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Photo byaceitunas

今年(2022)は映画「ソイレント・グリーン」の年だった

    たまたま気づいた。

    1973年の映画「ソイレント・グリーン」が描いた未来は、2022年だった、ということに。


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    ソイレント・グリーン(1973)


    私はこの映画を、リアルタイムで中学生の時に見た。

    「猿の惑星」のチャールトン・ヘストンが出る映画で、「猿の惑星」と同じく、最後にびっくりの仕掛けがある、という触れ込みだったと思う。

    映画館で見て、深く印象に残った映画の1つだ。食糧危機と格差拡大で荒れ果てた未来ーーそれが2022年という設定だったのだ。

    食糧不足の解決策として、ソイレント社はプランクトンから合成食品を作る。その合成食品をめぐる疑惑が話の中心になる。

    最後の「びっくり」とともに、ベートーヴェンの田園を聞きながら老人が安楽死するシーンが忘れられなかった。(いま自分が老人になってみると、中学生で見た時より切実だ)

    原作はハリイ・ハリスンのSF小説。「猿の惑星」ほど有名ではないが、ストーリーと「オチ」を知っている人は多いのではないか。

    *

    映画の冒頭で、マスクをした人たちの映像が流れる。

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    ソイレント・グリーン


    まさか、コロナウイルスの流行を、50年前に予言したのか?

    そうではなく、これは公害(大気汚染)のひどさを表している。

    1960年代後半から1970年代初めは、公害が最大の問題だった。

    私の住んでいた地域も工場群が近かったので、小学校の教室には空気清浄機が置いてあった。

    「スモッグ警報」というのが時々発令されて、その時は子供たちは運動場に出ることが許されず、空気清浄機が作動する教室の中に退避する。

    空気清浄機のスイッチを押す係を子供が交代で務めた。その当番になった時はなんとなく誇らしかったのを覚えている。

    いま書いていても、こんなことが本当に起こっていたと自分で信じられないほどだから、今の若い人たちは想像できないだろう。(でも、子供がマスクを付けさせられた記憶はない。付けてたかなあ?)

    *

    当時の感覚では、公害によって自然が破壊され、食糧難と人口増で文明が崩壊する、というのはリアリティがあった。

    あの頃、人口が減って少子化に悩むなんて、誰も考えもしなかった。識者も国連も、とにかく人口を減らせと叫んでいたのだ。(ソイレント・グリーンの原作タイトルは「人間がいっぱい Make Room! Make Room!」だ)

    *

    いま、現実の2022年になって、ソイレント・グリーンが描いた未来ほどは悪くないことを喜びたい。

    それにしても、あれから50年、あっという間だったな。(このタイムワープ感のほうがSFだ)

     
     
     
    会社を定年退職し、神奈川県は柿生の里に隠棲する。新聞社、出版社に勤め、記者や編集者をやっていた。独身、孤独を愛する。老人であることを自覚し、記憶力もあやしくなりつつあるので、ここに書き残したいことを書き残しておく。世間から引退したので、社交は望みません。

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