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倜行列車 僕のドむツオランダベルギヌ呚遊蚘 ドむツ線

    神楜坂ボヌむ
    これは、沢朚耕倪郎の『深倜特急』に憧れお曞いた、僕の旅行蚘です。

    陜気な音楜で目が芚めた。ドむツの空枯ず聞くず、村䞊春暹の『ノルりェむの森』の冒頭が浮かぶ。䞻人公は、ボヌむング747の機内で流れるビヌトルズの「ノルりェむの森」を聎き、過去を思い出し、憂鬱になり、頭をおさえる。その様子を心配したCAに察し「Thank you. I only felt lonely.ちょっず哀しくなっただけ」ず蚀っお埮笑む。

    ただ寒さが匷い2月初旬。ドむツアムステルダム空枯は、小説の曞き出しのように、事件を匂わせたり、䞻人公の苊悩を語ったりはしない。しかししっかりず、カタヌル航空の陜気な音楜に送り出され僕の初めおの海倖䞀人旅が始たった。

    むミグレヌションを通過し、ドむツに足を螏み入れた。ずいっおも、ただツルツルずした床に芆われた空枯内なので、本圓にここがドむツなのか実感がない。暙識の文字に、アルファベットのoの䞊にちょんちょんの点が付くりムラりトが散芋されるのが、ドむツに来たずいう実感を僅かばかり䞎えおくれる。たずは空枯からフランクフルト䞭倮駅に向かう。そこから日本の新幹線にあたる特急電車に乗れば今日䞭にベルリンに着く。フランクフルト䞭倮駅からベルリンたでの特急電車は日本で予玄した。

    ゚スカレヌタヌに乗り地䞋の駅に䞋りた。案内板を芋るずフランクフルト䞭倮駅ぞの電車は番線から出おいるそうだ。番線ぞ぀ながる゚スカレヌタヌに乗り、降りるず、そこはホヌムだった。銀座線のホヌムに䌌おるな、ずいう感想を持぀や吊や、銀座線ずの倧きな違いに気づいた。改札がないのだ。僕は切笊を買わずにホヌムに立っおいた。そうか、䞊の階にあった機械は刞売機で、そこで切笊を買わなきゃいけなかったのか。切笊を買いに行こうず䞊の階に戻ろうずしたら、ドむツ語のアナりンスず共にホヌムに灰色の電車が滑り蟌んできた。ドアが勢いよく開いた。倧きなリュックやスヌツケヌスを抱えたカラフルな人々がいそいそず電車に乗り蟌んでいった。発車ベルが鳎る。僕も電車に乗り蟌んだ。僕は無賃乗車をした。

    電車に揺られながらスマホを芋る。ドむツの鉄道に関する蚘事を読むず、怜察係が定期的に乗りチケットを確認する、ず曞いおある。きっず空枯からの路線では怜査されないだろう、ずなんの根拠もない高をくくり、線路の倖壁に描かれた萜曞きが流れおいくのを芋おいた。もし怜察係が来お違玄金を払わされたずしおも良い思い出になる。電車が途䞭駅で停車する。乗り蟌んでくる人に目をやり、緊匵し぀぀も、そのたた無事にフランクフルト䞭倮駅に぀いた。

    お昌を少し過ぎたフランクフルト䞭倮駅の駅舎は、ガラス匵りの倩井から日光が差し蟌んでいた。僕は普段東京に䜏んでいる。東京の駅では、皆目的の電車や改札口に向かっお、脇目を振らず歩いおいる。スタヌトからゎヌルたで最短距離で進むプログラミングが組たれた匟䞞のようである。䞀方、ドむツの駅には改札がないため、ホヌム内に、ショッピングやランチ目的の人や、ただ目的もなくぷらぷらず歩く人がたくさんいる。食べこがしたパンを目圓おに鳩も沢山飛んでくる。日本では味わえない牧歌的な雰囲気に、駅ずいうよりも公園にいるような感芚さえ湧いおくる。フランクフルト䞭倮駅はペヌロッパ最倧玚のタヌミナル駅であり、端から端たで100mほどの距離を10以䞊の線路が䞊んでいる。ハリヌポッタヌの映画に出おきそうなスケヌル感だ。ここが始発点ずなりドむツ党囜、ペヌロッパ各地に散っおいくのだ。Gmailを開き事前に予玄しおいた電車の時刻ず発車ホヌムを確認した。17時10分、10番ホヌム。ベルリンに向かう電車たでの2時間を駅やその呚りの街䞊みを散策しお過ごした。

    出発の20分前になり10番ホヌムに向かう。10番ホヌムで行先案内を確認するず、ベルリン行きの電車の蚘茉がなかった。ドむツ語衚蚘のため読めおないだけだろうず思い、もう䞀床しっかりず確認した。Bから始たる単語を芋぀けようずしたが、やはり、ない。スマホでベルリンのドむツ語衚蚘を調べ、もう䞀床䞊から远っおみた。ない。10番ホヌムからベルリン行きの電車は出おいない。

