メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【短篇小説】殺心さ぀じん

    倫は優しい人。
    倫は優しい人。
    倫はや  。

    「なにをのろのろしおるんだ お前は䜕をやらせおもぐずだな
    このバカ女が」

    いいえ、倫は優しい人。

    「ごめんなさいね、党郚ひずりでやらないずいけないから  」

    「圓り前だろうが お前は䞻婊なんだ。文句を蚀うな」

    口から出る謝眪の蚀葉。
    倫の口からいたわりの蚀葉なんお聞いたこずがない。
    でも、倫は優しい人の、はず。

    倖に向ける倫の顔は、誰にでも笑顔だ。
    優しい声で盞手を気遣う。倫を嫌う人なんおいないだろう。

    私に向けられる倫の声は、い぀でも居䞈高。
    結婚前は優しかった。
    いいえ、きっず今だっお、本圓は私を愛しおいるし、優しいし  。
    ただ、愛情衚珟が䞋手なだけ。
    だから、買いものだっお䞀緒に来おくれる。

    「おい ゞュヌスは箱で買うだろうが」

    倫の奜きなゞュヌス。倫しか飲たないゞュヌス。
    どんなに重くおも、私に持たせお歩かせる。
    私の欲しい物は  買ったら怒鳎られる。

    「そんなものは必芁ない」

    「でも、私も飲みたいから  」

    「お前は誰に逊っおもらっおるず思っおるんだ」

    そうだ、私は専業䞻婊。倫のように働いおはいない。
    だっお、倫が働くなずいうから。働けない。

    「お前は、俺が買っおやったものだけでいいんだ」

    結局、小さなゞュヌスが1本。それが私の手に乗る。
    このゞュヌスは奜きじゃないのに。
    呚りの人がこっちを芋る。その顔には驚きが浮かび、倫を芋おいる。

    いいえ、違うんです。倫は、本圓は優しい人なの。
    そう、倫は優しい人なの  。
    だっお、病院代は出しおくれる。
    鬱病になっおしたった私に、圹に立たないずいい、
    生きおる䟡倀がないず蚀い、結婚したのは倱敗だったずいうけど。

    病院代は出しおくれるから、倫が優しくないはずがない。

    「い぀になったら、鬱病は治るんだ もう治ったんじゃないのか」

    クスリを飲む私に、バカにしたような笑いを向ける倫。
    これは、心配の裏返しなんだ、きっずそう。

    それでも、心はどんどん閉ざされ、気が付いたら手のひらにクスリが山のように盛られおいた。なんおこずをしおいるのだろう。これじゃ、死んでしたう。

    壊れた心が悲鳎を䞊げ、死のうずした自分を叱咀する。
    私はすりこ朚を手にするず、すり鉢の䞭にクスリをざらざらず入れた。
    粉砕され、粉になっおいく薬は、たるで私の心だ。心が粉のようになっお、溶けお消えおいく。

    ゎリゎリ  ゎリゎリ  

    倫の倧奜きなカレヌ。肉は党お倫にあげよう。
    だっお、倫は優しい人だから。
    圹立たずの私が食べたら怒られる。

    ゎリゎリ  ゎリゎリ  

    「ご飯。できたした」

    く぀ろいでいる倫の元ぞず行き、声を掛ける。
    倫は返事をしない。匕き぀った笑顔を䜜り、倫が立぀たで埅機だ。
    やっず立ち䞊がった倫に、九十床の瀌をする私。
    私は劻ではないず思う。いや、私は劻だ。そう、劻だ  。

    脳内に響く音。

    ゎリゎリ  ゎリゎリ  

    心が粉になる音。

    ゎリゎリ  ゎリゎリ  

    倫は矎味しそうにカレヌを頬匵り、文句だけは忘れない。
    たずいず蚀いながら、皿に盛られたカレヌを完食。

    あず、どのくらいで圌は苊しみだすだろうか。

    私の顔に、笑みが浮かぶ――。


    ※かめママブログ曞庫入り口👇

    ※小説入り口👇




    あなたぞのおすすめ