
となりのトップランカー #02 | なぜ『夜の華』に?
「なんでこの仕事してるの?」
それは、一部のデリカシーのないお客様から
よく投げかけられる質問です。
恐らく彼らが望んでいるのは、
「性が好きだから」
「性欲を持て余したから」
といった、情動的な理由でしょう。
しかし、それはフィクションの世界の話だと
心に留めておいてほしいと思います。
目的は、やはりお金です。
キャストになる理由として、
これ以外のものがあるでしょうか。
私は、「ない」と思います。
2024年当時の私には、
約500万円の負債がありました。
女が一人、普通の仕事の普通の給料では
到底完済に辿り着けない額です。
だから、私は覚悟を決めました。
全ては自分が被った泥だったからです。
誰かに頼ることも、両手を上げることも
私にはできませんでした。
私はたった一人で戦うことを決めました。
それは私を孤独にしましたが、
私が欲しくてたまらなかったものを
手にするきっかけにもなったのです。
「保険外交員」という底なしの闇
当時の私は、安定した一社勤めの事務職を辞め、
完全歩合制の「保険外交員」の世界に
飛び込んでいました。
転職の理由はこちらでは割愛しますが、
そこもまた嘘と虚構が満ち溢れた
異質な世界でした。
「お客様のため」と言いながら、
実際には自分の利益が大きい商品を
言葉巧みに売らなければいけない。
本当に良い商品は割に合わず、
自分の首が締まっていくばかり。
最初こそ好成績を出せていましたが、
数年経つうちに段々と
成果が出せなくなっていきました。
「頑張ろう」「頑張ろう」と、
必死にもがけばもがくほど
足元が泥濘に絡め取られていく。
そして、弱った心につけ込むように、
人の向上心をエサにする者たちが寄ってきます。
高い営業商材、コーチング、営業塾。
「びっくりするくらい何でもない顔をして、
人を騙して去って行くんだな……」
と、後になって痛感しました。
気づけば、負債は500万円に達していました。
そんなになっても私は、
この仕事を諦めたくはなかったのです。
一人で膝から崩れ落ち、
声を殺して泣いた夜は数えきれません。
それでも、人の人生に寄り添うこの仕事に
やりがいを感じていたから。
「辛いけど、苦しいけど……
この場所でやり直したい」
歯を食いしばってそう思った私は、
昼の活動時間を守り抜きながら、
空いている時間でできる「副業」を探し始めました。
令和版 『お水の花道』
「女が効率よく稼げる仕事」
といえば、やはり夜の世界です。
最初は、近所のスナックへ面接に行きました。
しかし、"いかにも"なおばちゃんママが
放った一言で、その道は閉ざされます。
「お酒が飲める子を探してるんだよねぇ……」
それはそうです。
いくら求人には「お酒が飲めなくてもOK!」と
謳われていても、実際はそんなものです。
お客様と楽しくお酒が飲める子の方が、
喜ばれて当然。
お酒があまり強くない私は、
大人しく引き下がりました。
どの道スナックの時給では、
一晩中働かないと必要な収入額には達しません。
私はあくまで兼業として働きたいので、
昼の営業に使う体力は
温存しなければなりませんでした。
次に考えたのは、
スナックより高時給なキャバクラでした。
けれど、ふと考えたのです。
(そういう場所では【お触りは禁止】だけど、
それでも触ってくる客は一定数いるんじゃないか?
その度に断って嫌な思いをするくらいなら、
いっそ【触られることを許容】した方が、
こっちも割り切れていいんじゃないか⁈)
我ながら、極端な発想だなと思います。
でも、そうして割り切った方が、
相場のお給料は明らかに高いのです。
お酒も無理して飲まずに済みます。
触られることへの耐性が
自分にあるのかどうかは、
やってみなければわかりません。
ならば私は、やってみることにしました。
この時の私は36歳。
夜の世界で輝くには、遅すぎる年齢です。
それでも。
やらなきゃならない理由がありました。
ならば、やるしかありません。
私は、覚悟を決めました。
自分の人生に、落とし前をつける
その選択は正解だったのだと、
今の私なら言えます。
夜の華として、咲き誇ること。
これが、
私の「人生再生」のためのビジネスでした。
やるからには、真剣に。
やるからには、最高の結果を。
ただひたすらにそれを追い求め続けた結果が、
『トップランカー』です。
私が、私の人生を成功にしました。
そのことに誇りを持っています。
2年前。
まだ震えながらお店の面接に向かった私の背中を、
私は誇らしく思います。
2026年3月18日
KANA
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私が欲しくてたまらなかったもの
それは、500万円という負債を
完済するための現金以上に、
自分を根底から支えてくれる
「自信」という名の光
でした。
これまでの私は、
ひどく自信のない人間だったのです。