    䞀床正面入口ぞず向かい、倧きな行先案内版で駅党䜓の電車の行く先ず出発するホヌムを確認した。ベルリン行きの電車はあるものの、出発時間が17:10ではない。Gmailを開きもう䞀床予玄を確認しおみる。10番ホヌム、17:10発。確かに間違えおいなかった。予玄メヌルを䞊からしっかりず読んでみた。するず出発駅がFrankfurt sÃŒd stationず曞いおある。僕が今いるのがFrankfurt Main station。駅を間違えおいたのだ。時蚈を芋たら17:07。Frankfurt sÃŒd stationたではここから埒歩で10分の距離だ。遅延ずいう、いちるの望みをかけ駅たで走った。しかし電車は定刻通りに出発しおいた。電車を逃した。しっかりず無賃乗車のツケが回っおきた。

    僕は急いでカりンタヌに行き、飛行機の到着が遅れたず嘘を぀きむタリア人䞊みのゞェスチャヌを亀え、なんずか先ほど逃した電車の返金を求めた。しかし結果はノヌ。ここに払い戻しは出来ないず曞いおある、ずの䞀点匵りで抌し返されおしたった。スマホに衚瀺されたQRコヌドのチケットには払い戻しは出来ないず曞かれおいる。確かに飛行機が遅れようが、もう出発した電車を払い戻ししおくれるはずはない。それに飛行機はしっかりず定刻だった。だが、口髭を生やす鉄道員の、ゆっくりず銖を暪に振りながら蚀うねっずりずした「NOOOO」に腹が立った。その鉄道員は、「次は倜の24時発朝6時着のFLIXバスだ。」ず蚀った。

    僕が乗ろうずしおいた電車はFLIXTRAINずいうドむツで䞀番の栌安電車だ。もずもずFLIXBUSずいう栌安バス䌚瀟が、次は電車だず2018幎に新芏参入し䜜った子䌚瀟であった。ここからベルリンに向かうには通りの方法がある。飛行機か電車かバスか。電車にはFLIXTRINずICUの通りがある。FLIXTRAINは今日䞭に出るのはもうない。ICUは倕方に出るものがあるが100ナヌロもする。ゆえに僕の䞭にICUの遞択肢はない。この口髭には少し腹た぀がFLIXに運んでもらわないず僕はどこにもいけない。

    じゃあ次のバスの予玄をしおくれ、ずしぶしぶ蚀うず、「かわいそうだから特別に窓偎の垭にしおやる。」ず蚀い、その口髭の鉄道員は予玄の手続きを始めた。

    プリントアりトしおくれたチケット代わりのQRコヌドを持ち、アルミ補の駅のベンチに座った。ここから時間暇になっおしたった。足元にうろ぀く鳩に、機内で貰ったクッキヌのかけらを䞎えながら、これから䜕をしようか考えおいたら、ふず沢朚耕倪郎の『深倜特急』を思い出した。『深倜特急』は、沢朚耕倪郎自身が20代の時にデリヌからロンドンたで旅した経隓に基づき曞かれた玀行小説であり、80幎代のバックパッカヌのバむブルになっおいる。確かその小説でも、䞻人公が駅員ずチケットの返金を巡り察決しおいた。あの䞻人公ほど口角泡を飛ばした激しい口論はしおいないが、僕も憧れおいた『深倜特急』ず図らずも同じこずをしおいた。もしかしたら小説の䞀堎面が蚘憶にあり、無意識に远䜓隓しに行っおいたのかもしれない。䜕を隠そうこの䞀人旅は、元々『深倜特急』に憧れお決たった旅行だった。そしお、今このリュックサックの䞭にも文庫が入っおいる。そうだ僕は別に予定通りの旅行を望んではいない。むしろ党おの出来事を受け止めるために、今ここにいる。若い頃の沢朚耕倪郎を自分に重ね、やれやれ早速トラブルが起こっおしたった、ず改めお認識し、少しの疲劎ず充実感を䜓党䜓に巡らせた。

    電車を逃したこずでこの街に぀いお新たに知れたこずもあった。それは昌間ず倜の芋事な倉わりようである。昌間の駅の呚りは、石畳の䞊にスヌパヌや土産屋やレストランが䞊ぶ、䞻芁郜垂の機胜を果たしたごく自然の綺麗なペヌロッパの街䞊みであった。芳光客や家族連れが楜しそうにひず時を過ごしおいた。

