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    <title>快児</title>
    <description>フリーのピン芸人。お芝居の作演出もやってます。エンタの神様に2年で10回だけ出てました。R-1ぐらんぷり2013準決勝進出。フジテレビオールスター合唱バトル歌うま芸人チームとして出演。YouTube「快児チャンネル」登録お願いします。TikTokライブ、ショート動画共にやってま</description>
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    <copyright>快児</copyright>
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    <lastBuildDate>Wed, 07 Oct 2026 09:50:25 +0900</lastBuildDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】〜エピローグ〜</title>
      <description><![CDATA[<p name="64C59859-2301-4BDF-A264-78C29799C385" id="64C59859-2301-4BDF-A264-78C29799C385">新宿のテロから一カ月が過ぎた。<br>すなわち、ユウキが藤井宅に住み着いてから一カ月弱が過ぎた。<br>稔も家には帰らずずっと一緒にいた。<br>稔はユウキの話を聞きたがった。<br>殺人方法、白戸と知り合った話、どうやって新宿のテロを起こしたのかということの一部始終。<br>殺人方法については白戸に教わったことを全て教えてやった。<br>稔は満足げだった。<br>対してユウキは限界だった。<br>これ以上こんな所で隠れていたらおかしくなりそうだ、<br>早く快楽が得たい。<br>また世間を恐怖のどん底に引きずり降ろしてやりたい。<br>「お姉ちゃんまた新宿でやっちゃおうかな」<br>稔に言うと、彼は目を輝かせて、<br>「うん！」<br>と言った。<br>この家で武器になりそうな物は…包丁くらいしかない。<br>ユウキは包丁を懐に忍ばせた。<br>また大騒ぎを起こしてやろう。<br>ユウキはそう思ったが、今回はノープランだった。<br>ここ一週間、新宿テロの話題はテレビで見なくなった。<br>電車内で顔を指されて捕まるといった心配はないだろう。<br>そう思いつつも「藤井君」のお母さんの帽子を被ってメガネをかけ、少しは変装して電車に乗り込んだ。<br>稔も「藤井君」の帽子を被りナイフを持ってユウキに続く。<br>新宿に着いた。<br>ＪＲ新宿駅には脱線の跡かたもない。<br>すぐに復旧作業が行われたんだろう。<br>山手線の新宿駅のホームに行く。<br>「ここでお父さんを殺そうとしたのが全ての始まりだったな」<br>ユウキが独り言を言う。<br>「白戸と対決をしたのもここだったな」<br>南口あたりで大暴れしてやるか。<br>ユウキがそう思い、南口に向かいかけた瞬間だった。<br>背中に力がかかる。<br>体がもっていかれる。<br>スローモーション。<br>目に入った電光掲示板には点滅する「電車が来ます」の文字。<br>線路に放り出される。<br>電車が近づく。<br>どうすることもできない。<br>先頭車両までの距離が縮まっていく。<br>三メートル、二メートル、一メートル。<br>空中でくるりと振り返るとそこにはニヤリと笑う稔の姿が。<br>初めて味わう心からの恐怖。<br>人間への恐怖。近づく電車への恐怖。自分が行ってきたことへの恐怖。<br>先頭車両がユウキの体に激突する。<br>骨が折れる音、肉が裂ける音。<br>吹き飛ぶユウキ。<br>線路の上に横たわる形となる。<br>そのユウキの上を車輪が通過する。<br>どうすることもできない。<br>無力。<br>まだ意識はある。<br>ある分、より怖い。<br>ここで、こんなガキに…。<br>終わった。<br>屈辱と、もうこれ以上快楽に付き纏われぬことへの安心。<br>頭を、首を、胸を、腕を、足を巻き込んでいく車輪。<br>最後にユウキが見た稔は、缶コーヒーを片手にバイバイと手を振っていた。<br>そして稔はメモ張を取り出し「正」の字の一画目を書き込んだのであった。<br><br>了<br></p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nc40e0008109d'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:44:56 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【十】</title>
      <description><![CDATA[<p name="F314E015-9282-4EEE-9EA2-2D56FB850A8E" id="F314E015-9282-4EEE-9EA2-2D56FB850A8E">稔が家に帰るとやはりそこには来客があった。多分覆面パトカーとかいうやつだろう。今お母さんは警察にいろいろと聞かれているに違いない。勝手口に回る。キッチンからお母さんの寝室まではリビングを通らなくても行ける。足音が聞こえないように、二階に上がる。寝室に着きへそくりをポケットに詰め込む。封筒には十二万円入っていた。足早に同じルートを通り家を出る。<br>稔は考えていた。<br>ユウキお姉ちゃんはどう思っているんだろう。<br>小さいころお母さんに「人を傷つけちゃだめよ」と言われたことがある。<br>自分もそれが当たり前だと思っていた。<br>しかしユウキお姉ちゃんはなんの躊躇いもなく人を殺す。<br>稔は同級生の春人を殺した時、初めて自分が気持よくなっているのに気付いた。<br>初めは罪悪感でいっぱいだった。と、思いたかったが何かが違う。<br>これは罪悪感じゃない。純粋に楽しいという気持ちだと。<br>自分には人を可哀想だと思う心がないと。<br>そういう感情が元々ない人間だと。<br>ユウキはみさお姉ちゃんを殺した。<br>二人は名パートナーなのではと思っていたのに簡単に裏切った。<br>だが、自分はそれを見て、その冷酷さを見て、かっこいいと思った。<br>自分はまだ九歳だ。<br>一人で人を殺すのはまだ難しいだろう。<br>ならばユウキを先生だと思って殺戮の手助けをしよう。<br>そして全てを学んだ時、先生を殺害しよう。<br>コンビニに寄り弁当を買いこみ、藤井宅を目指す。<br>「ピンポーン」<br>インターホンを押す。<br>ユウキが出てくる。<br>「ありがとね。お疲れ様」<br>と言われ、稔も笑顔で<br>「どういたしまして」<br>と答えた。<br></p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nb979a1d557ea'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:43:05 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【九】</title>
