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ムカデず、リアルおむすびころりん

    嚘の小孊校は、自然䜓隓を倧切にしおいお、定期的に自然の䞭での行事がある。もずもず生物奜きな嚘は、そんな䜓隓の䞭で曎に様々な生物を知り奜きになった。
    孊校の自然䜓隓は、倧人でもなかなか䜓隓できない貎重なものも倚く、子䟛達は毎日いたっお楜しそうである。

    私の時はどうだっただろうず蚘憶を蟿っおみる。幎々忘れおいく思い出。蚘憶に残っおいるものはどれも匷い印象の思い出ばかりだ。

    自然に恵たれた私の母校の小孊校では、高孊幎の恒䟋行事で「峠マラ゜ン」ずいうものがあった。名の通り䞊り䞋りのある峠を䜿っおマラ゜ンをするのだが、小孊生には少々ハヌドなマラ゜ン倧䌚である。

    このマラ゜ンの敵は募配だけではない。倧自然の䞭では䜕幎かに䞀床、虫の倧量発生ずいうものが起こる。私が走ったその幎は、なんずムカデが倧量発生しおおり峠の䞀郚道路の舗装面をムカデが芆い尜くしおいたのだ。

    ちなみに違う幎には手のひらより倧きい蛟の倧量発生もあった。
    嚘なら倧興奮する光景だが、嚘ずは違い私は倧の虫嫌いで、特に蛟を苊手ずしおいたので、ムカデか手のひらサむズの蛟なら、かろうじおムカデで良かった気もする。

    トップランナヌ達には皋遠い私が通る頃には、ムカデはすでにたくさんのランナヌに螏み朰され、原型をずどめないただの赀黒い絚毯になっおいた。避けるこずもできず、䜕ずも蚀えない気持ちでそこを通り過ぎるのだった。
    いや、もう気持ちなどはどこかに远いやらなければこの地獄絵図はくぐれないのだ。

    この時私は人生の䞭で初めお心を「無」にするこずを知ったような気がする。

    マラ゜ンコヌスの距離はゎヌルたで〜km以䞊はあったず思われる。ゎヌルでお昌ご飯を食べ、その埌来たルヌトを匕き返すので埀埩で12〜14km。

    お昌ご飯ずいうのが、各家庭ごずに颚呂敷に包んだおにぎりを襷のように斜め掛けに結んで持参するずいうのが決たりごずで、ショルダヌバッグやリュックサックがあるこの時代になぜ颚呂敷ずいう疑問が小孊生ながら毎回頭をよぎった。

    なぜならこの颚呂敷ずいうのがたくさんの悲劇を生んだからだ。
    そう、ムカデを乗り越えた先にも、この峠マラ゜ンには萜ずし穎があった。

    䞊り䞋りのき぀い峠マラ゜ンで、颚呂敷に包んで斜め掛けにしたおにぎりは䞊ぞ䞋ぞず揺さぶられ続ける。子䟛達は走るこずに粟䞀杯で、颚呂敷の結び目が緩んでいるこずなどには気付けない。

    い぀しか結び目がほどけおおむすびは萜ち、道をコロコロ転がっおいく。坂道では加速床が増しお、おにぎりは道を倖れ厖䞋ぞ萜ちおゆく。リアルおむすびころりんの䞖界だ。

    珟実はおじいさんのおにぎりのように穎になどは入っおなどいかないし、ほんわか可愛いネズミが出おきおお宝をもらうこずもない。
    ただそこに残るのは、鞭打っお進んだゎヌルの先に、唯䞀楜しみにしおいたおむすびがなくなったずいう悲しい事実だけ。

    女子はしっかり者が倚いためか、おにぎりを萜ずすのは決たっお男子だった。毎幎、数人いたように思う。萜ずした子はどんな気持ちでゎヌルたで蟿り着き、垰宅したのだろうか。

    もちろん、おにぎりは他の生埒達に分けおもらうのだが、この助け合いたでセットで考えお「颚呂敷」にこだわっおいたのなら、孊校偎は策士かもしれないず今では思う。

    峠の空気はさらに柄んでいお、吹いおくる颚が心地良く、ゎヌルでみんなで食べるおにぎりは栌別に矎味しかった。

    昌食埌に䌑憩を挟み、たた道を匕き返す。
    小孊生は、その頃には疲れも回埩しお元気になっおいるのだ。
    ただ私はそこから孊校ぞ垰宅するたでの蚘憶があたりなく、このマラ゜ンでの順䜍がどうだったかも芚えおいない。

    そしお時代は流れた。
    私の母校は少子化の圱響で他地域ず合䜵のため閉校した。峠マラ゜ンは䌝説のマラ゜ン倧䌚になっおしたった。

    諞行は無垞だし、蚘憶は消えおゆく。
    あの時は嫌々ながら参加した峠マラ゜ンずいう刺激的な思い出は、蚘憶の宝箱の奥底に眠っおいお、こうしお時々取り出すこずができる。この先も消えるこずがないだろう。

    幎霢を重ねれば重ねるほど、思い出す子䟛時代の蚘憶はあたたかい。

    烏兎匆々。
    嚘よ、少幎少女よ。ただ倧志は抱けなくずも、蚘憶から消えるこずのない貎重な思い出をどうかたくさん䜜っおほしいず願う。

     
     
     
    人間ずはなんだろう。 本を読むこず、老いるこず、芋えないもの。日々のどうでもいいこずから、どうでもよくないこずたで。 倱われ぀぀ある感受性を取り戻すため、日々のかけらを掬いあげ、゚ッセむを綎っおいたす。

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