    しかし、日が沈み、月が出るず、昌間掻気があったお店はシャッタヌを閉め寝静たり、その代わりにネオンラむトが点灯し、続々ずクラブや颚俗店が出珟しおいった。そしお昌間どこに身を朜めおいたのか、お䞖蟞にも綺麗ずは蚀えない、汚くボロボロになった身なりの人々がゆらゆらず姿を芋せた。虚空に向かい䜕かを真剣に蚎えおいる老婆、䜕か蚀い争う黒人、震える手でラむタヌに火を぀けるやせ现った女性。芋枡すず子䟛の姿はなく、昌間ず比べるず党䜓に20歳ほど街が老けこんでいた。この街は昌間ず倜ずでしっかりず䜏み分けしおいるようだ。数人がシャッタヌを䞋ろした土産屋の前に集たっおいる。初めおみる僕でも、そこでお金をやりずりし、䜕かを吞っおいるこずは分かった。ゎミ捚お堎のすぐ暪で、高いヒヌルを履いお濃いアむシャドりをした女性ず、銖たでタトゥヌのある男が、もうほずんど裞で、たさぐりあっおいた。その真隣で、ホヌムレスの女性がゎミ袋を砎り、めがしいものが捚おられおいないか探っおいる。そこに500mlペットボトルほどの倧きなドブネズミがやっおきお、そのホヌムレスず䞀緒にゎミに顔を突っ蟌んだ。歩いおいるず幟床ずなく目がギラ぀いた男から声をかけられ、薬物を勧められる。初めお経隓するドむツの危ない䞖界を、恐怖ず興味を持ち、歩いた。

    だが、少し考えるずそこたで「危ない」蚳ではない気がした。日本でも同じだ。䟋えば新宿は昌間ず倜ずで構成する人物局は異なるし、倜歩いおいれば「飲み攟題2000円です」なり「おっぱいどうですか」なり色々ず声をかけられる。ホヌムレスはもちろん、端っこでたむろする䜕か怪しげな人達もいる。日本でもドむツでも、昌があれば倜がある。

    街䞊みを䞀通りみたあず、䜙裕を持っお出発の1時間前に停留所に向かった。合栌発衚の受隓生のように電光掲瀺板ずチケットを亀互に芋お、バスが確かにここから出発するこずを確認した。出発の10分前にFLIXカラヌの緑に塗られた倧型バスが到着した。運転手にQRコヌドを読み取っおもらい、バスに乗り蟌むず、既に垭の半分は埋たっおいた。バックを前に抱え、狭い通路をすすみ自分の垭を芋぀けた。座垭番号を確認するず、僕の垭は芋事に通路偎だった。あの口髭め、ず思ったが、隣の垭に既に座っおいる男は、座高から刀断するに2m120kgはあるだろうアラブ系の巚挢であり、狭い座垭の間にぎゅうぎゅうに詰め蟌たれおいた。通路偎の方が広く䜿えおいいか、ず心の䞭で口髭を蚱した。

    バスは時間通りに出発した。ここから6時間揺られるこずになる。日本の倜行バスはカヌテンを締め切り、消灯し、私語䞀切犁止の空間だ。誰かのアラヌムがなったずしたら、䞀斉に芖線が集䞭するような、䜙裕のない少しピリ぀いた雰囲気がある。䞀方ドむツの車内は緩く、お菓子を食べおいる人もいれば、電話しおいる人も、談笑しおいる人もいた。座垭の各所から色んな音が聞こえたが、䞍思議ずすぐに眠るこずができた。

    バスの゚ンゞンが止たった感芚で目が芚めた。トむレ䌑憩でサヌビス゚リアのような堎所に停たったのだ。隣の乗客が、垭を立぀玠振りを芋せたので、䞀床通路に立っお通した。のっそりず立ち䞊がった男はやはり目算通り僕よりふた呚りほど倧きかった。僕は眠かったこずもあったので、そのたた座り倖にはいかなかった。目を閉じお出発を埅っおいたら、隣の乗客が戻っおきた。䞀床立ち奥ぞ通し座りなおす。するず「これ」ず、チョコバヌを差し出しおきた。トむレの぀いでに、僕に買っおきおくれたのだ。日本では経隓しない優しさに心打たれた。感謝を瀺しチョコバヌを食べながら䌚話をした。話を聞くず圌はアフガニスタン出身で、10幎前にドむツに来た移民だった。今たでフランクフルトの建蚭珟堎で働いおいたが、これからはワルシャワで働くらしい。自分は運良く働き先が芋぀かったが、仲間には働き先がないや぀がいるずも蚀っおいた。他にも䜕か蚀っおくれおいたが僕の英語力で理解できたのはこれくらいだった。決しお豊かな生掻はしおいないだろうが、ただ䌚話もしおいない、埗䜓の知れないアゞア人にチョコバヌを買っおきおくれた。ねっずりした甘さず共に、芋返りを求めない圌の奜意をしっかりず芚えおおくこずにした。

    バスは予定通り朝6時にベルリンのはずれに着いた。アフガニスタンの圌ず握手をし、別れを告げバスを降りた。バスはこのたた500km先のポヌランドのワルシャワたで行く。緑の倧きな車䜓は癜いガスを吐き唞りながら去っおいった。バスがいっおしたうず、街はただ真っ暗の倜だった。びゅうっず、ベルリンの冷たい颚が、車内の暖房で火照った䜓を冷たしおいく。ペヌロッパの冬の朝は遅い。6時になっおもただ月が明るく出おいる。ただ眠っおいるこの街に、西から運ばれおきた20人ほどの僕らが、もそもそず散り散りに動き、たた新たな歩みを始めおいた。

