メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bykagetora1130

「キリスト教徒」と「新聞読者」の減り方は似ている 昭和を引きずる「業界」の絶望


    キリスト教団は2050年に消滅する?


    私は、キリスト教徒でもないのに、日本のキリスト教徒の急激な減少に心を痛めています。

    甲府教会の斎藤真行牧師によれば、キリスト教会は2030年前後に信者の壊滅的減少に見舞われ、早ければ2050年に日本基督教団は消滅しかねないといいます。

    【衝撃】2050年 日本基督教団・・・消滅!?(YouTube 斎藤真行牧師の説教・牧会チャンネル)


    キリスト教の入信者は加速度的に減っており、コロナはそれに拍車をかけたそうです。

    なぜ「2030年危機」かというと、キリスト教団では、そのころ3分の2の信者の年齢が平均寿命を超えるからです。

    斎藤牧師は、以前から同様の警鐘を鳴らしていますが、キリスト教会内に反響が乏しいことを嘆いています。

    斎藤牧師は、プロテスタント系の日本基督教団の数字を主に論じていますが、カトリック系も同じだし、広く世界の宗教に共通の現象だろうと言っています。


    宗教衰退の問題


    宗教の衰退は、それ自体大きな問題です。

    私は無宗教のリベラルですが、宗教がなくなっていいとは思いません。人間には、宗教だけが対応できる心の問題があるからです。

    しかし、さまざまな調査が、世界中で宗教が退潮していることを示しており、とくに日本は無宗教者が多いです。

    米ギャロップ社の昨年の調査では、「自分は宗教的な人なのか」という質問に「そうだ」と答えた日本人は15%で、61カ国中最下位でした。


    一方、ナイジェリア、パキスタン、イラクなどのイスラム圏は、100%の人が「神はいる」と信じています。

    このように、日本のような自由主義の世俗国家と、人口が多いイスラム圏とのあいだで、宗教のギャップが広がっているのも問題です。それは今後、国際的軋轢のもとになりうるでしょう。

    そして、日本の極端な世俗主義は、経済破綻などを機に、自殺者の増加や、倫理的相対主義の蔓延や、「カルト」への傾斜を起こしかねないと指摘できるでしょう。


    「昭和な団体」の共通性


    しかし、私がキリスト教徒の減少から連想したのは、私がかつていた新聞業界の衰退です。

    全体に高齢化した集団に支えられ、新規参入者が少ない。それは、新聞読者も同じです。

    キリスト教会では、信者だけでなく、牧師になる人が減っている。新聞も、読者だけでなく、優秀な記者が減っている。そこに老人の価値観しかなければ、若い人には魅力に乏しい。

    斎藤牧師がいう日本キリスト教団と同じく、新聞も、2030年ごろから急坂を転げ落ち、その2~30年後に実際に消滅しかねない。

    そして、それはキリスト教団や新聞社だけでもない。同じような運命をかかえているのではないか、と私が勝手に思っているのは、

    ・日本共産党
    ・創価学会
    ・旧社会党系政党(立憲民主党、社民党・・)
    ・新左翼セクト
    ・活字(つまり漫画以外)雑誌社

    などです。

    これらの団体・組織は、日本近代の中で同じような伸び方をして、いま同じように衰退を始めたように思います。

    危機感が共有されない、という斎藤牧師の嘆きがわかるのは、私も新聞社にいたころ、経営幹部に危機感がないのにあきれていたからです。

    一つには、彼らはずっと「減り続ける数字」を見ているので、それに慣れてしまっている。

    今さら自分たちの責任とは思わないし、自分たちの任期のあいだ組織が持てばいいと思っている。

    彼らは、末端の社員をリストラして帳尻を合わせ、自分たちは高額の役員報酬と退職金を手に業界団体に天下ることがまだできている。

    しかし、それができるのも、いまのうちだと思うんですね。


    変化の自覚


    斎藤牧師は、別の番組で、具体的に「どうすべきか」も論じています。

    牧師も信徒も自覚しないとつぶれてしまう! 既に起きている意識と時代の【大変化】


    まず、何がいけないかというと、組織が「昭和の成功体験」にとらわれているのがいけない。

    キリスト教で言えば、戦後のキリスト教ブームや、昭和に流行った本や、昭和のキリスト教のいいイメージなどにとらわれている。

    新聞記者も、昭和の成功体験にとらわれている、というツイートをきのう見かけました。

    2016年、AP通信の影山優理が「私たち記者は正義。がんばる」と発言したのがあったけど、あれが記者の標準的な価値観。 昭和の金権政治や企業汚職を糾弾して賞賛された成功体験から記者という属性自体が正義のヒーローの象徴だと勘違いしている。

    2016年、AP通信の影山優理が「私たち記者は正義。がんばる」と発言したのがあったけど、あれが記者の標準的な価値観。
    昭和の金権政治や企業汚職を糾弾して賞賛された成功体験から記者という属性自体が正義のヒーローの象徴だと勘違いしている。コミュニティノートはショッカーの陰謀だと思ってる。 https://t.co/gll3zI4kMX

    — しわすみ (@s_w_s_m) July 21, 2023


    たとえば、昭和は「努力」や「成長」が当たり前の時代だった。キリスト教も努力すれば信者を増やせたり、新聞も部数をふやせたりした。

    今はそういう時代ではない。価値観の大変化を自覚して態度を変えるべきだ、というのが斎藤牧師の提案です。


    画像
    画像


    興味あれば斎藤牧師の動画を見てほしいですが、こういう真面目な中堅メンバーがいる限り、キリスト教会にもまだ希望があると私は思いました。

    斎藤牧師は1979年生まれというからアラフォーですね。このくらいの世代が中心になって組織を変えていけば、「2050年消滅」は防げるかもしれません。

     
     
     
    会社を定年退職し、神奈川県は柿生の里に隠棲する。新聞社、出版社に勤め、記者や編集者をやっていた。独身、孤独を愛する。老人であることを自覚し、記憶力もあやしくなりつつあるので、ここに書き残したいことを書き残しておく。世間から引退したので、社交は望みません。

    あなたへのおすすめ