
24話 熟海
今、トナリと海にいる。
フワフワと砂浜で追いかけっこをしている姿をライカのレンズ越しに目で追う。
フィルムの残りを気にせず何枚もシャッターを切る。
「こっちおいでよー!!」
トナリに呼ばれるが、、、、
なんか、、、
その、、、、
「黒い存在に波打ち際に呼ばれるのこえーな」
とか、ちょっと思った。
時間は遡ること朝。
海に写真を撮りに行くついでに、住職のところに行ったのよ。
トナリとフワフワの生活費を渡しにね。
どうせ受け取らないんだろうなぁとか思ったから、
ポストにでも入れておこうと思ってたんだけど。
もうね、驚いたよね。
ちらっと見えた住職、くっそボロボロの傷だらけなのよ。
言っても、住職ジジイなのに、身長180のムキムキよ。
それが傷だらけってんだからさ、
「とうとう、敵さんのお出ましか!」と
「トナリの安否は!?」と
そりゃ、駆け寄るわけですよ!
で、話を聞いてみたらさ、
駄々こねるんだとよ、トナリが、、、、
「帰る!」って言う事聞かないらしくてさ。
住職も粛々と説き伏せるんだけど、黙って聞くどころか、結構な力で殴ってくるらしくてね。
まぁ、でも住職も大人よ、、、、
坊さんだし、子供の駄々くらいじゃなんともないんだけど。
そのね、、、、
トナリのロンギヌス的なものがね、、、
こうね、、、
顔面目掛けてね、、、、
そんなこんなで、住職に取り押さえられて何時間かすると力尽きて寝ちゃうらしいんだけど、
あれから毎日そんな感じらしくてね、、、
で、もう引き取れと、、、
まぁ実際のところ、敵のこととか考えて二の足踏んでたんだけど、
住職と話してる時に起きてきたトナリが嬉しそうに抱きついてきてさ。
「帰ろ!」
ってさ。
なんか色々考えんのめんどくさくなっちゃってさ。
なるようになればいいかってさ。
トナリとそのまま海に来たんよ。
で、トナリの親父の件については、
なんか住職の方が把握してるようで、
問題ない、気にせんでいい、みたいな事を言ってたな。
まぁ、あの人が言うなら問題ないと思うわ。
しっかし飯の時間だけはトナリも大人しく食べてるってのには少し笑った。
笑ったら住職にげんこつもらった。
それ見てトナリは笑ってるしさ。
フワフワは「にゃー」ってさ
で、せっかくの海だから近くにいた人に写真撮ってもらうように頼んだんだけど、
まぁ緊張したよね、、、
幸い、トナリは普通に見えてるみたいだし、
また、にょーんってなってもいいんだけど、、、
そのさ、、、
撮った人に呪いとか災難とか降りかからないといいなって緊張した。