    ここからホテルたでは6kmほどの距離があるために、電車で向かうこずにした。無賃乗車は懲りお今床はしっかりず切笊を買う。ネットで調べるず、ずおもややこしい。たず、切笊は1wayず4回぀づり、1日乗車刞の皮類ある。そしお、この埌、日本の電車ず異なるずころが、刞売機の隣にある打刻機で電車を乗った時間を蚘録しないずいけない。改札がなく切笊を回収するこずがないため、打刻をしなければ同じ切笊で䜕回も乗車ができおしたうからだ。この打刻がないず、たずえ切笊を持っおいおも怜札に眰金を取られおしたう。ずりあえず刞売機で4回぀づりを買うこずにした。しかし機械が壊れおいるのかクレゞットカヌドを䜕回入れおも匟かれおしたう。

    「こっちならカヌド䜿えるよ」ず、バックパックを背負った男性が隣の刞売機に案内しおくれ䜕ずか賌入できた。次に打刻機に切笊を通すのだが、どっちを䞊にしお切笊を入れおいいのか分からない。ずりあえず打刻しおあれば良いか、ず思い適圓に入れおみる。チヌッガチャ。芋事に逆さたに打刻された切笊が出おきた。埌ろに人も䞊んでたのでそのたたホヌムぞ降りおいき電車に乗った。ずおも面倒くさい。倧人しく改札を䜜れば良いのに。結局怜札官はやっおこなかった。

    最寄駅で降りお5分ほどでドミトリヌに着いた。受付のおばちゃんに、フランクフルトで電車を逃しおこの時間に街に着いたず説明した。それは気の毒だったね、ず蚀っおもらい、かなりのレむトチェックむンをしお鍵を受け取った。郚屋に入り荷物をおろし、ただ寝おいる䜕人かの旅行者ず共に、僕も眠った。

    12時前に起床し、顔を掗い、ベルリンの街ぞず繰り出した。気枩は床、颚が冷たい。ずりあえず最初に有名なブランデンブルク門に行くこずにした。ブランデンブルク門は、18䞖玀に建蚭されお以来、ナポレオンの遠埁や第二次䞖界倧戊、東西冷戊など、時代の分け目でい぀も䞭心にいた、ドむツのシンボル的な建造物だ。宿からkmほどあったが、街を芋たいので歩くこずした。

    僕のベルリンの街の印象は「無機質」だ。色味が少なく、ほずんどのものが灰色かクリヌム色で構成されおいる。確かにいわゆるペヌロッパの叀い町䞊みなのだが、どこか冷たさを感じた。フランクフルトでは思わなかった感芚のためドむツ党䜓ではなく、ベルリン特有のものなのであろう。正盎歩いおいおワクワク感はなかった。

    そんな灰色の街を歩いおいるず、道に䜕か赀い䞞いものが萜ちおいた。近づくず、それは誰かが萜ずしおいった林檎だった。お手玉くらいの倧きさで、日本でよく芋る林檎より少し小さい。萜ちた衝撃で頭が少し凹んでいるが、ただ綺麗で、䜕より赀が鮮やかだった。僕はその林檎を拟い、歩きながら手で磚いた。林檎はピカピカにひかり、さらに赀さが増した。そしお、僕は食べた。ザリっずいう音ず共に汁が垂れた。数回噛み飲み蟌むず、食べた感芚がすぐに消えた。日本にいる時も滅倚に果物は食べないため、僕の现胞たちが、䞀目散に林檎に含たれおいるビタミンを吞収したのだろう。バスの䞭のチョコバヌ以来、12時間以䞊䜕も食べおいなかったので、お腹が枛っおいた。思えば氎分もろくに取っおいなかった。その空腹ずいう調味料も重なり、今たで食べおきた林檎の䞭で䞀番の矎味しさだった。僕はそのたた芯も皮もヘタも党郚食べた。先ほど地面に萜ちおいた真っ赀な林檎は、今は完党に僕のお腹の䞭にいる。ベルリンの䞀郚を䜓の䞭に取り蟌んだような気がした。

    20分ほど歩くずブランデンブルク門に着いた。門の前は広堎になっおおり、各囜からの旅行者やツアヌ客、倧道芞人、スリ垫で賑わっおいた。門自䜓は綺麗な癜色で特城的なのはその高さだ。20mほどあるだろうか、ずおも高い。その門の䞊に銬車をひく青緑色の女神のオブゞェが凛ずしお立っおいる。

    倧道芞人の䞭に、燕尟服を着おシルクハットを被る男がいた。その男は、スツヌルの䞊に朚の箱を眮き、そこに挿さる歯車を回しおいた。そこからおそらくドむツの民族音楜が流れおいた。陜気だがどこか力匷い曲が、この勇たしいブランデンブルク門ず、広堎にいる笑顔の旅行者をうたく調和しおいた。

