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Photo bykamei_kana1223

僕が登る【毎週ショートショートnote】

    kao

    海の浅瀬に、多くの噴石が積み重なってできた奇岩があった。
    高さ三メートルはあろうか。しめ縄の紙垂の白さが目に染みる。

    「これに登るのか?」
    俺は恐る恐る見上げた。
    妻と、高校受験を控えた息子の翔が無言で頷く。
    よじ登って、頂に五円玉を置けば試験に合格するという伝説の奇岩だ。

    受験生の翔がケガでもしたら大変なので俺が代わりに登る。
    内緒だが俺は高所恐怖症だ。しかし登らなければ。
    震える足で一歩前に出たその時。

    「ちょっと待った!僕が登る」
    翔が駆けてきて、ザブザブと浅瀬に入り、素早く奇岩によじ登り、頂に五円玉を置いた。
    「お父さん、昔ジェットコースターに乗った時、顔が青くなって足が震えてたのを思い出した。本当は高所恐怖症だよね?」
    「見てたのか……ありがとう、翔」
    「無理するなよ。僕は怖くないから大丈夫……ハックション!」
    翔が大きなくしゃみをした。

    「もう、受験生が海に入って風邪ひいたらどうするのよ!」
    口をとがらせた妻も涙目だった。


    (407字)

    =====
    #毎週ショートショートnote に参加しました。
    お題「合格奇岩」

    きっと合格ですね v(^O^)v

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    【今日の画像】みんなのフォトギャラリーから。
    「五円玉」で検索。
    そうそう、ありますよね!こういう赤い紐を結んだ五円玉。
    調べてみたら、赤は魔除けの意味があるそうです。
    あと、生まれ年の五円玉がいいそうだけど、私は探すの難しいかなぁ(^_^;)

     
     
     

    kao

     
     
    短い小説を書き、短歌も詠む足が遅いランナー。春から秋はガーデニングも。 還暦プラス4です。ZINEフェスに参加しています。 Kindle出版しました! https://amzn.asia/d/08GprLVX

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