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Photo bymatsuda2772

額に入った夕暮れ【毎週ショートショートnote】

    老人ホームの個室。
    ベッドサイドのデジタルフォトフレームに、夕暮れの写真が表示されている。数分ごとに写真が入れ替わる。

    「海辺、山、都会……みんな恋人と別れた時の夕暮れだよ」
    老人は横になったまま写真を眺めてつぶやく。
    「まぁ、それはさびしい思い出ですね」
    夕食を運んできたヘルパーがベッドを起こす。
    半袖のポロシャツからぽっちゃりとした腕が伸びている。

    老人は目を閉じて思い出す。
    夕暮れの空を見ると、なぜか相手の首を絞めたくなる。
    そして何度か実行してしまった。
    夕暮れと、横たわる彼女を写真に残した。
    空が、燃える橙だいだい色から青紫になり、暗い黒になると、闇に紛れてなきがらを始末しに行った。

    彼女たちは行方不明のままだ。
    入所の際に写真はトリミングした。

    「今日もきれいな夕焼けですね」
    ヘルパーは老人に食事用エプロンをつける。
    「そうだね」
    ヘルパーの丸顔が夕日に照らされ、つやつやしていたので、老人は思った。


    ああ、この両手の麻痺がなければ……


    (414字)

    =====
    #毎週ショートショートnote に参加しました。
    お題「額に入った夕暮れ」

    怖いですね……
    自分で書いておいてなんですが……(-_-;)


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    【今日の画像】みんなのフォトギャラリーから。
    「夕暮れ」で検索。
    ちょっと寂しそうにも見える都会の夕暮れ。

     
     
     

    kao

     
     
    短い小説を書き、短歌も詠む足が遅いランナー。春から秋はガーデニングも。 還暦プラス4です。ZINEフェスに参加しています。 Kindle出版しました! https://amzn.asia/d/08GprLVX

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