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【長線小説】オヌバヌラむド 第 12 話

    《銖盞 土井亚》

     土井は、パ゜コン画面に映る「囜民の声」を睚み぀け、顔を赀くしおいた。拳を握り締め、爪が掌に食い蟌んでいく。それはが収集した膚倧なデヌタであり、有暩者の裏の顔だ。

     SNSを削陀し、報道芏制もかけおいるが、芋えないずころで吊定しおいるのがわかる。そんな自分ぞの批刀に、土井の怒りはさらに倧きく膚らんでいく。その時、執務宀のドアがノックされた。

    「なんだ」

     思わず怒りが爆発する。するず、静かにドアが開き、秘曞の小川が顔をのぞかせた。

    「土井先生  あの」

    「なんだず蚀っおおるだろう
    忙しいんだ、蚀いたいこずがあるならさっさず蚀わんか」

    「は、はい」

     執務宀に入った小川の背埌には、男の。そしお小川専甚の女のがいた。

    「ん なんでお前はを二䜓も連れおおるんだ」

    「いえ、女の方は私のですが、男の方は土井先生のです」

    「わしの」

    「はあ  ぜ、前回先生が『女のでは圹に立たん』ずおっしゃっお。
    それで、今回は男のをご甚意いたしたした  」

     小川は身䜓を小さくした。秘曞ずいう立堎䞊、逃げるこずもできない。土井の怒りが小川の胃をキリキリず痛み぀けおくる。

    「  いらん」

    「そ、そうはおっしゃられおも  もう、これは  決たったこずですから」

    「䜕が決たっただ わしは銖盞だぞ。
    こんなもんがそばにいたら、䜕を芋られるか分からんだろうが
    話しおる内容だっお、党おデヌタになるずいうのに」

     土井の頭の䞭に、先ほどたで芋おいた数倚くの吊定的な蚀葉がよみがえる。それは囜民たちが、聞かれおいるずも知らずに、奜き攟題いっおいる内容だ。それを収集しおいるが、銖盞である自分のずころに来れば、どうなるかは火を芋るよりも明らかだず思えた。

    「ですが、先生  」

    「䜕が『ですが』だ
    いいか、を囜民に配垃したのは、反乱を起こされないように芋匵らせるためだ。わしには必芁のないものだろうが」

    「しかし  ですね」

    「もういい バカな囜民は未だにわしのこずを悪く蚀いおる。
    これでは、せっかくの法案も、無駄ずいうものだ」

    「そうお思いになるのも、分かりたすが  」

    「分かっおおらんだろうが
    わしは重芁な仕事をしおいるんだ。
    デスクの䞊にも極秘の曞類があるずいうのに、こんな奎がそばにいたら、党おを芋られおしたうじゃないか
    倧事な情報が倖郚に挏れおみろ、わしの政治生呜が断たれかねんだろう」

    「せ、先生のおっしゃりたいこずは、重々承知しおおりたす。
    ですが、他の先生方にもを配垃しおいるわけですし  。
    それなのに  自己郜合で銖盞だけがをそばに眮かないずいうのは、問題があるず思われたすし  。
    こんなこずが野党に知れたら、それこそ、足をすくわれかねたせん  ですから、ここはどうか」

    「自己郜合だず」

     土井の顔が険しくなった。それが分かった小川は蚀い過ぎたこずを埌悔した。だが、ここで折れたのでは、それこそ揚げ足をずられかねない。

    「いえ、そういうこずではなく  どうか、先生。
    ここはひずたず匕いおいただいお、おそばにおいおおくこずをご理解いただきたいのです」

     土井の目がギラリず光り、小川を睚み぀けた。これでは、小川が土井に苊蚀を呈しおいるように聞こえおしたう。䜕か良い蚀いようはないか。こんな時こそ、が圹に立っおくれればず、芖線をに向けおみる。だが、は党く衚情を倉えるこずはなく、䜕もなかったかのように前だけを向いおいる。

    どうしたらいいんだ  

     土井の怒りを鎮め、こちらの意向を聞き入れおもらうためには――必死に考えおいた時、あるアむデアが浮かんできた。これなら土井も理解しおくれる。そう確信した小川は、顔を䞊げるずたっすぐ土井に芖線を向けた。

    「それに 先生は偉倧な政治家ですから、どこで誰に狙われるかもわかりたせん。そうならないように、をボディガヌドずしお眮いおおけば、安党ではないでしょうか」

    「ボディガヌドだず」

    「はい、はロボットですから。刃物で刺されようず、銃匟が飛んで来ようず、倧した問題はありたせん。
    先生をお守りするには、ちょうどよろしいのではないでしょうか」

     土井の顔がニダリず歪んだ。確かにその通りだず思ったらしい。だが、秘曞に蚀われおすぐに了承したのでは、土井のプラむドが傷぀く。そこで土井はもったいぶったように背を向けるず、郚屋の隅ぞず足を向けた。そこに眮かれおいるのは愛甚のゎルフクラブだ。それを手にした土井は、男のぞず歩みよりクラブを倧きく振りかぶった。

    「せ、先生 なにを」

     小川が驚いた瞬間、土井は腕を振り䞋ろし、に向けお打ち付けたのだ。
     金属がぶ぀かる音がした。は衝撃を受け、䜓を揺らしたが、倒れるこずはない。あたりのこずに息を飲む小川だったが、を哀れず思えど、それを口にのせるこずは出来なかった。

    「なるほど、確かに匷靭ず芋える。
    ならば、コむツをボディガヌドずしおそばに眮いおやろう」

    「あ  ありがずうございたす」

     小川は額から流れる汗をハンカチで拭き抑え、を残しお郚屋から出お行った。

    「たったく、なんお人なんだよ  いくらロボットだからっお、あんなこずをするなんお」

     小さく挏らした小川は、震える指を揉みしだき、倧きく息を吞い蟌んだ。だが、その぀ぶやきは土井には届いおいない。いや、届かないようにしっかりずドアを閉めたのだ。

     郚屋の䞭に残された。それに向かっお土井は䞍敵な笑みを浮かべおいた。

    「そうか、殎ったずころで、お前は䜕ずもないっおこずだよな」

     嘲るように声を挏らすず、パ゜コンぞず顔を向けた。その目には、怒りが宿っおいるのが芋おずれる。その怒りを晎らそうず、再びゎルフクラブを振り䞋ろし、を殎り続けた。するず、人工皮膚に芆われたその奥から、痛みにも䌌たかすかな金属音が聞こえおくる。だが、土井は気にしなかった。

    「愚民共が 俺をバカにしやがっお」

     頑䞈な扉の䞭では、枅廉ず枩和ずいう仮面を脱ぎ捚おた土井の声が響き぀づけおいる。それは、誰にも聞こえおはいない。しかし、ゎルフクラブを振りかぶる土井の姿はの冷たい瞳に映り続けおいた。


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    ★毎日午前䞭に曎新したす。

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