
ショートエッセイ:気がラクになったのは、私のほうだった
未来を予測することは、全人類に公平に与えられた権利なんだよ。
ある日、会社の後輩に、つい言ってしまった、
しまった、と思った。
変なヤツだと思われる、
暑苦しいヤツだと思われる、
おっさんの遠吠えだと思われる、
〈いや、おっさんだけど〉
ついでに、こうも言った。
データは全て過去の記録、現在はジリジリと動いている、まさに今。
天気は予報、地震は予測、占いは当たるも八卦。
未来に確かなことなんて一つもない。
〈おいおい、断定しすぎだろ〉
だからね、と、後輩がいま一番気にしていることに話を戻す。
新規事業に正解なんかないんだよ。
やってみるまで、誰もそれが成功するかどうかなんてわからない。
すると、後輩は目を輝かせて言った。
ありがとうございます!
すごく気がラクになりました。
気がラクになったのは、私のほうだった。
おわり

▼ 正解、いったん置いとこ
▼ 未完くらいが、ちょうどいい
▼ わからなくても、大丈夫
