけれど。
キャンパスを歩けば、肩を寄せ合う男と女がやけに目につく。
お互いだけを見つめ合って。まるで、頼り切っているように。
「……幸せそうだね」
カバンを抱え直す。
なんて忙しいんだ。
早歩きになる。
ああ、息が苦しい。
この世界は、酸素が薄い。
……
【Chorus】
私が相手を愛しているかなんて、問題じゃない。
ただ、私を愛して。
「私を見て」
「私を愛して」
私が息を吸えるまで。
「君を探してた」
「ずっと探してた。」
私を愛せない私を、その手で繋ぎ止めて。
愛してなくても、愛されたい。
……
【Verse 2】
だから、私を好きだという人は、絶対に手放さない。
やっと掴み取った。
やっと息ができる。
これで私は普通になった。
みんなと同じ。
「よかったね。」
「幸せそうじゃない。」
……
本当に?
二人セットになってしまえば、相変わらず息が苦しい。
じゃあ、これはいらないの?
はっきりしなよ。
……
嘘。
離したら死ぬ。
だから、私から離れないで。
私の手の中で、
私だけに囚われていて。
「私を好きって、本当に?」
私は何も言わずに、曖昧に笑う。
この手は離さない。
愛してくれるなら、
愛していなくても、
手放さない。
掴んだ指だけが、
少しずつ強くなる。
……
【Verse 3】
私だって、心から誰かを愛したい。
「魂の片割れ」を信じているわけではないけれど。
私を見つけて。
私を自分のものにして。
この人がそうなの?
今度こそ、本当に?
少しずつ、
少しずつ近づくの。
あなたが私を見る。
私があなたを見る。
……
ああ、やっぱりダメなの。
また、息ができない。
「君が本当の愛を見つけるまで、そばにいるよ」
そうやって私を騙してくれるなら、それだけでもいい。
……
【Bridge】
「素直になりなよ」と、みんなは簡単に言うけれど。
素直になんて言えない。
「最低。」
「そんなの愛じゃない。」
「相手がかわいそう。」
……そうだよね。
でも、手放せない。
だから、今日もみんなに嘘をつくの。
「……好きになれるかもしれないから」
……
【Outro】
愛してなんていない。
でも、私から離れてはダメ。
私の手の中で。
私だけに囚われていて。
(離したら、息ができなくなってしまうから。)