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たいへんよくできました【毎週ショートショートnote】

    kao

    純じゅんがぼくに訊いた。
    「あれが先生の弟?」
    柚ゆずが驚いた顔をする。
    「どうしてお坊さんなの?」
    弟は祭壇の前で木魚を叩き読経している。
    この寺の僧侶だ。
    「ここは親戚のお寺で跡取りがいなくて、弟が継ぐことになったんだ」

    修学旅行のバスが事故にあい、犠牲者の合同葬が行われている。
    多くの参列者は涙を流していた。
    この寺で一番若い僧侶の弟が読経することになり、ぼくは心配でハラハラしながら見守っていた。

    読経の声が小さいと叱られ、ぼくと一緒に腹式呼吸の練習をした。
    木魚のリズムが悪いと言われ、ぼくは音楽室からメトロノームを借りてリズムをとった。
    練習の甲斐があり、今日の読経は朗々と響き、木魚のリズムは心地よく、素晴らしかった。
    「『たいへんよくできました』のハンコをあげたいな」
    これでいい。
    これから、多くの人の心を救ってくれ。

    祭壇に飾られているのは、ぼくと純と柚の写真だ。
    ぼくを送るため、住職ではなく弟が読経を任されたのだった。


    (400字(ルビ除く))


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    #毎週ショートショートnote に参加しました。
    お題「木魚感想文」

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    【今日の画像】いらすとやさんのイラストを使用し、Canvaで作成しました。



     
     
     

    kao

     
     
    短い小説を書き、短歌も詠む足が遅いランナー。春から秋はガーデニングも。 還暦プラス4です。ZINEフェスに参加しています。 Kindle出版しました! https://amzn.asia/d/08GprLVX

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