
店長になるつもりなんて、なかった。
私は、アルバイトから店長になった。
こう書くと、
「店長を目指して頑張って、アルバイトから昇格したんだな」
みたいに見えるかもしれない。
全然そんなことはない🤣
むしろ当時の私は、
店長なんて大変そうだし。
私がやるとか考えられないよなぁ。
くらいに思っていた。
店長になりたいなんて、これっぽっちも思っていない。
ただ、仕事は楽しかった。
スタッフみんな仲が良くて、上司にも恵まれていた。
だから私は、
楽しくアルバイトをしていただけである😏
⸻
【店長になる気のない、アルバイトだった。】
その会社に入る前、私は別のアパレル会社で正社員として3年ほど働いていた。
そこを退職して、別のアパレル会社にアルバイトとして入った。
それから約3年。
職場の人たちは本当に仲が良かった。
仕事に行くのが嫌じゃない。
むしろ楽しい。
上司にもスタッフにも恵まれていたと思う。
ただ当時の私は、今振り返ると少々めんどくさいスタッフだった。
変に自信があった。
自分の考えをなかなか曲げない。
店長から指示をされても、
「でも私はこう思う」
が出てくる。
そして納得できないと、
顔に出る😑
今はだいぶ丸くなったと思う。
……たぶん。
⸻
【売上を上げる店長と、負の遺跡。】

当時の店長は、感覚で仕事をして結果を出せる人だった。
「これ売れると思う」
で、結構な量を発注する。
そして本当に売る。
実際、その人が店長になってから、お店の売上は上がった。
すごい人だったと思う。
ただし。
売れなかった時が大変なのである🤣
当時、雑貨系の商品は自店で発注数を決められた。
大量に発注した商品が売れなければ、そのまま大量の在庫になる。
ストックがヤバい。
明日には通常納品がやってくる。
でも入れる場所がない。
一日中ストックを整理しないと、翌日の納品を迎えられない。
店長が感覚で攻めた、その後ろで。
我々はせっせとストックを掘る😂
しかも中には、
「……コレ、10年くらいいるんだけど」
みたいなアクセサリーまでいた。
負の遺跡である🤣
新人スタッフより先輩かもしれない。
途中から店舗で自由に発注できる仕組みではなくなったので、そんなことも減っていった。
それでも負の遺跡たちは、しばらくそこにいた。
⸻
【二番手だった先輩が、店長になった。】
その店長とうまくやっていくために、一緒に協力していた二番手の先輩がいた。
この先輩。
本当に頼りになる。
面白い。
仕事もできる。
でも、
ダメダメなところも普通にある🤣
私はこの先輩と仲が良かった。
途中で店長が変わり、その先輩が店長になった。
そして私は二番手になった。
店長と二番手。
肩書きだけ見れば関係は変わった。
でも、私たち自身の関係性はあまり変わらなかった。
先輩は変わらず私を頼ってくれた。
「助けて〜😂」
「手伝って〜」
みたいなことも、ちょいちょいあった。
私は、
「はいはい🤣」
みたいな感じで助ける。
店長だからといって、完璧なふりをしない。
情けないところも普通に見せる。
でも、いざという時にはちゃんと頼りになる。
今思えば、この人はかなり私の店長としての師匠だったんだと思う。
なぜなら後に私も、
「助けて〜😂」
「誰か手伝って〜」
を普通にやる店長になったからである。
しっかり受け継いでいる。
⸻
【自分が作りたい店は、店長になって作れ】
先輩が店長になったことで、店長の仕事はそれまでよりずっと身近になった。
私も二番手として、店づくりに関わる。
すると当然、
「私はこうしたい」
が出てくる。
でも店長になった先輩には、
「私はこうする」
がある。
納得できん😑
そして当時の私は、納得できないと顔に出る。
元々仲が良かったから、余計に遠慮がなかったのだと思う。
今思えば、めんどくさいスタッフである🤣
そんな私に、先輩が言った。
「自分が作りたい店は、店長になって作れ」
……いや。
私は店長になりたいわけじゃないんだが😂
当時はそんな感じだった。
でも今なら、先輩の言っていたことがよく分かる。
お店を任されているのは店長だ。
もちろんスタッフの意見を聞くことは大切だと思う。
でも、全員の意見を全部採用することはできない。
店長だって何も考えずに決めているわけじゃない。
悩んで、考えて、最後には決めなければならない。
そこで二番手が毎回、
「納得できません😑」
みたいな顔をしていたら。
……うん。
先輩、すまんかった🫡
⸻
【それでも、店長になる気はなかった。】
先輩からは、
「店長やりなよ」
と何度か言われていた。
「やりたくなったら、いつでも推薦するよ」
とも。
その会社には、当時店長になるための試験や面接がなかった。
店長から推薦してもらい、その後に研修を受ける。
だから私にも、店長になる道はあった。
それでも私は動かなかった。
だって仕事は楽しいし。
二番手として頼ってもらえている。
店長は大変そうだし。
このままで良くない?😏
と思っていた。
そんな私に、仕事とはまったく別のところから転機がやってきた。
⸻
【人生というものは、急に予定を変更してくる。】

