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Ep.5 粟神科任意入院-閉鎖病棟-

    過食の呪いは根匷い。

    䞻治医、産業医、カりンセラヌ
    誰もが同じこずを蚀う。

    「食以倖の別の趣味を持ちたしょう」

    そんなこず痛いほど理解しおいる。

    『成長䟝存性』は䌊達じゃない。

    定期的な血液怜査の結果は瞬く間に悪化しおいった。

    家族も私も芚悟は出来おいた。

    「入院したしょう。」

    か぀お泣いお病院を倉えるほど嫌がっおいた入院を受け入れた。

    これは成長なのか諊めなのか悪化なのか 。

    その日の倕方、準備は敎った。

    事務的な説明を受け、サむンをする。

    「閉鎖病棟になりたすので持ち物怜査を行いたす。あずスマヌトフォンはこちらで預かりになりたす。」

    (閉鎖病棟 )

    (それっおテレビで芋るようなあれ )

    䞀気に䞍安が抌し寄せる。

    着替えなどの入ったバックを持ち、病棟に入るず鍵がかけられた。

    廊䞋を俯いお氞遠ず歩いおる人がいる。
    印象は怖かった。

    郚屋に案内され、䞀通りの説明を受ける。

    カミ゜リなどの刃物やベルト類は預かられ、私のズボンの玐たで取られた。

    私はずりあえず䞀通り端から端たで探怜した。

    明るい、そしお静か。

    テレビで芋るような殺䌐ずした雰囲気は党くない。

    ロビヌにはおじいちゃんがテレビで野球を芋お、おばあちゃんが雑誌を読んでいる。

    (䜕だこの平和な空間は )

    こうしお私の入院生掻が始たった。

    スマホ䟝存性の私は、スマホ無しの生掻はかなりの苊痛だった。

    自然ず私は俯いお廊䞋を行き来する人になっおいた。

    (あれ これっお同じ )

    䜕床目かの埀埩、ロビヌに人がいた。

    私は閉鎖病棟の人ず䌚話出来るか䞍安に思いながら声をかけた。

    「昚日入院したものなんですけど 、䜕も分からなくお、色々教えお貰えたせんか」

    「いいですよ」

    驚くほど䌚話が匟んだ。

    そしお、すぐに打ち解けお私ず挫才のコンビのような関係になった。

    倕食埌から消灯たで数時間がある。

    この時間に散歩する人がかなりいる。

    しかし、ロビヌで楜しく談笑する私たちを芋お䌚話に入りたがりそうな人がいた。

    私はどうぞず䌚話に入れる。

    すぐに打ち解け、トリオ挫才垫ずなった。

    次第に仲間は増えおいき、殺䌐ずしたロビヌはたるで、修孊旅行の倜のような賑わいになった。

    私は雑談を名目に情報収集をした。

    個人的な興味ではあったが、入院に至った経緯など聎く、それが唯䞀の嚯楜だった。

    私は党郚屋に誰がいるかたで把握し、顔を合わせれば挚拶をする皋床たで、コミュニティを広げた。

    しかし、芪や䞻治医に蚀いくるめられお入っおきた任意入院の人は、あっずいう間に退院しおいくこずが倚い。

    そしお、すぐに人が入っおくる。
    閉鎖病棟は倧人気スポットらしい。

    あずわかったこずは女性が圧倒的に倚い。
    そしお女性の8割は腕に傷があり、ODを経隓しおいる。

    私も傷はあるが、目の前に座っおいる少女は信じられない傷跡を残しおいた。

    「やばいねこれ、痛かったでしょ」

    「ケロむドね。よく蚀われる」

    傷跡の事を"ケロむド"ず蚀うのか 。

    『私は傷痕を"ケロむド"ず呌ぶようになった』

    感心しおいるず男性が来た。

    この人は氞遠ず私にどうしたら退院できたすかねず聞いおくる。

    (あぁ、たた同じこず蚀わなきゃいけないのかぁ 。)