      <description><![CDATA[<p name="45BBD98C-8D63-408B-9C3C-76947DECA3C1" id="45BBD98C-8D63-408B-9C3C-76947DECA3C1">「藤井君」夕方五時ごろに帰宅した。帰宅した瞬間に殺害した。今まで以上に簡単だった。そしてこれで藤井宅は自分のものになった。<br>「さすがに出歩くことはできないからさー、今後は腹が減ったら近くのコンビニで買い物をしよう。変装はしないでいいよ。二人とも指名手配はできない年齢だし」<br>ユウキはそう提案した。<br>「じゃあ俺は一旦家に帰ってお母さんのヘソクリ持ってくるよ。どこに隠してあるかはわかってるんだ。あ、帰る時は絶対ヘマしないよ。警察がいるかもしれないよね。うまくやるよ」<br>稔はそう言って出て行った。<br>知らない家の中ポツンと取り残されたユウキは思いを巡らせた。<br>警察から逃れたとはいえこれからずっと追われる立場になるだろう。<br>これから先、もうあんな大きな快楽を得ることはないだろう。<br>できたとして地味に一人殺すとかそれくらいのものだ。<br>あの新宿テロの時の快感はもう味わうことができない。<br>あの白戸との戦いのようなスリルも味わうことができない。<br>あのベランダから銃を乱射した時の最高の満足感を味わうことができない。<br>自分はすでに快楽を味わい尽くした。<br>なのになぜ逃亡した？<br>怖いから？ <br>違う。<br>捕まったままではつまらないからだ。<br>では、今どうやってあんな快感を得ることができるだろうか。<br>ない。<br>これ以上の手段はない。<br>脱走したはいいが何も思い浮かばない。藤井家にあったパソコンを拝借する。「毒ガス」というキーワードで検索をかけてみる。作り方が書いてあるページはあったがその素材をどうやって手に入れればいいかがわからない。サリンに関してもそうだった。<br>毒ガステロなどというものは素人が簡単にできるものではないのだ。<br>これ以上思いつかない。<br>そもそも殺人方法から偶然性を抜いた段階で無理があったのだ。<br>「動機」があり「目撃」もされていては、警察から容疑がかかって当然だ。<br>「偶然」を装っていたからこそ足がつかなかったのだ。<br>いつの間にか貫いていたポリシーがなくなってしまっていた。<br>結果、今何もできずこそこそ隠れるはめになっている。<br>しかし、父を殺す際にどうしても「感情」が入ってしまった。<br>自分をレイプした人間を「偶然を装って」殺すことはできなかった。<br>ポリシーを曲げてでも、その後捕まってでも、あの男は殺してやりたかった。<br>そして「直接人の体を壊す」という行為からくる快楽に目覚めてしまった。<br>今考えても仕方がない。<br>これはまたこつこつと地味な殺人をするしかないか。そう思った。<br>ところで稔たち子供の人生を変えてしまったことについて自分はどう思っているか。<br>自分自身に問いかける。<br>あの無垢な少年少女たちを騙し殺しに加担させたことについてどう思うか。<br>少しだけ胸が痛くなった。<br>初めはなんとも思わなかった。<br>バカで計算高い子供を利用して何が悪いと思っていた。<br>しかし子供たちはこちらが思っている以上に純粋だった。<br>そのことが少しだけ引っかかった。<br>そして、純粋であるがゆえ稔はあの歳にして殺人の快楽に目覚めてしまった。<br>全ては自分のせいだ。<br>いつになく感傷的になっている自分にユウキは気付いた。<br>いや、所詮他人は他人だ。<br>ユウキはいつもの割り切った態度を取り戻した。<br>いずれはあの子もそうなったに違いない。<br>そしていつあの子は裏切るかわからない。<br>ユウキがミサトにそうしたように。<br>少しでも裏切るような素振りをしたならば先に殺してやろう。<br>「ピンポーン」<br>稔が弁当を持って来た。<br>「ありがとねー。お疲れ様」<br>ユウキは笑顔でそう言った。<br></p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/na88ad14fe89c'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:41:33 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【八】</title>
      <description><![CDATA[<p name="80A9EA04-667E-4A4B-927E-2BC43AC65964" id="80A9EA04-667E-4A4B-927E-2BC43AC65964">一時間ほど汗だくになりながらパーキングの車の影でペンチを使ってがちゃがちゃやっていた。途中稔にも手伝ってもらう。するとようやくパキーンという音を立て手錠の鎖部分が外れた。ペンチの横を見てみるとオールチタンと書かれていた。鉄よりも強いわけだ。<br>「やった。やるじゃんチタン」<br>ユウキは稔とガッツポーズを作る。<br>腕の部分に付いているのは仕方がない。ユウキは長袖を伸ばして手錠を隠し戸田公園の駅を目指した。しかしそのルートは修正することにした。<br>「だめだ。駅で張り込みをやっているかもしれない」<br>仕方なくもう一駅歩き隣駅の浮間舟渡から電車に乗ることにした。歩いている時ユウキは色々なことを考えた。<br>これからどこに行こう。<br>帰る場所なんてあるのか？<br>ない。<br>家に帰ったら警察に捕まえてくださいと言っているようなものだ。<br>じゃあどこへ行く？<br>どこにも行く場所なんてない。<br>お金どころか財布自体持っていない。<br>漫画喫茶で寝泊まりすることもできない。<br>じゃあどうする？<br>どうしよう。<br>誰かの家に行こう。<br>そうだ、何処かの家を乗っ取ればいい。<br>ユウキは弱気な顔からまた殺戮マシーンの顔へと変わった。<br>「どうしたの？ 何か名案思いついた？」<br>「思いついたよ。稔、友達で家族が少ない子の家に連れてってくれない？」<br>「殺して乗っ取るんだね」<br>稔は飲みこみが速かった。しかも友達の家族が殺されるというのに稔は嬉しそうだ。同じ空気を感じた。この前の一件からこの子も殺戮の快楽を知ったのだ。<br>「藤井君っていう子の家はお母さんと藤井君二人暮らしだよ」<br>じゃあ計画を立てよう。<br>まず稔がインターホンを押す。藤井君とお母さんのどちらか一人で出て来たら後ろからユウキがナイフで刺す。もし二人とも出てきたらとりあえず家にお邪魔させてもらい、鍵は少し開けておく。そしてユウキも忍び込んで待機する。計画はそういうものだった。<br>「ピンポーン」<br>実際に稔がインターホンを押す。出て来たのはお母さんだけだった。ユウキがそーっと後ろに回り込む。<br>「あら稔くーん！ 今あの子出て行ったばっかりなの。まあすぐに帰って来ると思うけどね。あ、上がって…く？」<br>お母さんがそう言い終わるのを待たずにユウキは果物ナイフで一突きした。お母さんは何が起こっているかわかっていないのだろう。「何？ 痛い！ 何？」と目を白黒させている。<br>そこで稔は突然、なんの迷いもなくペンチでお母さんの顔をフルスイングで殴った。<br>「…！」<br>声も出ないお母さん。鼻が折れ顔の輪郭まで変わっている。<br>「よきパートナーと思わない？」<br>稔が言った。<br>ユウキはこいつ本物だ。と思った。<br></p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n9dca89939e74'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:39:09 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【七】</title>