5年付き合い、結婚も考えていた人と別れた。
結婚予定、消滅🤣
すると当然、
「……これからどうする?」
となる。
このままアルバイトでいることへの将来的な不安。
これからどう働くのか。
私はどうしたいのか。
いろいろ考えた。
でも逆に考えれば、
今なら異動になっても問題ない。
引っ越すことになったって大丈夫。
そんなことを考えていた、ちょうどその頃だった。
ある店舗の店長が辞めることになった。
それに伴って、店長の異動が必要になる。
でも、今のところ行ける人がいないらしい。
そんな話が流れてきた。
私は思った。
このタイミングで、この話が来るって。
やれってことじゃない?😏
それまで約3年、
「店長は大変そう」
「私がやるなんて考えられない」
と思っていた人間である。
でも私は、
ほぼ勢いで、
「やります🫡」
と言った。
数年間、
「店長? 私はいいです😂」
と言っていた女の決断とは思えない速さである。
⸻
【タイミングだけで、店長になったわけじゃない。】
今振り返っても、私が店長になったのは、本当にいろいろなタイミングが重なった結果だと思う。
結婚の予定がなくなったこと。
将来を考え直したこと。
異動できる状況だったこと。
ちょうど店長の席が空いたこと。
先輩が以前から推薦すると言ってくれていたこと。
どれか一つ違えば、店長になっていなかったかもしれない。
でも。
タイミングだけでもなかったと思う。
その会社で働いた約3年間が、私は本当に楽しかった。
一緒に働く人たちに恵まれていた。
二番手になって、店長の仕事を近くで見るようになった。
「私はこうしたい」と思うくらい、店づくりにも関わるようになった。
先輩から頼ってもらうようにもなった。
店長になりたいとは思っていなかった。
でも気づかないうちに、
「この会社でなら、店長をやってもいい」
と思えるところまで来ていたのだと思う。
振り返ってみれば、
私はあの頃から、店長になる準備をしていたのかもしれない。
そこへ最後の一押しみたいに、いろいろなタイミングが重なった。
だから私は、
「やります」
と言えた。

⸻
【「やります」の後、人生が急に早送りになった。】
店長になると決めてからは、早かった。
異動まで、ほとんど時間がない。
その前に、別の店舗で2週間の店長研修。
研修中は会社が借りていたマンションで、同じく店長研修を受けているスタッフと共同生活をした。
店長の勉強をしながら働いて、
その研修先から新しく住む家の内見へ行く。
家を決める。
引っ越しの準備をする。
私、まだ店長になってないのに忙しい🤣
ちなみに、この2週間の共同生活で私は、
後にずっと忘れられない仕事仲間になる人と出会う。
その話は、またいつか。
そして。
新しい店へ向かう私に、ずっと私を見てきた先輩が言った。
「店長になるなら、不満を顔に出すなよ」
ごもっともである。
私の「納得いかない😑」を散々見てきた人だ。
たぶん、誰より知っていた。
⸻
【店長になってから、分かったこと。】
当時の私は、先輩の言葉の意味をどこまで理解していただろう。
でも、自分が店長になってスタッフを持つようになってから、少しずつ分かるようになった。
スタッフに頼っていい。
「助けて〜😂」と言ってもいい。
情けないところだって見せていい。
一緒に笑って働いていい。
私はそれを、先輩から教えてもらった。
でも同時に、
仲がいいことと、店長とスタッフとの境界線がなくなることは違う。
それも、自分がスタッフだった頃の経験から学んだ。
私は先輩と仲が良かったからこそ、遠慮なく不満を出した。
自分の考えと違えば、納得できない顔をした。
でも店長になってみれば分かる。
店長は店長で真剣に考えている。
悩んでいる。
その上で、自分の店に対する答えを出している。
店長になる前の私は、
店長になるつもりなんて、これっぽっちもなかった。
それでも気づけば、
店長になってもいいと思えるところまで来ていた。
そして私は、
初めて自分の店を任されることになる。
⸻
【店長になろうとしている人へ。】
私は、店長になりたくて頑張っていた人間ではない。
だから、ずっと店長を目指して努力している人からしたら、
「いや、こっちはなりたくて頑張ってるんだが」
と思うかもしれない🤣
それは、本当にそうだと思う。
私の場合は、たまたまいろいろなタイミングが重なって、
「やってみようかな」
と思えた。
だから、店長を目指して頑張っている人と、同じ道を歩いてきたわけではない。
ただ。
店長になりたいけど、
「自分にできるのかな」
と思っている人がいたら。
そこについては、少しだけ言えることがある。
私は店長になる前、
自分が店長になってスタッフをまとめている姿なんて、ほとんど想像できなかった。
それでも、なってみたら。
どうにかなった🤣
もちろん、最初から何でもできたわけじゃない。
失敗もした。
スタッフが辞めて、かなり落ち込んだこともある。
自分のやり方が正しいのか、悩んだこともある。
それでも続けていくうちに、
スタッフに任せることを覚えた。
人を育てることを覚えた。
売り場を作って、店を作って、
気づけば店長として働くことが、普通になっていた。
その後は店長だけではなく、さらにその先の仕事も経験した。
一人で飛行機に乗って、店舗を回るような仕事までした。
店長になることすら想像していなかった私が、である🤣
だから、
店長になりたいけど自信がない。
自分にできるか分からない。
そんな理由で迷っているなら。
最初から「店長ができる人」である必要はないんじゃないかと思う。
なってから、店長になっていく人もいる。
少なくとも私は、そうだった。
⸻
ちなみに。
あの日、先輩から言われた、
「自分が作りたい店は、店長になって作れ」
という言葉。
何年か後。
店長になった私が、
まったく同じ言葉を、あるスタッフに言うことになる。
あの時は、
「いや、私は店長になりたいわけじゃないんだが😂」
なんて思っていたのに。
立場が変わって、初めて見えるものもある。
あの日の先輩が見ていた景色を、
私は店長になってから、少しずつ知ることになった。
そして今なら、
店長になろうか迷っている人に、たぶんこう言う。
「なっちゃえば、どうにかなるよ🤣」
少なくとも私は、
そうやって店長になった。