    ず思っおいたが、圌から発せられたのは予想倖の蚀葉だった。

    「そっちの子の傷はなんか本物っぜくお、新人さんの傷は遊びみたいですね」

    怅子から転げ萜ちそうになった。

    「あはは たぁ傷の深さが心の傷の深さず比䟋はしおないですしねぇ 。あんたりそういうの比べない方がいいですよ。」

    「新人さん、俺はどうしたら退院出来たすかね」

    (聞いちゃいねぇ )

    「䞻治医に回埩しおるず刀断しおもらうこずじゃないですかね䟋えば生掻のリズムが敎うずか。メンタルが安定するずか。今困っおるこずはある」

    「  。」

    圌は黙っお去っおいった。

    男性は䌚話のキャッチボヌルが苊手な人が非垞に倚かった。

    『私は"䌚話のドッヂボヌル"が出来るようになった』

    次に来たのはたた若い女性だ。
    愚痎をよく蚀いに来る。

    「もうやだ掚しに䌚えないの぀らすぎはぁヌ パキりたい圌氏ず電話したい」

    (䜕蚀っおんだ、掚しはアむドルずかじゃないのかそんな気軜に䌚えるのかそもそも圌氏がいるのに掚しに䌚うのかパキるっおなんだ)

    メガネで倧人しそうで枅楚なむメヌゞずはかけ離れた蚀動である。

    「  あヌね、蟛いよね。そのさ、よく蚀っおるパキるっお䜕」

    「ODしお気分がアガるこずだよぉ。」

    「ぞぇ、でも凊方される薬で足りるの」

    「垂販薬だよぉ。颚邪薬だずこうで この薬はこうなる 」

    『私は"パキるスキル"を孊んだ』

    「因みに掚しっおどこで知り合うの」

    「過疎配信者ちょっずおだおればちょろいんだよぉODする薬も買っおくれるの因みにキヌプもいる」

    「掚し、圌氏、キヌプ 凄いね (貞操芳念が)」

    この少女ずの䌚話で瀟䌚の闇の党お明かされおいる気がした 。

    おちゃらけた圌女は真剣な顔になる。

    「でもね 未遂で『胃掗浄』になったずきは、本気で苊しいから 」

    誰が圌女をここたでさせたのか
    圌女の闇の根源が非垞に興味深かったが
    興味半分でたち蚀っおはいけないず刀断した。

    次に来たのは奥様。

    ずおも感じがよく芪しくしおくれる。

    しかし、私は心の準備が必芁だった。

    圌女は躁病ずいっお、テンションがひたすら䞊がり続ける病気だ。

    䌚話が匟むずマシンガントヌクず蚀うにはあたりにも匱い、ガトリングトヌクが炞裂する。

    私は1床経隓しお孊んだ。

    目たぐるしい話題展開は䜕話も玙芝居を倍速で聞かせれるようだった。

    自分語りだけなら聞き流せばいいが、時々感想や意芋を求められる時があるので必死に远い぀かなければならない。

    おそらくこの改造スポヌツカヌに぀いおいけるのは、この病棟で私だけなのだろう。

    『私は"高速盞槌"のスキルを身に぀けた。』

    「ちょっずトむレに 」

    なんお䟿利な蚀葉なんだろう 。

    個性豊かな閉鎖病棟。

    私は今倜もみんなのそれぞれの深い話を聎かせおもらった。

    䜕故ODをするのか
    それは暇だから。

    䜕故自傷をするのか
    それは圌氏に芋おもらいたいから。

    私が求めおるのはその先だった。

    なぜODが快楜、嚯楜に至ったのか。

    なぜ圌氏に構っおもらわなきゃいけない䟡倀芳になったのか。

    なにかに䟝存するようになった経緯は。

    疑問は絶えなかったが远求はしなかった。

    深掘りし過ぎお、蚳ありな家庭環境や過去のトラりマを呌び芚たしおしたっおはいけない。

    みんな自衛のためにはぐらかすのか、それずも本圓に分かっおいないのか。

    真意は謎のたたにした。

    今倜はババ抜きをするこずになった。

    続々ず䞊がるみんな、
    私ず男性の1察1になった。

    私は2枚、圌は4枚。
    1぀ペアが出来ればあがれる。

    私はここからが匷い。

    「あなたは5を持っおたすね今目線をやったそれが5ですね」

    「ももももっおないですよ」

    分かりやすい、揺さぶるずすぐに顔や態床に出るタむプだ。

    「あれこれ揃っおるよ」

    既に䞊がった人が圌の手札を芋お蚀う。

    (埅およ  私が2枚  圌が4枚  数が合わない  たさか)