      <description><![CDATA[<p name="2F057178-A925-4190-8FAA-4C398AAC5B60" id="2F057178-A925-4190-8FAA-4C398AAC5B60">「助けに来たよ。ユウキお姉ちゃん」<br>稔はそう言って竹下を突き放し、ユウキを抱き締めた。稔を取り押さえようと向かって来る竹下の部下。しかし、稔はどういうわけかユウキの首筋に今度はナイフを当てたのだった。そしてこう言った。<br>「お姉ちゃんが人質。一歩でも動いたら殺すから」<br>身動きが取れなくなる竹下とその部下。そうなのだ。目の前にいるのは史上最悪の犯罪者。ここで死なれて困るのは警察の方だった。<br>「もちろん仲間を呼ぶのもだめだからね」<br>稔はユウキを立たせた。ユウキが笑い出す。<br>「あっはっは！ まさかの伏兵登場だね。まだまだ話すこといっぱいあったんだけどなー。続きは次回会った時だね」<br>次なんてないけどね、と言いながらユウキはドアの外に連れて行かれる。何人か別の患者がいた。皆驚きを隠せないようだ。ここは精神科の隔離病棟。ただでさえ情緒不安定な者がその光景を見てどう思っただろう。泣きだす者、震える者、発狂する者、様々だった。<br>看護師たちもいたが、彼女たちも怖がるか患者たちを守ろうとするばかりで稔を取り押さえようとはしなかった。<br>ナイフを持った子供と手錠をかけられた凶悪犯。その凶悪犯が人質であるという絵は奇妙なものだった。<br>「ナースステーションでこう言ってくれる？」<br>何かを耳打ちするユウキ。そのままナースステーションに行き<br>「ドアのカギをよこせ！」<br>と叫ぶ稔。<br>隔離病棟は内側からも鍵がかかっていて、それを開けねば外に出ることができないのだ。<br>ナースステーションで何かを捜す稔。ユウキはユウキで武器になりそうな物を捜すが見つからない。<br>稔が顔面蒼白の看護師から鍵を受け取る。そして外へと続くドアの前まで来たのだった。<br>鍵を開ける。<br>ついに外に出た。三日ぶりの日光。すがすがしい。<br>「これ、切れないかな？」<br>稔は手錠を指さし大き目のペンチを取り出した。そうそう切れはしないだろうが、何処かに隠れてずっと切ろうと試みていたら切れるかもしれないな。ユウキはそう思った。<br>竹下が応援を呼んで、彼らが病院の入り口に着いた時、そこには誰もいなかった。<br></p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n64a4ed6a3bb7'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:31:07 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【六】</title>
      <description><![CDATA[<p name="79C1880B-8676-4ABA-BA02-574AF7AD1BBD" id="79C1880B-8676-4ABA-BA02-574AF7AD1BBD">稔は心療内科に入院することになった。戸田公園駅からかなり離れた位置に、その建物は立っていた。駅前の喧騒が患者をいらいらさせるからだろうか。散歩に出た患者が外の人間と接触し、トラブルを起こすことを危惧しているのだろうか。<br><br><br>「まだシヨック抜けないわよねー。大丈夫だからね。もう大丈夫。大丈夫」<br><br>稔を抱きしめる看護師。稔はなんだか偽善的で煩わしいと思った。<br><br>あの衝撃の瞬間を見てもいない者が何を知ったかのように。そう軽蔑していた。自分の精神はおかしくなった。後の人間は死んだ。どこをどう見たら大丈夫なんて言葉が出てくるのか。<br><br>でも<br><br>「もう大丈夫だよ」<br><br>と笑顔を見せる稔。<br><br>そこで看護師が言った。ユウキは生きていると。<br><br>衝撃だった。またあの人と共に最高のゲームがしたい。そう思った。<br><br>建物は同じだが、ユウキは自分とは違う隔離病棟に入院しているという。こちらは何でも持ち込みオッケーだ。しかし隔離病棟の方は違うと聞いている。なんでもベルトや紐の一本すらも首吊りに使う可能性があるということで持ち込みが許されていないと言う。これはいくらユウキでもどうにもならないだろう。<br><br>助けに行かなくっちゃ。<br><br>稔は被害者である。それゆえ両手には手錠が嵌められていない。これでもかと言うほどの警察の計らい。ドーナツまで出てきた。そしてフルーツ。フルーツを切るということは、すなわち切る為の包丁ないし果物ナイフがどこかにあるということだ。稔はベッドから起き上がり、どこに刃物が置かれているかを注意深く探した。探し物は思った以上に早く見つかった。二つ隣の部屋が調理場だったのだ。包丁を探していると、<br><br>「どうしたの？」<br><br>とおばさんが言ってきた。<br><br>「トイレ行こうと思ったんだけど迷っちゃって」<br><br>稔はこうかわす。<br><br>「トイレはこっちよー」<br><br>とおばさんが指を指した時、稔は発見した。<br><br>素早く包丁を懐に隠す。<br><br>ユウキの部屋をナースステーションで聞いたが、さすがに教えてはくれなかった。<br></p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/naca605bc10fe'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:29:03 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【五】</title>
      <description><![CDATA[<p name="9745D43E-2D1E-4EA7-A9B2-A0ADD7AA54C0" id="9745D43E-2D1E-4EA7-A9B2-A0ADD7AA54C0">そしてユウキはメインイベントについて語り出した。<br>「その頃店の中では何が起こっていたか。全部教えてあげるよ。まず私とミサトは少し前の日に駅前の個室居酒屋にアルバイトの面接に行った。二人共採用された。で、あの事件の日、早番希望でシフトを出した。人手が足りなかったんだろうね。うまく同じ時間に働くことになったよ。まあそうならなくても店には行ったけどね。それで青酸カリで店員を殺した。飲まなかった奴らは刺し殺したよ。で、客が入って来るのを待った。予想通りだった。脱線によって身動きが取れなくなった人たちがどんどん客となって店に入って来た。そこが地獄だって事も知らずにさ。で、デカイ奴には青酸カリ入り、その他の奴にはハルシオン入りのファーストドリンクを持って行った。デカイ奴に暴れられたら困るからね。さあ、こっからが本番さ。私とミサトは何がやりたかったか。それは生身の人間を、正面から、何の躊躇いもなく切り裂いて殺すってことさ。なんでそんなことをするのかって？快感だからだよ。何よりも興奮するからだよ。異常だと思うだろうねー。でもそうするしか快感を味わえない人間もいるんだよ。捕まってもよかった。それを成し遂げ最高の快楽を手にすることができたら、もう思い残すことはなかった。それくらいの覚悟があってやったんだよ」<br>ユウキが真剣な表情になる。<br>「私たちはハルシオンで意識が朦朧としてる奴らを次から次へと切り裂いていった。文字通りピンポイントで首の頸動脈を切って裂いた。もちろん血が吹き出したよ。でもそれは心地好いシャワーだった。なんならこのシャワーを浴びたくてやってるみたいな所があったからね。気持ちよかったよそりゃあもう。これが最良の快感かと再認識したね。中には飲んでない人もいたよ。でもそんな奴はミサトと二人がかりで殺したよ。個室になってたし、みんな外の事に頭が行ってたから大した妨害はなかったね。そこまでは思ったより簡単だった」<br>ユウキはそこで言葉を切った。簡単ではない事が起こったのだろう。<br>一息ついてユウキは語り出す。<br>「白戸が来たんだ。自分のうちを特定されることはわかってたけどまさかバイト先にまで来るとは思わなかったから驚いたよ。」<br>白戸という知っているワードが出た時、竹下はユウキをまじまじと見た。<br>竹下はユウキと向き合った瞬間、首に冷たい物が当たる感触がした。<br>血が滴る。<br>振り返る。<br>そこにはどうやって来たのだろうか、果物ナイフを手に持った稔の姿があった。<br>「助けにきたよ。ユウキお姉ちゃん」</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n2157c9b30fc2'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:28:17 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【四】</title>