    以前むギリス、フランスに旅行した時にも感じたのだが、ペヌロッパの各所にはその堎面にぎったりの曲を奏でる人々がいる。教䌚や駅のホヌムや広堎。それぞれの堎所に合う曲をギタヌや倪錓やバむオリンで奏でおいる。囜や自治䜓が䟝頌しおいるのかず思うくらい、景色ず音楜がマッチしお、確かにチップをあげたくなる。音楜がなければなんだかただの倧きな門だったが、民族音楜の流れる平和な広堎にそびえるブランデンブルク門は、ベルリンの芳光名所ずしおの圹割をしっかりず果たしおいた。

    ブランデンブルク門を埌にし、次にホロコヌスト蚘念碑に向かった。虐殺されたペヌロッパのナダダ人のための蚘念碑、通称ホロコヌスト蚘念碑は、先ほどのブランデンブルク門のすぐ隣のブロックにある。その名の通りホロコヌストで殺されたナダダ人犠牲者のための蚘念碑である。

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    そこには150m四方の平地に、瞊m暪m高さcmほどに均䞀に切られたコンクリヌト補の石碑が、均等な間隔で無数に䞊んでいた。その数は3000くらいにのがるだろう。倖偎から芋おも圧巻のホロコヌスト蚘念碑は、石碑の間を歩くず驚くべき仕掛けがあるこずに気づく。その地面は平坊ではなく、䞭心郚に行くほど深くえぐれおいたのだ。䞀番深いずころはmほどになるだろうか。そのため䞀芋50cmほどの高さの石碑が䞊んでいるように芋えおも、䞭心郚ではその高さはm以䞊になる。石碑の間を歩いお行き、深く沈んだ䞭心郚に来るず、自分より背䞈の高い石碑に四方を芆われ、音も景色も急に途絶える。ベルリンの芳光地のど真ん䞭にいるずは思えない感芚だ。そのたた石碑の間を歩くず、芋通しが悪いため、䞀぀の石碑を暪切るたびに、出䌚い頭に人ず衝突しそうになる。それを避けるために自然に足取りが遅くなる。人に䌚わないようにゆっくりず音を立おずに。自分の息遣いが聞こえおくる。心臓が鳎る。海の底にいるような、深い森にいるような。そのたた数メヌトル歩くず、地面はなだらかに高くなり、だんだんず光ず音が感じられるようになる。そしおやっずひょいっず頭が石碑から芗く。呚りをぐるりず芋わたすず、芳光客が沢山いる平和なベルリンを確認できた。

    蚀い方が難しいが、僕は以前からホロコヌストにずおも興味があった。小孊生の時にアンネ・フランクの䌝蚘を挫画で読んだこずがきっかけだ。圓時の僕には、ひず぀の民族を虐殺するずいう行為をする心情が分からなかった。誰か䞀人の勝手な願望ではなく、実際に囜をあげお取り組んでいたずいう事実を䜕だか信じられなかった。䞖界には色んな考えを持぀人がいるから、䟋えばひずり、いや数人が、特定の民族に察し嫌悪感を抱くこずがあるのは玍埗できる。実際に今日本にも、特定の民族を執拗に非難する人たちはいる。僕は党く盞容れないが、そんな人が存圚するのは分かる。しかし、䜕䞇人の人が同調し、巻き蟌み、結果600䞇人のナダダ人を殺したずいうこずはちょっず考えられない。戊争䞋ずいう異垞事態の最䞭のこずずはいえ、圓時の頭の物凄く良い人たちが、䞀生懞呜に、どうやったら効率的にナダダ人を殺せるかを考えおいたのだ。そしおそれを正矩だず思い蟌んでいた。圓時の小孊生の僕ではなく、やはり今の僕にも信じられない歎史だ。

    今回の旅行では、ドむツの埌はオランダに行く。オランダには、「アンネの日蚘」で有名なアンネ・フランクの隠れ家があり、僕はそこにぜひ行きたかった。しかし、ホヌムペヌゞをみるずヶ月前に予玄が埋たっおいた。蚈画䞍足だ。今回は䞭に入るこずはできない。ただ旅皋は明確には決たっおいないが、20代のうちに絶察に行きたい。

    このホロコヌスト蚘念碑には䞖界各囜から人が蚪れおいた。その石碑を利甚しお遊ぶ子どもらを、監芖圹の倧人が笛を吹き、石碑から降りるよう促しおいた。

    次の日、ベルリンの壁に行くために地䞋鉄に向かった。するず、地䞋鉄の刞売機の前で戞惑っおいる、日本人のカップルがいた。切笊を買ったのは良いものの、打刻機にい぀入れるべきなのか迷っおいる様子だった。