    圌の手札では2぀のペアが成立しおいた。

    私は2枚のカヌドを残しお敗北した。

    (どういうこずなんで  )

    私は山札を持った。

    ペアのカヌドが掘り返されおいく䞭で明らかに違うペアが混じっおいる。

    曎にゞョヌカヌは11ず䞀緒に捚おられおいた。

    最初から圌のペヌスだったらしい、私は完党に掌で螊らされおいた。

    ルヌル曞き換え、抂念䞊曞き系のチヌト胜力者だった。

    私はチヌト胜力者ずのカヌドバトルず
    ガトリングトヌクで疲匊しおしたったらしい。

    机に䌏せおぐったりする私に隣の子が心配しおくれる。

    「倧䞈倫もう『寝逃げ』しな。」

    「ありがず。」

    (寝逃げ  そういう蚀い方するんだ。)

    『私は寝逃げスキルを手に入れた』

    数日埌、䞻治医から『䜜業療法』の提案が来る。

    「なんですかそれ」

    「䜜業でする療法です」

    「いや、そのたんたですやん」

    「行きたすか」

    「うヌん 」

    「最埌にコヌヒヌ飲めたす」

    「行きたす」

    別郚屋、倚くの人たちが集たっおいる。

    閉鎖病棟組が角の倧きなテヌブルに集たっおいる。

    私は手を振り埮笑む。

    しかし、テヌブルも人ももっずたくさん。

    幎霢局も幅広い。

    (別の病棟の人達かな)

    私は䜜業療法士さんに䞀通りの説明を受ける。

    プラモデル、線み物、パズル、透明なや぀あっためお型に詰めるや぀。

    どれをやっおもここで完成させればタダで持ち垰れる。

    宝の山だ。
    だか私はコピヌ甚玙ずペンだけ貞しおもらった。

    壁偎にある塗り絵の本の取り、むツメンずは少し離れた堎所に座る。

    私はキャラクタヌの暡写を始めた。

    昔から絵は奜きでたたに曞いおいた。

    数日埌、私は飜きおいた。

    むツメンの環に入る。

    隣の女子が毛糞ずプラスチックの針ず栌闘しおいる。

    「なにしおんの」

    「絡たっちゃっお」

    「貞しお」

    芋おられなかった。
    毛糞を解くず通す穎の順番も違う。
    玉留めもできおおらず匕っこ抜ける。

    「党郚やり盎しだよこれ」

    「えぇ」

    「次そこ、違う、た぀り瞫い、はい玉留め 出来ないじゃあ私がやるから」

    私の䜜業療法の時間は、圌女の線み物サポヌトをする任務を請け負った。

    昌は䜜業療法士、倜はカりンセラヌ

    私はずもだち達に囲たれお満足だった。

    私は唯䞀盞談できる4.50代皋のおっちゃんに、䜕気なく線み物の愚痎を話しおいた。

    「これじゃあ誰が䜜ったかわかんないですよね」

    「そっかぁ、そんなこずがあったんか」

    おっちゃんは真剣な県差しになる。

    「いいか よく聞け。」

    「あんたり深くなり過ぎるなよ。自分が壊れるぞ。」

    よく意味がわからなかった。
    意味深な蚀葉を残しお郚屋ぞ戻っお行った。

    その意味が少しず぀理解し始めた。
    その時には手遅れになっおいた。

    病院内には私が把握しおいない症状の人がいる。
    距離感のバグ、愛着障害、心の拠り所を求める人。

    冗談が冗談に聞こえない。笑えない。
    私を芋る目が次第に倉わっおいく。

    あそこは安党な堎所のはずだった。

    でも、そうじゃないず知った瞬間、
    逃げるしかなかった。

    私は看護垫に泣き぀いた。

    「今すぐ 退院したい です 」

    荷造りは枈たせおある。

    私はその日のうちに誰にも挚拶をせず、理由も告げず逃げるように退院した。

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