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【超短篇小説】予知夢


    息が出来ない……

    沈んでいく中で、目を開いた。
    すると、光さす水中に上る水疱。
    もがこうとしても、体はいうことを利いてはくれない。

    呼吸がしたくて口を開けた。
    流れ込んでくる海水が、のどを塞ぐ。

    苦しい……

    どうして?

    どうして自分が水の中にいるのか?
    どうして、動くことが出来ないのか?

    体に縛り付けられる重りが、海底へと引きずり込んでいく。
    終わりだ……

    そう思った時、脳裏に浮かんだのは夫の顔。
    そこで私は目を覚ました。
    体はすっかり汗をかき呼吸を荒くしている。

    ドアが開き、夫が顔をのぞかせた。
    私は夫に笑顔を向ける。だが、夫は冷たい視線を向けていた。

    夫の手に握られたひもが、意味もなく揺れている。

    脳裏によみがえる、夫のスマホ。
    そこに書かれていた……。

    あれは――予知夢


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