
質的研究②インタビュー後の分析マニュアル、コード化・カテゴリ化の方法
はじめに
質的研究では、人の語りや体験、経験の記述を分析し、共通する内容や構造を見出すような分析をしていきます。
ステップ①:分析の準備
逐語録を熟読し、研究目的を常に意識する
→付箋に目的を書いてモニターの上側に貼るのが効果的ローデータ(生データ)の抽出=切片化
→ Word(逐語録)にマーカーで研究目的に合致する文を選択して、Excelへ切り取って貼り付ける

ステップ②:コード化(コーディング)
コードとは?
一文で意味が伝わるようにローデータの意味を解釈して文章化したもの
ローデータの文言に忠実にしたほうがベター(抽象化しすぎない)
最小の意味単位であることが大切(それだけ読んでも意味がわかる)
コーディングのコツ
主語と述語を意識する(省略しても良いが意味が通るように)
目安:分析方法にもよるが20〜50字程度(?)
文脈からの妥当な推論(こうゆう意味かな)はしてもよい(ただし想像はNG)
ステップ③:コード全体を見直す
コードの抽象度(やたらと具体的なコードがないか)や語尾の言い回し(過去形、現在形など)を統一する
目的に合わないコードは削除(迷うものは保留)
類似内容を統合し、整理・圧縮していく(同じ内容のコードがあればひとつにする)
ポイント:
「もったいない」と感じても、ノイズ(目的と合っていないコード)は思い切って削除。
他者が読んでも「納得できる」分析を目指す。
ステップ④:カテゴリ化
カテゴリ化とは
コードを似たもの同士で集めて分類する
共通点を示す名前を付ける
カテゴリ名は名詞止め(体言止め)で統一することが多い
カテゴリ化でも常に研究目的を意識する
サブカテゴリを作る場合のカテゴリ化の順番はどちらでもOK
・コード→サブカテゴリ→カテゴリ
・コード→カテゴリ→サブカテゴリ
カテゴリを見直す視点
各コードが正しいカテゴリに入っているか確認
サブカテゴリ名はカテゴリより具体的に
カテゴリ名は抽象的すぎないように注意
カテゴリ数の目安:3から9くらい?
サブカテゴリ数の目安:10から30くらい?
カテゴリ化視点:読者が読んだときに役立つように、意義にかなうように分類

よくある失敗
研究目的がブレてしまう
コードに複数の意味が混在(切片化の不足)
自分しか意味が分からない表現になる
ステップ⑤:論文・発表への展開
結果のまとめ方
例)インタビューの逐語録から、研究目的に合致する内容として65のコードを抽出した。さらに、コードの類似性に従って抽象化を行い、23のサブカテゴリを生成した。さらに抽象化を行い5つのカテゴリを生成した。以下、カテゴリを【 】、サブカテゴリを《 》、コードを〈 〉で示した。
ローデータを示す重要性
読者に「リアリティ」を伝える
コード化の妥当性を裏付ける
発表では聴衆を“その世界”へ引き込むことができる

まとめ
コード化は「データを切り分けて意味を見出す作業」
カテゴリ化は「意味を構造化する作業」
研究目的と意義に立ち返ることが最重要