      <description><![CDATA[<p name="5BF6BFD2-010A-4262-A28B-A96CE6ADC6FF" id="5BF6BFD2-010A-4262-A28B-A96CE6ADC6FF">隔離病棟に移ってもユウキの言葉は止まらない。<br>「さっき言ったミサトはさー、一つの特技があったんだ」<br>「特技とは？」<br>「子供の心を自在にコントロールできるって特技。まあ喋り方なのか、見た目なのからフェロモンなのか、さっぱりわからないんだけどとにかく子供がなつくんだ。それを見て私は即座にその能力を利用しようと思ったね。何も知らない子供たちをこれから始まるのはゲームだからって騙して人殺しをさせようと。あ、その前に高級腕時計大量に盗んだんだけど話は行ってる？」<br>「被害届は出ている。やはりお前か」<br>「そうだよ」<br>悪びれることなくユウキが言う。<br>「オフ会ってわかるかな。そこで一番時計持ってそうな奴の家まで行ったんだ。でれでれしちゃってさー。キモいことこの上ないんだ。でもそれを我慢して白戸から盗んだハルシオンをお酒に混ぜて飲ませたんだ。ころっと眠ったよ。で、その隙に全部の時計を盗んだ」<br>「そしてその盗んだ時計を踏切に敷き詰めた」<br>「当たり。石なんかじゃ跳ね飛ばされると思ったからね。もっと頑丈な素材が必要だった。まあもったいないなとは思ったけどね。なんぜプラチナとかダイヤ入りの置き石だよ。脱線しない方がおかしいよね」<br>「…そうか。それで次は…」<br>「お待ちかね新宿同時虐殺さ。どこから話そうか？計画の段階から聞きたい？」<br>聞きたいという気分ではなかったが、全貌を知るには聞くしかないというのが竹下の本音だった。<br>しかしこの女は何者なのだ。今まで自分が担当してきた事件はどれにも「動機」があった。<br>「浮気されて」<br>「言われたくないことを言われかっとなって」<br>「保険金欲しさで思わず」<br>「上司に人格を否定されて」<br>「知られたくないことが白日の元に晒されて」<br>「介護に疲れ果てて」<br>人を殺し、もしくは自殺をするのだった。今回の事件はそのどれにも該当しない。「愉快犯」その言葉がぴったりだった。ただこれまでの愉快犯とはやっていることのスケールが違いすぎる。それに何なのだ、この堂々とした態度は。精神異常者を装う気もないらしい。話を順序立てて、時系列に沿って話している。この後どうなってもいいかのような態度。竹下はこの目の前にいる怪物に恐怖の色を隠せないでいた。<br>ユウキがまた語り出した。<br>「まずはミサトにエレクトーン教室を開くように言ったんだ。子供を沢山集める為にね。で、『次の日曜新宿で殺し合いの大きなゲームがあるから参加しよう』と言わせた。びっくりしたよ。誰一人疑うことなく参加を表明したからね。それから子供たちを四つのグループに分けた。置き石ならぬ置き時計チームと投石チーム、あとドスチームと拳銃チーム。もうわかってると思うけど、ドスと拳銃は白戸から奪ったものを渡した。それで、まず置き時計チーム。さっき言ったように時計を踏切に敷き詰めるんだ。しかしああも上手くいくとはね。ＪＲと小田急と西武新宿が同時にだよ。爽快過ぎて震えたよ。で、そのすぐ後に残り三つのチームが活動開始。まずはビルの屋上から石を投げまくる投石チームね。あ、ここからは知らない？」<br>竹下はそこについてはほとんど何も知らないようだ。脱線事故で警察は出払っていたのだろう。ポカンと口を開けている。<br>「じゃあ続けるね。投石チームは脱線事故を見ようと新宿駅東口付近に集まった奴らの頭上に無数の石を落とすチームね。みんなびっくりしただろうね。急に石が降って来るんだから。でもみんな避けることはできない。だって周りはぎゅうぎゅう詰めだからね。わかってても食らうしかないんだ。どういう気持ちだったろうねー」<br>ユウキはご馳走でも食べているような満足げな笑みを浮かべる。<br>「次はドスチームね。子供たちにドスを持たせて脱線に見とれている奴らを刺して行くんだ。子供が駆け寄って来て、助けを求めるかと思ったら刺されたら驚くだろうね。何が起こってるかわからないまま死んでいくんだ。可哀相にねー」<br>刑事二人は宇宙人にでも遭遇したかのような表情をしている。不可解。かつてなかった、考えもしなかった発想。<br>「最後は拳銃チームね。これは三丁の拳銃と一人当たり三十二発の銃弾を持たせて手当たり次第殺しまくってもらうっていうチーム。これで死んだ人はある意味よかったと思うよ。何故？とか考える前に死ぬんだから。このチームには最年長の三人で編成した。一回撃ってみてびっくりしたけど、かなりの衝撃が腕に来るからね。以上が店の外で起こってたことの全貌」<br>外？竹下は思う。そうだ。店の中でもさらなる惨劇が起こっていたのだ。そういう電話は受けてはいたが、ここまで鮮明に話されると、信じる他ない。しかしあまりのスケールに付いていけない自分がいた。<br>ユウキは、<br>「お茶もらっていい？」<br>と言って平然とした顔でペットボトルに口をつけた。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nf124be4e6611'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:22:16 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【三】</title>
      <description><![CDATA[<p name="7543FF95-D4EF-45A8-B37D-1653DF2A2701" id="7543FF95-D4EF-45A8-B37D-1653DF2A2701">父親殺害についての詳しい供述が始まる。<br><br>「普段は仲いいフリしてたからさ、おびき寄せるのは簡単だったよ。『自転車のチェーン取れちゃった！ お父さんちょっと来て！』なんて行ったらのこのこと庭に出て来たよ。そこで始めて銃を使った。最近のはあれだね。音があんまりしないよね。サイレンサーってやつが付いてるのかな？ とにかく最高だったなー。自転車に向かってしゃがむ無防備な姿勢。そこに弾丸を打ちこんでいいんだって考えると性的興奮にも似た感覚が体の内面からにじみ出てきた。そして撃った。一発じゃまだ抵抗するんでもう一発アキレス腱あたりに撃ち込んだよ。でも男って頑丈でさ。まだ反撃されるような気がしたから次は股間をぶち抜いてやったんだ。忌まわしい部分。こんなものがあるからいけないんだと思って慎重に撃ったよ。やっぱ効くもんだね。あれだけ鍛え上げたキックボクサーなんかでも悶絶するんだ。こんなの食らった日にゃあたまらないだろうね。でもあいつはまだ息があった。こっちが気を抜いた瞬間突然覆いかぶさってきたんだ。凄い力。こーいうのを火事場のバカ力って言うんだろうね。上から首を絞めてきた。正直諦めかけたね。またこの男に負けるのかって。でもそこで銃の音がした。父は倒れた。そこにはミサトが立っていた。始めて仲間というものを意識したよ。もしそこにミサトがいなかったら私の目的は達成されず仕舞いだったから。さて、父はどうなったかと見て見ると、まだ息があるの。