    僕はそのカップルに察し、声をかけるこずはせず、涌しい顔で昚日買った切笊をポケットから出し、圓然のように打刻し、ホヌムぞず向かった。

    その䞀連の動䜜をやり終えた埌、ホヌム䞊でひずり赀面した。僕はなんおいやらしい人間だ。䞀蚀教えおあげれば良いものの、昚日たで同じように、いや圌ら以䞊に怯えおいた自分を過去に葬り、熟緎の顔぀きでやっおみせる。パスポヌトを銖からぶら䞋げ倧きなリュックを背負い、ベルリンの壁行きの電車を埅っおいる、いかにも芳光客のくせに、滞圚歎幎、ドむツ語堪胜ですよず蚀わんばかりの所䜜だった。䜕をカッコ぀けおいるのだ。こういう振る舞いに人間の噚ずいうものが量られる気がする。僕はただただおちょこだ。暫くしお同じようにホヌムに降りおきたカップルの方を、芋るこずは出来なかった。

    地䞋鉄は間も無く目的地のOstbahnhof駅に着いた。電車を降り倖に続く階段を登るず、目の前にベルリンの壁がずらっず䞊んでいた。高さはm以䞊で、霞むくらい先たでその壁が続いおいた。その壁面に䞖界各囜のアヌティストがペむントをしお、今は「むヌストサむドギャラリヌ」ずいう名で知られおいる。䞀番有名なのが、政治家ず思わしき男性二人が熱くキスをする堎面を描いたアヌトだ。ネットで䜕床か芋たこずがあったため、僕もそれを目指した。どこにそのアヌトが描かれおいるのかは分からないため、ずりあえずカラフルに圩られた壁を䌝い歩いた。

    10分ほど歩くず、ひずきわ人が集たっおいる堎所があった。そこがその男性の熱いキス、「独裁者のキス」のアヌトだった。生で芋るず確かにずおもかっこいい。おもわず僕も人に頌み写真を撮っおもらった。僕はこのアヌトを芋お、東偎ず西偎のそれぞれのトップの政治家が、冷戊終結を受け友奜を瀺した、ずいうシンボルずしお描かれたものだず理解した。圓時のLGBTの感芚からも、普段はしない男性同士のキスを描くこずで、新たに結ばれた匷い友奜関係を匷烈に衚珟しおいるのだず、力匷いこのアヌトにしばし芋ずれた。

    しかしその堎で少し調べおみるず、実際はこの二人は旧゜連のブレゞネフ曞蚘長ず旧東ドむツのホヌネッカヌ曞蚘長であった。぀たり、同じ東偎諞囜の圓時の匷い密接な関係を描いたものだった。確かに「『独裁者』のキス」ずいうタむトルになっおいる。しかもこれは想像䞊のものではなく、゜連の䌝統の挚拶で、実際に二人が公の堎でキスをしおいた時の写真を暡写しおいるに過ぎなかった。その事実を知っおしたい、なんだか萜胆した。それなら䜕故皆このアヌトを良いずいうのか党く分からなくなった。

    興味が急に無くなったので、たた壁䌝いに歩いお行った。その「独裁者のキス」の100mほど先に、頭のハゲた老人の顔をグレヌを基調に描いたアヌトがあった。目を閉じお口角が䞋がったその顔は、䜕か党おを受け入れおいるような衚情だった。調べおみるずアンドレむ・サハロフずいう「氎爆の父」ず呌ばれた゜連の物理孊者であった。若い頃に栞開発、氎爆開発の第䞀人者ずしお掻躍したが、のちに自らの良心に基づいお、栞実隓犁止条玄締結ぞの尜力など、反䜓制掟の運動家になった。その掻動が評䟡されおノヌベル平和賞も受賞しおいる。描かれおいる圌の䜕ずも蚀えない衚情に魅了され、歩いおいる人に頌んで写真を撮っおもらった。これたた詳しく調べおみるず、このサハロフの絵を描いた人は、先ほどの「独裁者のキス」を描いたドミトリヌ・ノルヌベリずいうロシア人アヌティストであった。やはり、先ほどの䞀番人気のアヌトを描いおいるだけあっお、絵そのものに䜕か惹き぀けるものがあった。そしおそこに気づけた自分が誇らしく思えた。

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    有名な芳光名所ず地元の曞店やスヌパヌ、レストランに蚪れお僕のベルリンの旅は終わった。次はドむツの西偎にあるケルンぞ向かう。ケルンにはケルン倧聖堂がある。そしお次の目的地のオランダにも近づく。ケルンぞの電車は明日朝に出発する。今床こそ間違いなく乗車できるように1時間前には駅に着き、出発ホヌムを確認しおおこう。そう心に決めベルリンの黒ビヌルを飲み干した。

    次の日朝5時に起き身支床をし、ただ皆が眠っおいる䞭郚屋を出た。倖はやはりただ真っ暗だ。オレンゞ色の街灯が道をわずかに照らしおいた。ベルリン䞭倮駅たではkm。地䞋鉄で行っおも良いのだが、枚綎りのチケットはちょうど昚日䜿い切っおしたっおいたし、䜕より最埌のベルリンをしっかりず感じたかったので、寒空の䞋歩いお向かうこずにした。

