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偶像の果て 2012 -連作小説-

    仕事が終わって同僚と飲んだ帰りに
    電車に乗ろうとしたら
    全く知らない男に
    すれ違いざまに胸を揉まれた
    がっちり鷲掴みにされた
    今思い出しても気持ち悪くて
    吐き気がする

    逃げようとするクソ性犯罪者の足を
    引っかけて転ばせて
    同僚と周りの人と抑え込んだ
    痴漢野郎は青くなって
    違う何もやってない僕じゃないってもがいて
    あほかしっかり見とるんじゃボケって怒鳴ったら
    泣き出して
    被害者みたいにぶるぶる震えて
    勘弁してくださいって土下座しだして
    こんな事バレたら終わりなんです許してくださいって

    許してって何だよ
    勝手に被害者になるなクズが
    痴漢してる時点でお前は終わってんだよもやし野郎が
    泣いてもわめいてもお前は性犯罪者のゴミ野郎なんだよ
    痴漢したのも自分の欲で
    謝るのも自分の為で
    マジで腐ってんな

    先輩が産休の分の仕事もやってきて
    後輩がメンタル病んだからその分の仕事もやって
    ものすごく頑張って毎日疲れ切ってて
    せめて同僚と労い合おうって飲みに行ったら
    これだよ

    本当に害でしかないと思った
    存在の意味も生まれてきた意味もないと思った
    性犯罪者なんか全員この世から消えて良い
    全員〇ねばいいって思ってたんだけど
    そいつほんとに◯んじゃった
    自宅のマンションから飛び降りたらしい

    後味が悪いったらない
     
    もっと最悪なのが
    その痴漢男の母親が
    息子は痴漢冤罪で精神的に追い詰められて
    自◯に追い込まれたと思ってるらしくて
    駅でビラ配って目撃者探してる
    土下座を強要されて罵倒されたって
    涙ながらに訴えてる

    もうね
    何と言ったらいいのか

    母親にとってみたら
    赤ちゃんの頃から大事に育ててきた息子で
    かわいい息子で
    性犯罪なんか絶対しない息子で
    だから痴漢は冤罪に間違いなくて
    私は痴漢冤罪の加害者なんだろうね
     
    それが母親にとっての真実で
    それ以外は受け入れられないんだろうね
    母親の欲しい真実が見つかるまで
    ずっと探すんだろうね
    その間は息子の潔白を信じる
    美しく正しい母親でいられるし
    性犯罪者の母親にならずに済むし

    息子を自〇で失って
    本当に悲しいし辛いだろうけど
    そうやって自分が見たいものだけを見て
    信じたいものだけを信じて
    そういうところじゃないの?って思ってしまう
    あなたがそんなだから
    息子は〇を選んだんじゃないの?

    母親の世界に
    性犯罪者の息子は存在しない
    絶対に存在しない
    そしたら息子はもう消えるしかないよね

    性欲を満たす為の道具に
    勝手にされてしまう
    簡単に尊厳を踏みつけられてしまう
    その屈辱感と嫌悪感
    恐怖感と無力感
    絶望感
    そういうことを想像することもなく
    自分を顧みることも見つめることもなく
    心を痛めることも自分を恥じることもないまま
    全く無関係の私を不当に貶めたまま
    人生を終わらせたな
    無意味で哀れな人生だな
    せっかく生まれてきたのに
     
    馬鹿野郎が
    〇んで無かったことになると思うな
    被害者になれると思うな
    お前が私にしたことは
    〇んだくらいで無くならない
    〇ぬくらいなら
    最初から痴漢なんかするなクソ野郎が
     
    痴漢せずにいられないなら
    女がいない山奥で
    イノシシでも追いかけていれば良かっただろうが
    滝にでも打たれていたら良かっただろうが
    山菜でも取って食っとけば良かっただろうが
    ただ1人で生きればよかっただろうがこのクソくずもやし野郎が

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