これは最高に興奮する復讐をする絶好のチャンスだと思ったよ。父を庭に生えてる木に結び付け、包丁で指を切断していく。一本、また一本と切っていくごとに、私は興奮していった。人を刺すという行為がいかに自分にとって快楽なのか。その辺りで投石をしたり、ピアノの線を張ったり、エガンでねらったりということがいかにちっぽけなことであるがわかったよ。初めさ『偶然を装う殺人』を心掛けてたんだけどさ。もっとでっかいことがしたくなっちゃったんだよね！　くくくく…あははは！！」<br><br>レイプ、それは決してゆるされる事ではない。さらにそれが実の親による犯行となるとなおさらだ。しかしそのレイプした男を見るも無残な方法で殺害するというのは許される行為なのか。竹下は混乱した。今までしてきたプロファイリングが通用しない。何を考えているのか読めない。この子も精神科に入院させるしかないな。<br><br>「さあ、本編はここからだよ！」<br><br>ユウキの話はまだまだ終わらない。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nb228c45f7ac3'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:16:33 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【ニ】</title>
      <description><![CDATA[<p name="0D70948D-E056-4E96-A70E-8681B367451A" id="0D70948D-E056-4E96-A70E-8681B367451A">「青酸カリは白戸にもらったんだ。まあ元々そういう人と仲良くなる為に池袋西口界隈の居酒屋をアルバイト先にしたんだけどね。知り合うのは簡単だったよ。それで、白戸に気に入られようと様々な彼の趣味を調べ上げた。でも特にそれは意味なかったみたい。白戸は自分と私の悪の部分の共通点に興味を持ったんだ。すぐに仲良くなったね。彼の良いところは、小娘だってバカにしないことだね。ちゃんと話を聞いてくれる。さすが若頭って思ったよ」<br>「なぜ組長じゃなくて若頭なんだ？」<br>竹下が問う。<br>「組長じゃ、もうおじいちゃんじゃん。実際に動いてるのは白戸だよ。事実上あの辺りを仕切ってるのは白戸だった。ってこの変のとこはそっちの方が詳しいよね。でさー青酸カリなんだけど。なんか空気に触れた上水に溶けた状態で放置すると毒性が失われるんだって。だから別のなんか白い粉も白戸が混ぜてくれたなー。あ、これももう知ってるか。じゃあ何が知りたい？」<br>「どうしてあんなことをしたのかだ」<br>「どうして…。楽しいからとしか言いようがないなあ。私は別に子供たちには何の恨みもない。でも自分の快楽を得るためには何の躊躇もしない。これって悪いことかなー？」<br>「悪いに決まってるだろう」<br>「じゃあネコを殺すのは悪いこと？中国なんかでは食べてるみたいだけど。あ、三味線にはネコの皮が使われているみたいだね」<br>「それとこれとは話は別だ。ここは日本だぞ」<br>「どこも別じゃないよ。人間が勝手に決めたライン。この動物は殺してよくてこの動物はは殺しちゃダメとかバカらしいよね。もっと言うと人間が人間を殺したらどうしてダメなのかを教えてほしいよ」<br>「話にならないな」<br>「じゃあ聞くの止める？ 止めないよね。次が重要なんだから」<br>「このぉ！」<br>掴みかかろうとする竹下を部下らしき男が止める。アメリカの連続刑事ドラマのような荒々しい捜査の仕方は日本ではしないようだ。「拷問くらい覚悟してたんだけどな」とユウキは思う。<br>「でさ、この段階でミサトと知り合って、白戸から武器を盗んだ。で、次が父親ね」<br>「父親？」<br>竹下が聞き返す。殺したことについてまでは知らなかったようだ。<br>「あ、初耳？じゃあ教えてあげるけど、十人目の殺人は父だったんだ」<br>「なぜそんなことをした。お前が殺すのは無作為に選ばれた不特定多数の人間だったんじゃないのか？」<br>「方向転換だよ。今まではいたずらの領域だった。ここで私は『どうでもいい人間を誰でもいいから殺す』という方針を『殺したい者を殺す』に切り替えたんだ。なぜかって？思い出したからさ。私の人格を、あんたたちが好むようなものからその間逆に変えた事件をね」<br>竹下が聞く<br>「その事件って？」<br>「レイプだよ。私は小さいころ父にレイプされたんだ。実の父にだよ。その思い出には脳が蓋をしていたんだろうね。しばらく忘れてた。でもどんどん明確になってきた。ミサトがレイプされたことを打ち明けててくれたからね」<br>「あの子もレイプされたのか？」<br>「誰にされたと思う？ ホント世界は狭いなと思うんだけど、白戸だよ」<br>竹下は「あー！」と思う。白戸のレイプ癖は知っていた。しかし警視庁の上層部に顔のきく白戸のことを強く咎められる者などいなかった。そして被害者にも暴力団相手に訴訟を起こすような身の程知らずはいなかった。全員が泣き寝入りしてしまうのだ。<br>「私は父にレイプされたことを鮮明に思い出した。だからミサトと一緒に殺した。気持ち良かったよ。一番難い人間をこの手で、最高に苦しめる方法で殺すっていうのは」<br>ユウキは恍惚の表情を浮かべた。<br>この女、本当に楽しんで殺人をしている。竹下はそう認識した。<br></p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n9a06a61587df'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:11:02 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第48話【一】</title>
      <description><![CDATA[<p name="F06151C9-1825-487B-89C1-5F1167047451" id="F06151C9-1825-487B-89C1-5F1167047451">自分は確かにこめかみを撃ち抜いた。ように思った。だがその銃弾は掴みかかられたことで少し軌道がそれ、こめかみの皮を少しえぐっただけで脳には達していないようだった。しくじった。手錠をかけられ抵抗ができなくなる。力の強い男たちに連行される。一番情けなく屈辱のシーン。パトカーに入れられる。暴れてみたがすぐに抑えつけられた。どうにもならない。手錠も肉に食い込むばかりだ。取れるはずがない。絶望的状況。<br>もう二度と快楽を得ることはできない。あとは退屈な生活と、執拗な取り調べが待っているだけだ。<br>意外にもまず連れて行かれたのは刑務所内の医務室だった。あれだけの殺人を犯した人間だというのに、丁寧に傷口を消毒し、包帯を巻いてくれた。白戸に受けた傷も消毒してくれる。まだアッパー状態にあるのだろう。痛みは感じない。<br>そして次に取り調べが待っていた。竹下が言う。<br>「まず初めに行った殺人はいつだ？」<br>新宿以外の殺人もばれているのだろうとユウキは気付いた。<br>答えない。黙秘権というものを使ってみる。<br>どうすればこの状況を打破できる？ ネットで見たが二十歳未満でも無期懲役というものはあるという。死刑にならずとも、必ず自分はそれになる。<br>「もう一度聞こう。まず初めに行った殺人はいつだ？」<br>また押し黙る。こんなことをしていて意味があるのだろうか？ 全てを語ってもそうしなくても結局終身刑となるならいっそ全貌を教えてやった方が楽しいのではないか。ユウキはそう考えた。最高最悪の武勇伝聞かせてやろうじゃないか。<br>「去年の春だよ」<br>ユウキは語り出した。<br>ダムが決壊したかのように。<br>パンドラの箱を開けたように。<br>「マンションの屋上から石を投げてさ。一日三個って決めて日によってマンションも変えてた。