
犬って、何歳になっても甘えん坊なの?
レイ三郎を見ていると、
たまにそんなことを思う。
もう5歳。
人間で言えば、
立派な大人。
子犬みたいに、
何でもかんでも興味を持って走り回る年齢でもない。
それでも、
家族のそばにいる。
誰かが座れば、
その近くに来る。
別に何かをしてほしいわけでもなさそうなのに、
少し離れたところから、
こっちを見ている。
そして、
気がつくと、
いつの間にか近くにいる。
「そんなにそばにいたいん?」
そう聞いても、
もちろん答えない。
でも、
離れようとすると、
なぜかついてくる。
トイレに行く。
ついてくる。
別の部屋に行く。
ついてくる。
戻ってくる。
ついてくる。
……どこまで来るん。
たぶん、
レイ三郎にとっては、
「ついていく」というより、
「家族と同じ場所にいる」
という感覚なのかもしれない。
何か特別なことをしてもらわなくてもいい。
撫でてもらわなくてもいい。
おやつがなくてもいい。
ただ、
同じ空間にいる。
それだけで安心しているように見える。
犬って、
思っている以上に、
「一緒にいること」を大切にしているのかもしれない。
人間は、
忙しいときほど、
「ちょっと待って」
と言ってしまう。
今これをやっているから。
後でね。
あと少しだけ待って。
でも、
犬にとっては、
その「後で」がいつなのかなんて分からない。
だから、
今そばに来てくれたときくらいは、
少し手を止めて、
撫でてあげようと思う。
たった数秒でも、
レイ三郎にとっては、
嬉しい時間なのかもしれない。
そして、
そんなことを考えていると、
こっちのほうが癒されていることに気づく。
犬を飼っているのは、
僕たち家族のほうなのに、
毎日のように、
レイ三郎から元気をもらっている。
何か特別なことをしてくれるわけじゃない。
ただ、
そばにいる。
それだけ。
でも、
その「ただそばにいる」が、
意外と大きい。
今日もレイ三郎は、
家族の近くにいる。
何をするでもなく、
ただそこにいる。
たぶん本人は、
何も考えていない。
でも、
僕は思う。
こういう時間が、
一番幸せなのかもしれない。
犬って、
何歳になっても、
家族のそばにいたい生き物なのかもしれない。
そして僕たちも、
何歳になっても、
レイ三郎のそばにいてやりたい。
特別な一日じゃなくていい。
今日もいつものように、
一緒に過ごせた。
それだけで、
十分幸せだ。