
ガラスの仮面
中学生の頃、私は「ガラスの仮面」に夢中だった。
一度読み始めるとやめられなくて、
次の巻をどうしても読みたくなる。
あるとき、私は母に頼んだ。
お年玉を前借りさせてほしい、と。
ガラスの仮面を買いたかったのだ。
怒られると思った。
母は漫画が好きではなかった。
私はいつも漫画ばかり読んでいて、少し軽蔑されている気がしていた。
母は少し黙っていた。
そして、何も言わずにお金を出した。
私は驚いた。
けれどすぐにお金を握りしめて、本屋へ走った。
国道沿いの、ルナブックスという店だった。
信号の角にあって、今はもうファミリーマートになっている。
私は夢中で「ガラスの仮面」を買った。
そして、ちゃんとお年玉もくれた。
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この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
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