目立ったら困るからさ。でも一日三個じゃなかなか思うように人には当たらなかったよ。二十八日目だったなー。合計八十四個目の石を投げた瞬間、いつもとは違う手ごたえを感じたよ。ガツーンってさー。さえないサラリーマンの頭を突き破ったんだよ。気持ちよかったなー。快感っていうかさ。で、警察に捕まるんじゃないかと思ったけど誰も来なくてさー。「動機」ってものがないとこうも足がつかないものなのかと知ってびっくりしたよ。犯人を特定できないんだな。なんだちょろいじゃんって思ったよ」<br>「捕まらないとでも思ったのか？」<br>「思ったよ。事実あんたら捕まえられなかったじゃん」<br>漂々とした表情で言うユウキ。ユウキの独白は尚も続く。<br>「次はピアノ線を使ってみたんだ。どこにでも売ってるピアノ線。これが切れ味いいんだよね。誰も通らない深夜、北赤羽の並木道まで行ったんだ。そこで左右の木に、調度人の首筋の辺りにピンと張ってくくりつけたんだ。まんまと獲物は引っ掛かったよ。金髪でちゃらちゃらした、私が一番嫌いなタイプの男がさー。凄い速さで突っ込んだみたいだね。一撃だったよ。一撃で首の頸動脈が切り裂かれたみたいでさ。白目剥いて死んだよ。これまた簡単だったよね」<br>「悪いとは思わなかったのか」<br>竹下が口を挟む。<br>「悪い？全く思わないよ」<br>「残されたご両親の気持ちを考えたことがあるか？」<br>「その両親が注意して更正させなかったから、あんなにちゃらちゃらした奴に育つんだ。子供がバカってことは親がまずバカなんだ。なんならその親も殺してやりたかったね。でさー、次がわかってると思うんだけどエアガン殺人ね。これは市販のエアガンを強力に改造したものなんだけどさ、結構バカにできないんだ。アルミ缶くらいだったら簡単に貫通するんだ。それは投石よりも遠くから人を狙おうと思って作った。二軒ほど離れた場所からターゲットを打つんだ。どこを狙うかわかる？ 目だよ目。目にＢＢ弾を食らったらどうなる？ そりゃ蹲るよね。少なくともバランスを崩す。ぞくぞくしたよ。実際の銃でもないのにスナイパー気分だった。でもこれまた中々当たってくれないんだ。的が小さいからね。五百発以上撃ったかな。そしたらついに酔っ払いのおっさんの目に当たったんだよね。思った以上の効果があったよ。そのおっさんガードレール越えて真っ逆さまに落ちていってさ。見に行ったら首の骨折れてんの。不様だったよ。あからさまに酔っ払いの持ってる土産みたいなのぶちまけてさー。あっはっはっは！ でさー、人を殺せば殺すほど快感が増してることに気づいたんだよ。もうみんな殺してやったらいいんじゃないかと思うようになってた。男も女も、大人も子供もさー！」<br>「それで青酸カリによるテロを思い付いたと」<br>「当たりー！ よくわかってんじゃん」<br>この女、どうかしている。竹下にはどんどんユウキが大きな化け物に見えてきた。<br>怖い。<br>こんな人間が存在するのか。<br>「どこまで話したっけ？ あ、青酸カリの話ね」<br>ユウキはさらに語り出した。ユウキにとって、ここまでは単なる序章に過ぎなかった。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nabaa701d7f54'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Thu, 10 Sep 2026 00:03:42 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第47話</title>
      <description><![CDATA[<p name="443EA388-5E1D-4B1B-B780-8AC6EE847F3B" id="443EA388-5E1D-4B1B-B780-8AC6EE847F3B">事件の次の日の新聞の見出しはこうだった。<br>「新宿池袋同時テロの犯人は女子高生！」<br>日本中が震撼した。これまで男による大量虐殺事件はいくつかあったが、ここまで大規模なテロを起こしたのがか弱い女子高生だとは。<br>編集マンの村井と新聞社の小原は白戸が大きな事件のコマの一つにすぎないことを知り肩を落としていた。独占スクープは池袋でユウキが公衆の面前で大立ち回りをしたことで立ち消えになってしまった。<br>匿名で書き込む情報サイトでも様々な憶測が飛び交っていた。<br>「犯人は女子高生だってよ」<br>「彼氏に捨てられた腹いせだって絶対」<br>「死者千人いってるらしいぜ」<br>「ブスの日ごろの鬱憤が爆発したんだよ」<br>「ガクガクブルブル」<br>中にはこんなたちの悪い書き込みもあった。<br>「私も今日同じことを博多でしまーす」<br>「大量殺人ブーム到来！」<br>「今一人殺してみた」<br>ユウキを知る人間が新聞では少女Ａとなっているにも関わらず本名をさらして書きこんでもいた。<br>「犯人の本名は西里ユウキだよ」<br>「ユウキは学校に友達いなかったからね。まさかこんなことする奴だったなんて…。関わらなくてよかった」<br>中には親の名前、住所、写真まで公開している者もいた。世間とはそういうものだ。これを目にすることを考えると母涼子はあの時点で殺されていてよかったのかもしれない。もし生きていたら、そういったことが目に入ってしまうどころか、マスコミや野次馬がひっきりなしに家を訪れ、質問と罵声を一気に浴びせられて発狂していたに違いない。<br>全国の学校では臨時の全校集会が開かれ「命がいかに尊いか」というわかりきったことを校長が切々と述べた。しかし生徒たちはそれを聞かず<br>「犯人の本名西里ユウキっていうらしいぜ」<br>とか<br>「最後はマシンガンで野次馬の頭ぶち抜きまくったんだって」<br>などと情報サイトそのままのような会話に花を咲かせていたのだった。<br>「くだらない」<br>ユウキと同じようなイケてないグループに入ってしまっている人間たちは一様にそう思った。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n6b0534ea6151'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 09 Sep 2026 23:57:29 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第46話</title>
      <description><![CDATA[<p name="1FD33718-083B-4353-92D9-A5C744BD2F1C" id="1FD33718-083B-4353-92D9-A5C744BD2F1C">「わかりません」<br>「覚えてません」<br>保護された稔は警察の質問にまともに答えようとはしなかった。まともに答えたらどこかからボロが出て、自分も殺人に加担したことがばれたり、エレクトーン教室のみんなにも迷惑がかかったりすると思ったからだった。<br>「キリないっすね」<br>警察は稔を突然拉致されたことによる一種のショック状態だと判断して、精神科に一時的に入院させることにした。<br>「よほどショックだったんだろうな」<br>「竹下さんだってショックだったんじゃないですか？あそこまで追いつめて自殺しちゃったんですからね」<br>竹下の部下が言う。<br>「まあな。あんなことは俺の刑事人生で初めてだ。結末もそうだがスケールもすごい」<br>あそこまでの惨事に至るまでにユウキを捕まえることができなかった悔しさが表情に滲み出ている。<br>ショックといえば稔もショックだったが、それは少し種類の違うものだった。稔は人質にされたことがショックだった訳ではない。大量虐殺に加担したことがショックだった訳でもない。ユウキが最後あんな形で死を選んだことがショックだったのだ。本当に死んだのかどうかはさておき、ユウキはもっと頭がいい人だと思っていた。