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Photo bynoriyukikawanaka

2022年、最も演奏された現代作曲家の半分は女性 【クラシックの新傾向】

    コンサート情報サイト「バックトラック Bachtrack」が、2022年欧米で開かれた約27000回のコンサートやオペラを集計し(日本はコンサート数が少なかったので省かれた)、「最も演奏された作曲家」「最も演奏された曲」などを発表していました。


    その中で注目されるのが「最も演奏された存命作曲家」のリストです。

    上位は男性作曲家が多いとはいえ、女性作曲家がトップ20に9人入っている。約半数が女性。これはちょっと驚きました。

    「Classic FM」も、これをニュースとして配信していました。

    世界で最も演奏された存命作曲家トップ20のうち9人は女性であるのが判明(Classic FM  2023 1/6)


    2022年、最も演奏された存命作曲家

    Top 20 contemporary (living) composers  (☆印が女性 11位以下は女性のみピックアップ)

    1. Arvo Pärt
    2. John Williams
    3. John Adams
    4. Thomas Adès
    5. Philip Glass
    6. Jörg Widmann
    7. Sofia Gubaidulina  ☆
    8. Anna Clyne  ☆
    9. Wolfgang Rihm
    10. Sir James MacMillan 
    11. Kaija Saariaho  ☆
    12. Olga Neuwirth  ☆
    14. Unsuk Chin  ☆
    15. Cecilia McDowall  ☆
    16. Anna Thorvaldsdottir  ☆
    19. Missy Mazzoli  ☆
    20. Errollyn Wallen  ☆

    2019年には、トップ20に女性は1人だけだった。2013年には、トップ200の中にさえ女性は1人もいなかったという。ここ数年で急激に女性作曲家作品の演奏がふえたのがわかります。


    トップ20に入った女性作曲家の(簡単な)プロフィール


    ソフィア・グバイドューリナ(Sofia Gubaidulina) 1931年、ソ連(現・ロシア連邦タタールスタイン共和国)生まれ、ドイツ在住。91歳

    アンナ・クライン(Anna Clyne) 1980年、イギリス生まれ、ニューヨーク在住 42歳

    カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho) 1952年、フィンランド生まれ 70歳

    オルガ・ノルヴィルト(Olga Neuwirth) 1968年、オーストリア生まれ 54歳

    陳銀淑(チン・ウンスク Unsuk Chin) 1961年、韓国生まれ、ドイツ在住 61歳

    セシリア・マクドウォール(Cecilia McDowall) 1951年、イギリス生まれ、72歳

    アンナ・シグルール・ソルバルズドティル(Anna Sigríður Þorvaldsdóttir ) 1977年、アイスランド生まれ 45歳

    ミッシー・マッツォーリ(Missy Mazzoli) 1980年、アメリカ生まれ 42歳

    エロリン・ウォレン(Errollyn Wallen) 1958年、ベリーズ生まれ、イギリス在住 64歳

     

    YouTubeで聴く現代女性作曲家


    グバイドューリナと陳銀淑は知っていましたが、それ以外は知りませんでした。昨日は、これら知らない女性現代作曲家の曲を、YouTubeで探して聴いていました。

    今の「現代音楽」は、昔のと違う。前衛色が少なくなって、聴きやすい。一時はどうなるかと思ったが、本当によかったねえ。

    やっぱり注目はアンナ・クラインでしょうか。旋律的な調性音楽の部分と、予定調和を断ち切る前衛の部分がわかりやすく共存し、ポップでもある。フィリップ・グラスやジョン・アダムズのように聴かれるようになるかも。

    もちろんこれらの音楽に「女らしさ」なんて微塵もない。みんな楽器の機能を(ときには楽器以外も)目一杯使い、音響的な面白さと豊かさを追求している。力感と色彩感、官能と陶酔、ウィットとドライブ感など、現代の感性に満ちた音楽を楽しめます。
     


    グバイドューリナ「ヴァイオリン協奏曲第3番 対話:私とあなた」(2018)


    クライン「ジス・ミッドナイト・アワー」(2015)


    サーリアホ「ラテルナ・マジカ(マジック・ランタン)」(2008)


    ソルバルズドティル「メタコスモス」(2017)


    ウォレン「コンチェルト・グロッソ」(2008)


    その他の新しい傾向


    この「バックトラック」調査による、その他の新しい傾向として、

    ・指揮者の平均年齢が劇的に下がったこと(2010年61歳 → 2018年52歳 →2022年46歳)

    ・20世紀作曲家(ラヴェル、リヒャルト・シュトラウス、ショスタコーヴィチなど)の曲や、現代音楽の演奏比率が、独墺系の保守的な国でも上がっていること(その代わり、ハイドン、メンデルスゾーンなどが減っている)

    ・女性の指揮者がふえたこと(最も忙しい指揮者トップ100に、2013年は女性は1人しか入ってなかったが、2022年は12人入っている。最も振る回数が多かった女性指揮者は香港出身、36歳のエリム・チャン)

    ーーなどが挙げられていた。

    あと、最も忙しかったヴァイオリニストは46歳のパトリシア・コパチンスカヤ、最も忙しかったピアニストは35歳のユジャ・ワンと、ここでも若手の女性が大活躍。

    もしかして、これらは、コロナで高齢者が会場から減った影響?

    若返り、女が増え、レパートリーが新しくなった。コロナは、いいこともしているようです。



     
     
     
    会社を定年退職し、神奈川県は柿生の里に隠棲する。新聞社、出版社に勤め、記者や編集者をやっていた。独身、孤独を愛する。老人であることを自覚し、記憶力もあやしくなりつつあるので、ここに書き残したいことを書き残しておく。世間から引退したので、社交は望みません。

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