ひつじが3分の2になりました
以前、ひつじの着せ替えあみぐるみを編み始めた話を書きました。
あれから無事に1匹目が完成し、すっかり気をよくした私は、2匹目に取りかかりました。
1匹目は、とにかく楽しくて、嬉しくて。
初めて編むひつじに夢中で、目がそろっているかなんて、あまり気にしていませんでした。
その結果、できあがったひつじは、目の大きさもそろっていなければ、ところどころ「ん?」というところもある。
まあ、実に手編みらしい、大らかな仕上がりとなりました。
でも、2匹目となると欲が出ます。
今度こそ、きれいに編みたい。
1匹目より上手になったところを見せたい。
そこで私は、目をそろえることを意識して、少しきつめに編むことにしました。
ゆるくならないように。
棒針にぴったり沿うくらいに。
一目一目、きっちり、きっちり。
そうして順調に編み進めていたのですが……。
途中から、なんだかおかしい。
小さい。
いや、気のせいではない。
明らかに小さい。
1匹目の隣に並べてみると、
ひつじが、3分の2になっていました。
同じ編み図です。
同じ毛糸です。
編んだ人も同じです。
なのに、なぜ。
目をそろえようとしただけなのに。
上手に編もうとしただけなのに。
ひつじが縮んだ。
そして困ったのが、この子に着せる服です。
編み図の指定は15号の棒針。
でも、3分の2になってしまったひつじに、1匹目と同じ15号で服を編んだら、どう考えても大きすぎます。
何号で編めばいいの?
8号?
10号?
とりあえず10号で試し編みしてみたものの、今度は小さい気がする。
11号か、12号か。
さんざん迷った末に、11号で編むことにしました。
ところが、できあがった服を着せてみると、今度はちょっとぴったりすぎる。
12号にすればよかったかなあ。
でも、これにはひつじ側にも少々事情があります。
小さくなってしまったこの子を見ながら、
「わたをいっぱい入れたら、少し大きくなるんじゃない?」
と思ってしまったのです。
そこで、わたをぎゅうぎゅう。
もう少し入る。
まだ入る。
大きくなあれ、大きくなあれ。
……結果、小さいまま、ちょっとおデブなひつじになりました。
そりゃ服もぴったりになります。
それにしても、編み物というのは不思議です。
同じ編み図で、同じ毛糸を使って、同じ人間が編んでいるのに、手加減ひとつでこんなにも違うものができあがる。
知識としては知っていたはずなのに、大小2匹のひつじを並べてみると、あらためてその違いに驚きます。
そしてもうひとつ、今回わかったことがあります。
「今度こそきれいに編もう」と力むと、私はどうやら力みすぎるらしい。
1匹目は何も考えず、ただ楽しく編みました。
2匹目は、上手に編もう、目をそろえよう、と考えながら編みました。
そして、3分の2になりました。
さて、3匹目。
もう余計なことは考えません。
上手に編もうともしません。
普通に編みます。
どうか、普通サイズのひつじが生まれますように。