入って来た警察も全員煙に巻いて何処かに消えてしまうくらいできるのではと考えていた。正直春人を殺した時罪悪感から涙は流したが、なんだか気持ちいい、快楽ともいえる感情があるような気がしていた。白戸との戦い、仲間の子供殺し、警察との戦いを見ている間に、怖くはあるが憧れのような気持ちを抱くようになっていた。この人のように、邪魔なものは全てスマートに抹殺するような人間になりたい。次第にそう思うようになっていた。仮面ライダーは見るなと言われた子供のように、ヒーローを失った稔の心にはぽっかりと穴が空いてしまったようだった。あんなヒーローもう二度と現れないだろう。<br>ならば。<br>ならば自分がヒーローになるしかない。<br>「ほんとに何も思い出せないの？」<br>「…うん」<br>嘘だった。本当は全部覚えている。しかしここは嘘を貫き通すべきだと思った。ヒーローになる為の始めの試練として。<br>「じゃあ精神科に入院になっちゃうけど、いいね？」<br>「わかりました」<br>部下が精神科に入院する為の手続きをはじめた。<br>「あの子何か隠してやがるな」<br>竹下はそんな独り言を言った。見抜いていた。稔の眼の動き、呼吸の乱れ、鼓動の早さなどを観察して。絶対に嘘を言っていると。しかしまだ何も起こしていない子供に強く出ることはできないのだった。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n18ad755964a0'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/295388002/profile_c9d86f43cf2c23b7594eb4c99d0d5b9d.png?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 09 Sep 2026 23:53:45 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第45話</title>
      <description><![CDATA[<p name="D7C6C147-2018-45FA-BD9A-1C903EB0C08D" id="D7C6C147-2018-45FA-BD9A-1C903EB0C08D">「そこにいることはわかっているんだ。外に出て話をしないか？」<br>竹下が言う。ユウキはこう返す。<br>「こっちには人質がいるんだ。殺されてもいいのか？」<br>「そうか…じゃあこのままでもいい話をさせてくれ」<br>一歩引く竹下。<br>「やだね」<br>ユウキはリビングに移動し、カーテンを開けて外を見てみた。そこにはとんでもない光景が広がっていた。五十人はいるであろう機動隊が盾を持って立っていたのだった。その周りには野次馬たちが押し寄せている。<br>「何？ 何があったの？」<br>「こりゃハンパねー数だな。テロ起こした一味がいたりして」<br>中には図星を言い当ててている者もいた。<br>ユウキは興奮してきた。そうだ。これだ。これで最後にするべきだ。派手で、強敵で。最高じゃないか。天下の警察が、ここまで勢力を傾けて自分を取り囲んでいる。この後どうなっても自分は歴史的犯罪者となる。最大の悪として語り継がれることとなる。いつの間にかユウキはそんな風に考えるようになっていた。逃げ回ったりしていたのは怖いからじゃなかった。これ以上殺人という快楽を得ることができなくなるのが嫌だったからだ。何もない、友達もいなかったユウキに与えられた歴史的殺人犯という名称。それ自体が彼女のアイデンティティになっていた。初めは偶然を装うことで罪をかぶることから逃げていた。そしてそれは同時に犯人としての特定を難しくさせる効果もあった。でも今は違う。偶然を装う必要なんてない。捕まっても殺されても関係ない。ただ一つ初めから最後まで一貫していることは、殺す相手を特定しないということだ。<br>窓の外を見る。ざっと二百人はいるだろう。殺せる相手が。<br>「あはははははははははは！」<br>ユウキは笑い出した。<br>稔を抱き寄せ拳銃べレッタをこめかみにあてる。それ以外にもグロックという拳銃も持っている。どちらも三十八口径の自動拳銃である。これらもマシンガンと同じくメガネとスキンヘッドの懐からくすねたものだ。<br>「ユウキ君、君は完全に包囲されている」<br>ベタな刑事ドラマのようなことを言う警察。<br>「バーカ！ こいつが死んでもいいのか？」<br>引き金に手をかけるユウキ。<br>「やめ、やめなさい！」<br>動揺する警察。<br>「ここに見に来た人たちに注ぐ！ 後悔したらいいよ」<br>ユウキは拳銃を野次馬に向けて放った。<br>「ドーン！ ドーン！ ドーン！」<br>この銃にはサイレンサーは付いていないようだ。大きな炸裂音が辺りに鳴り響く。<br>二人の野次馬が倒れる。<br>「やめなさい！ 自分が何をやってるのかわかっているのか？」<br>「知っててやってるに決まってんだろ！」<br>「ドーン！」<br>また一人人間が倒れる。<br>「やめなさい！ 一般の方々はなんの関係もないだろう！」<br>「なんの関係もない？ そんな奴らが偉そうにしてるからこっちは迷惑してんだよー！」<br>「ドーン！ ドーン！」<br>悲鳴。痛いという叫び。心地よい。<br>「親もバカなら子もバカだ。バカな大人に育てられた子供はやはりバカ。そのバカさ加減にはイライラするんだよ！」<br>「ドーン！ ドーン！」<br>混乱する人々。逃げようとするが道が狭くて身動きがとれないでいる。<br>「ぎゃはははははは！ バカにバカじゃない自分がバカ扱いされた気持ちが分かるか！」<br>「ドーン！ ドーン！」<br>血がいたるところで噴き出している。阿鼻叫喚。恐怖に怯え震える人々。<br>ユウキは拳銃を二丁構えた。<br>「父親にレイプされて怒りの矛先をどこに向けていいかわからなかった者の気持ちが分かるか！」<br>「ドーン！ ドーン！ ドーン！ ドーン！」<br>さらに死体は増える。ユウキはすでに拳銃の使い方に慣れていた。警察は話しても無駄とわかったのか突入の準備に入る。こそこそと壁にロープを張って登ってくる特殊部隊らしき者がいた・<br>「人を殺すことだけが快楽って人間もいるんだよー！」<br>「ドーン！　カキーン！　ドーン！ ドーン！」<br>登ってくる男に集中砲火。一発は特殊プラスチックらしきものに弾き返されたが、残りの玉は命中した。落下していく男。<br>その時、別のバーンという拳銃の音がした。胸を撃たれた。体勢を崩すユウキ。しかし、すぐに体勢を立て直す。<br>「防弾チョッキって衝撃自体はあるんだな。今のはちょっと痛かったぞ！」<br>ユウキはいつの間にかメガネの着こんでいた防弾チョッキを着ていたのだった。<br>弾のなくなった銃を捨て、今度はマシンガンを構える。<br>「さあ」<br>ユウキの快楽が絶頂を迎えようとしている。<br>「全員」<br>静寂。<br>嵐の前の静けさ。<br>そして<br>「死ねええええぇぇ！」<br>「ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーン！ ドーン！ ドーン！ ドーン！ ドーン！　ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーン」<br>マシンガンと拳銃の残っている弾全てをベランダから見える人間たちに撃ち込む。<br>銀色の盾を構えた機動隊以外の人間が次々と死んでいく。<br>鎖骨が折れる。<br>心臓が貫かれる。<br>肺に穴が開く。<br>頭蓋骨が砕ける。<br>脊椎を損傷する。<br>肉が、骨が、臓器が、脳が、瞬時に破壊される。<br>機動隊が玄関のドアを蹴破り突入する。<br>煙幕弾が投げ込まれる。<br>機動隊が銃をユウキに向け発射する。<br>足に当たる。<br>「痛っ！」<br>と言って床に転がるユウキ。<br>立ちこめる煙幕。<br>稔を確保する。<br>縄をほどく。<br>ユウキにしがみつく竹下。<br>しかし煙の中ユウキは次の瞬間、残り一発の弾を自分の頭めがけて撃ち込んだ。<br>「ドーン！」<br>弾はどうなった？<br>竹下が見渡す。<br>だがその弾のありかを見つけることはできなかったのであった。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n60f2eaebbcc7'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 09 Sep 2026 13:52:07 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第44話</title>