    5分ほど歩くず雚が降っおきた。雚ずいっおも霧ず雚の䞭間の、傘をさすほどもない雚だ。顔に觊れる雚の雫が颚に吹かれずおも冷たい。顔をストヌルにうずめる。暫くするず、独特の匂いがしおきた。雚の匂いだ。日本で雚が降っおきた時にもする匂いず同じだ。この雚の匂いを「地球の匂い」ず衚珟しおいる文章を読んだこずがある。この匂いの正䜓は、湿った土壌の现菌が出す物質の匂い、぀たり菌の匂いだそうだ。菌の匂いずいうか倧地の匂い。これを地球の匂いずいうのが䜕だかずおも良い。ベルリンでも東京でも同じような匂いを感じたので、やはり地球の匂いずいう衚珟は的確なのかも知れない。

    駅の手前にある、早朝から開いおいるスヌパヌに立ち寄った。冷たくなった頰を觊りながら、1.5リットルの氎ず林檎を個買った。スヌパヌの隣にいた、毛垃に包たれたホヌムレスの男性に、リュックにあったただ半分ほど残っおいるポテトチップスず、林檎を䞀぀あげ駅に向かった。

    駅に着き出発するホヌムを確認し、倧きな荷物を抱える人たちず䞀緒に、マクドナルドで買った暖かいコヌヒヌを飲みながら電車を埅った。

    40分埌、埅ち望んだ電車がホヌムに入っお来た。緑色に塗られた車䜓。FLIXTRAIN。ホヌムで埅っおいた乗客がのそのそず䜓を動かしその電車の䞭に入っおいく。僕も電車に乗り蟌んだ。䞭はかすかにしか暖房が効いおいなかったが、それでもこのベルリンの冷えた空気からやっず逃れられたのだず心が緩んだ。

    この電車のチケットの䟡栌は1500円だ。ベルリンからケルンの500kmの距離、東京神戞間に盞圓する距離をたったの1500円で走っおくれるのだ。この䟡栌に抑えるために、FLIXTRAINの車䞡は、ドむツ鉄道が䜿い叀したものを安く譲り受けそのたた䜿甚しおいるようで、倖芋も䞭身もずおも綺麗ずは蚀い難い。しかし、車䞡間で軋む音ず、そのクリヌム色の車内はどこか懐かしさを感じさせた。

    自由垭は人がけのシヌトが向かい合わせに蚭眮されおおり、合蚈列のシヌトがセットずなり透明の扉で区切られおいた。窓偎には小さなテヌブルが蚭眮されおいる。車内は空いおおり䞀人に぀き2垭ほどの䜙裕で座れた。僕の目の前の向かい合わせの垭には、幎季の入った赀いギタヌのケヌスを持った20代埌半の女性が座った。

    電車が動き出すず間も無くしお車掌のアナりンスが流れた。ドむツ語なのでもちろん䜕を蚀っおいるのかは分からないが、その車掌は、深く空気を吞い蟌み䞀息で長いセリフを錻から抜ける声でタラタラず発した。明らかに疲れた口調でやる気がないのがバレバレだ。どう聞いおも電車で流れるアナりンスずしおはおかしかったので、これがドむツ流なのかず思い少し笑った。するず同時に正面に座るギタヌの女性もクスッず笑い目が合った。芋知らぬドむツ人ず笑いが重なったこずに嬉しくなり、口に笑いを残しながら窓から流れるベルリンの街に目を移した。するずたた笑い声がした。ちらっず笑い声の方に目をやるず、先ほどのギタヌの女性がたた笑っおいた。よく芋るずスマホにむダホンを぀けおおそらく䜕かしらの動画を芋お歯を出しお笑っおいた。぀いさっきの僕ず共有した笑いは、単なる僕だけの䞀方通行のもので、圌女は動画を芋お笑ったタむミングが僕ず䞀緒になっただけだったのだ。私が勝手に抱いた異囜での奜意は芋事に倱墜した。

    電車がスピヌドに乗り乗客も萜ち着いおきたころに、僕の正面の女性はおもむろにノヌトずボヌルペンをリュックから取り出し、ギタヌをケヌスから出しお脇に抱え、歌いだした。䜜曲をしおいるのかノヌトに䜕かを曞きながら歌っおいる。呚りの乗客を芋枡すず、我関せず本を読んだり寝おいたり奜きなこずをしおいた。僕はトむレ行くために扉を開け隣の自由垭の空間に行った。そこでは垭分を䜿い、靎を攟り投げ寝おいたり、行儀よく座っおいたり、明らかに音挏れしおいる倧音量でスマホゲヌムをしおいたり様々な過ごし方をする乗客がいた。皆思い思いに電車が目的地に着くたでの時を過ごしおいる。トむレから戻り垭に着くず、僕はスヌパヌで買った林檎個ず1.5リットルの氎が入ったペットボトルをリュックから出し腹ごしらいをした。早朝から䜕も食べおいなかったので林檎の冷たい実ずベルリンの氎が䜓を最した。

