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ガラスの仮面

    中学生の頃、私は「ガラスの仮面」に夢中だった。

    一度読み始めるとやめられなくて、
    次の巻をどうしても読みたくなる。

    あるとき、私は母に頼んだ。

    お年玉を前借りさせてほしい、と。

    ガラスの仮面を買いたかったのだ。

    怒られると思った。

    母は漫画が好きではなかった。
    私はいつも漫画ばかり読んでいて、少し軽蔑されている気がしていた。

    母は少し黙っていた。

    そして、何も言わずにお金を出した。

    私は驚いた。

    けれどすぐにお金を握りしめて、本屋へ走った。

    国道沿いの、ルナブックスという店だった。
    信号の角にあって、今はもうファミリーマートになっている。

    私は夢中で「ガラスの仮面」を買った。

    そして、ちゃんとお年玉もくれた。

    *

    この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
    他の作品もよろしければ。


     
     
    日常の薄皮をなでるように。 どう生きれば、自分の人生を生きたと言えるのか。 そんなことを考えています。

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