
【詩】蒼穹を写すキャンバス
絵の具を溶かした水入れのなかに
今日の空が、静かに沈んでいく
筆先に含ませたのは、どこまでも深い青
キャンバスに向かう私は
ただ、無限という名の果てしない広がりを
この小さな手の中に閉じ込めようとしていた
現実のノイズと、理想の静寂の狭間で
何度も色を塗り重ねていく
ふと、手を止める
描けば描くほど、キャンバスは重くなり
私が本当に描きたかった「空」から
遠ざかっていくような気がして
存在に、意義などない
星がただそこに光り、雲がただ流れるように
私という存在にも、きっと大層な意味などなくていいのだ
抱え込みすぎた言葉も、誰かのための正しさも
一度すべて、投げ出してしまおう
時には空っぽにならないと
新しい光も、透明な風も、何も入れられないから
白く戻したキャンバスの向こう
窓を開ければ、本物の青が私を包み込む
意味をなくしたその瞬間に、私はようやく
あの無限の空の一部になれた気がした