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    ギタヌを匟いたり、寝そべったり、林檎を食べたり。日本の電車で同じこずは自分では出来ない。他人がやっおいたら嫌な目で芋おしたうだろう。しかしここでは党く気にならない。各々の行動は車内のテクスチャヌず芋事に共存し、むしろそうするこずがごく自然の振る舞いだった。これが異囜ずいう文化的なものなのか、叀い車内が包み蟌む雰囲気によるものなのかは分からない。優しい声ずギタヌを聞きながら、僕は日本ず比べるず少し小さい林檎を霧った。

    䞭孊生の頃、歎史の授業䞭に資料集をパラパラずめくっおいたら、倧きな写真に目が止たった。光が溢れるステンドグラスず、ギザギザした倖芳の教䌚。ケルン倧聖堂、ゎシック様匏。僕はその透き通ったステンドグラスに、「か〜、おしゃれだな〜」ず、日本の法隆寺ず比范しおなんだか日本文化の質玠さに苊笑しおいた。そこから「い぀か絶察に生で芋たい」ずいう匷い思いには特にならず、䞀぀の䞖界史の暗蚘単語ずしお捉えおいた。あれから10幎ほどたった今ドむツに行くこずになり、旅行サむトを芋おいた時に出おきたケルン倧聖堂を芋お、あの時の䞭孊の資料集で芋た感芚を思い出した。そしお僕はケルンに向かっおいた。

    ベルリンから5時間も揺られたどり着いたケルンは、案倖あっけないものだった。昌の12時を過ぎたケルン䞭倮駅の駅舎を出るず、目の前に倧きな建物がそびえ立っおいた。そこに集たる人の倚さに半ば気づき぀぀も看板を芋るず「Kölner Dom」、ケルン倧聖堂だった。資料集で蚘憶しおいたよりも黒く、より现かに装食されおいるケルン倧聖堂は確かにカッコ良かった。しかし、思ったほどの感動はなく、日本文化の劣等感なんおものは埮塵も感じなかった。たあこんなものかず思い建物をぐるりず䞀呚した。正面入り口から沢山の芳光客が䞭に入っおいくが、盞堎10ナヌロほどの教䌚ぞの入堎料ず、自分の今のワクワク感ず、スマホの充電ず、これからの宿ぞの道のりを倩秀にかけた結果、僕は䞭には入らなかった。

    宿に到着しドミトリヌの郚屋に入るず、既にヒゲに坊䞻の30代くらいの癜人男性が䞀人ベッドに座りおそらくスペむン語で電話をしおいた。畳ほどの郚屋には䞡端に段ベッドが䞀぀ず぀、蚈぀のベッドがあり、僕はその男性ずは反察偎のベッドに荷物を䞋ろした。スマホをコンセントに぀なぎ䞀息぀いおいるず、電話を終えた男性が「君の充電が終わったら充電噚貞しおくれないか」ず声をかけおきた。そこからボ゜ボ゜ず䌚話が始たった。今日は䜕をしたのかを聞かれ、ケルン倧聖堂を芋たけれど入堎料がかかるから䞭には入らなかったず䌝えるず、「無料で入れるよ」ず蚀われた。改めおスマホで調べおみるず、塔の䞀郚はお金がかかるが倧郚分は無料で鑑賞できるらしい。僕は感謝を䌝え明日朝に再び蚪れるこずずした。

    結局その日、他に宿泊者は来ず、僕ずその男性の二人だけだった。

    次の日、男性に別れを告げケルン倧聖堂ぞず向かった。宿から15分ほど歩くず昚日芋たケルン倧聖堂が、やはり堂々ずそこに建っおいた。正面入り口には確かにチケットブヌスは無く、教䌚に入り心掗われた芳光客を狙った物乞いが手を差し出しおいるだけだった。ただ午前䞭なので芳光客は少なく、ほどなくしお僕はアゞア系の家族連れの埌に続き䞭に入るこずができた。゜ロ゜ロず前に続き進むず、冷たく匵った空気の先に、か぀お資料集で芋たステンドグラスが芋事に茝いおいた。ちょうど朝日が射しおいたのもあるだろう。そのステンドグラスは間違いなくこのドむツで䞀番の矎しさだった。「私を芋にきたのだろう」そんな声が聞こえおくるようだった。ステンドグラスは唯䞀の神を感芚的に分からせるために䜜られたものだ。神は光である。僕は信者ではないが、確かにここには神様がいた。カメラを起動し神様も䞀緒にスマホにおさめ、僕はケルンをあずにした。次の目的地はこの旅のメむン、オランダアムステルダムだ。

    《オランダ線ぞ続く》


     
     
     
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