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Photo by23zou

骨折祈願【毎週ショートショートnote】

    「ねえ、お願い」
    幼馴染の同級生・結愛ゆあがきらきらした瞳で俺を見つめるので、眩しくて思わず目をそらす。
    「あたしを階段から突き落としてくれない?」
    「何だって?」

    結愛が陸上部の朝練のため六時に家を出る日、必ずバス通りでイケメンに会うという。
    「これって初恋だと思うの」
    ある日結愛は朝練をパスして後を追う。
    彼は市民病院の通用口に入っていった。
    病院のウェブサイトに整形外科医として彼の写真が載っていた。

    「学校でケガをしたら市民病院に運ばれる。骨折だったら彼と知り合えるよね?だから突き落としてよ」
    「それじゃ俺が悪者じゃないか」
    「偶然ぶつかったって感じでいいから、ねえお願い」

    結愛に押し切られてしぶしぶ決行することになった。
    俺が階段を上りながら、下りてくる結愛にぶつかる計画だ。

    結愛が階段を下りてきた。

    俺は肩で結愛を押す……


    ……ことはできなかった。


    腕を伸ばし、結愛の肩をつかんで抱きしめた。

    「できるわけねーだろ!好きなんだから!!」



    (413字)


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    #毎週ショートショートnote に参加しました。
    お題「骨折祈願」

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    【今日の写真】みんなのフォトギャラリーから。
    「階段」で検索。
    高校の風景(今は廃校になっているそうです)。


     
     
     

    kao

     
     
    短い小説を書き、短歌も詠む足が遅いランナー。春から秋はガーデニングも。 還暦プラス4です。ZINEフェスに参加しています。 Kindle出版しました! https://amzn.asia/d/08GprLVX

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