
【ショートショート】半透明ハイキング|透視メガネ
中学生の頃、黒縁の眼鏡を拾った。
面白半分に掛けてみると、一瞬にして世界が変わった。
なんでも透けて見える!
思春期だった俺は、次々に透かして見て行った。
女教師の服の中なんて、めちゃくちゃ興味があったからな。
ショックだったのは同級生の女子。
なんだよ、イチゴ模様のパンツってよー!
ま、中学生じゃそんなもんだろう。
こうして俺は日々を楽しく過ごし、社会人となった。
結婚もし子供もでき、今更女の服を透かしてみようとも思わない。
それよりもっと楽しいことがたくさんあるという事に気が付いたわけだ。
それがハイキング!
自然の空気を吸い、森林の中を歩き、地を踏みしめる。
その日も俺は、土を踏みしめる音を聞きながら歩いていた。
気分は最高。
すがすがしい空気。
視線が森の中へと吸い込まれる。
だが、そこで俺は足を止めた。
なぜなら、地の中で苦しみもがく男の顔が見えたからだ。
ため息をついた俺は、見なかったことにし、眼鏡を外し通り過ぎた。
(419文字)
🌸作者コメント🌸
本作品は【毎週ショートショートnote】お題『半透明ハイキング』を元に書かせていただきました。
なんで透かして見えるという題材にしたのか?
これが、ふっと浮かんできちゃったんですよねw
なんでも透けてみえたらどうだろうかって。
女の人だったら、男性の全てが見えたら眉をしかめるけど、男の人だったらウハウハだろうなってw
でも、見たいものだけが見えたんじゃつまらない。
という事で、地中で苦しみもがき、眠る死体まで見えたらって。
そう考えたときに、この作品ができました。
という事で、お目汚しに読んでいただけたらと思います。
※かめママブログ書庫入り口👇
※小説の入り口