      <description><![CDATA[<p name="A440AAF6-A0BA-481F-98BB-9EDFD15CDA49" id="A440AAF6-A0BA-481F-98BB-9EDFD15CDA49">編集マンの村井は大スクープをものにしたと思い心躍らせていた。日本史上最大のテロの真犯人を現在自分だけが知っている。まさかナンパ目的で渡した名刺がこんな形で役に立つとは。ばら撒いておくもんだなあ。などと考えていた。もしかしたらあの子は警察にも言っているかもしれない。どうするか。とりあえず誰よりも先に発表することに意味がある。まずはこの情報を高値で新聞社に売ろう。そう考えた。新聞社の友人に電話をする。<br>「ビッグニュースです！ 今日の新宿でのテロ、真犯人がわかりました。知りたいですか？」<br>「ええ？ ホントに？」<br>新聞社の小原が驚く。<br>「本当です。まず事実確認の為新宿の居酒屋に行ってください。すごいことになってますよ」<br>「そこに行けば何かわかるんだな？」<br>「わかるも何も、一目瞭然です。事実確認の方が終わったら、それ相応のギャランティを支払ってもらえますか？」<br>「もちろんだ。もし真犯人が特定できたら一面差し替えだもんな」<br>「俺達が誰よりも先んじましょうよ。では」<br>そうやって電話を切り、村井は自分の記事を書き始めた。もちろんタイトルは「連続テロの影に指定暴力団が！」というものにした。<br><br>同じころ警察の竹下の元にはそれとは違う情報が入っていた。電話の主は新宿のキオスクで働く倉本という女性だった。彼女からは前にもユウキのスチール缶殺人についての情報をもらっていた。一人の男性がいる時に限ってスチール缶を転がすと。<br>一度様子を見に言った。プロファイリング能力の高い自分だから見抜けたのだろうが、どうも様子がおかしかった。何か嘘をついているなと思った。そして昨日ユウキの家に行くと庭に首のない死体が転がっていた。そんな情報をリークしてくれた女性から、今度はさらにとんでもない言葉が出た<br>「例の女の子なんですがね、さっきちょうど私が帰る時に駅前で見かけたんですよ。妙にテンションが高いようでした。それでなんだか気になってそーっとつけて行ったんですよ。そしたらですね新宿東口の居酒屋のビルに入りまして…こっから先はご自分の目で確かめてみてはいかがですか？ 四階にある個室居酒屋です」<br>倉本からの電話はそこで切れた。すぐに指定された場所に向かう。<br>エレベーターに乗る。<br>四階のボタンを押す。<br>扉が開く。<br>竹下は自分の目を疑った。<br>そこは真っ赤に染まっていた。<br>そして無数の死体が転がっていた。<br>「なんだこりゃ…」<br>竹下は凍りついてしばらく動けなかった。足元を見ると無数の包丁とドス、拳銃三丁が落ちており、見たことのある二人の大男とメガネの男が倒れていた。大男のうち一人はよく知っている男だった。指定暴力団若頭の白戸だ。<br><br>そこに新聞社の小原が入って来た。同じく絶句し動けなくなる小原。<br>「マスコミの方ですか？」<br>竹下が聞く。<br>「あ、はい…暴力団ってこの人たちですよね。死んじゃってるじゃないですか」<br>「今から現場検証に入ります。すみませんが出て行っていただけますか？」<br>小原は訳が分からないまま店から出されてしまった。<br>村井の言っていた暴力団の人間は死んでいる。<br>一体誰が？</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nda63c5df102f'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 09 Sep 2026 13:48:59 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第43話</title>
      <description><![CDATA[<p name="027FAE84-07FF-4363-9A06-AEE56A7F386A" id="027FAE84-07FF-4363-9A06-AEE56A7F386A">ほとぼりが冷めるまでユウキはミサトのうちにいることにした。家に稔を連れて帰るわけにはいかなかったからだ。<br>ミサトの両親はあっけないほど簡単に殺すことができた。二人が入って来た音を聞いてリビングにいるユウキはマシンガンを構える。玄関で殺すことも考えたが、ドアを閉めるまでに撃って、マシンガンの音が外に響くことは良くないと考え直した。何も知らずリビングに足を踏み入れる二人。ドアの陰に隠れていたユウキのマシンガンが火を吹く。<br>「ドドドドドン！」<br>頭から背中にかけて撃ち抜く。崩れ落ちる二人。簡単だった。簡単すぎた。これをゲームの最終章とするにはあまりにあっけなかった。<br><br>稔を縛り付けテレビを付けた。どのチャンネルも新宿で起きた連続テロの番組に差し替えられていた。<br>「脱線には高級腕時計が使われていたということです」<br>とアナウンサーが言う。思ったより分析が速い。<br>「なお子供たちが駅近くのビルから大きな石を投げており、これによっても三十人以上の死傷者が出ているところです」<br>とも言っている。三十人以上か。そう思うと自分の部屋の壁に「正」の字を書き足して行きたくなったが、脱線事故の死傷者まで入れたらきりがないと思いそれは断念した。<br>「警察は今全力で犯人を追っているということです」<br>まだ判っていないのか。それとも慎重に行こうとしているのか。指定暴力団が、とも少女たちによる、とも言っていない。番組は同じ内容を繰り返し始めた。飽きたな。ユウキはそう思った。<br>これからどうしよう。どこに行こう。することがないのでユウキはこれからのプランを考え始めた。叫んだり逃げようとしたりしたら即射殺すると釘を刺して、稔を人質にしてまた人殺しをしに行こうか。それとも稔を含む子供たちの各家族をここに呼んで次々と射殺していこうか。ユウキのこうした思いは最早病的、いや、精神疾患のレベルに達していた。どうやって殺そう。何で殺したら最も快感を得ることができるか。<br>「ピンポーン」<br>そんなことを考えているとインターホンが鳴った。誰だろうか。ミサトの両親は殺した。じゃあ宅急便か何かだろうか。とりあえず居留守を決め込もうと思った。がこんどはドンドンドンと扉が叩かれる。かなり乱暴な音である。ユウキはそーっとドアのレンズから外を見てみた。見たことがある顔。誰だろう…。そうだ、この前うちにやってきた刑事だ。ユウキは思い出した。ユウキはつまらない時間に刺激を与えてくれる人物を歓迎した。<br>「そう来なくっちゃ」</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n0fe6b61781f5'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Wed, 09 Sep 2026 00:05:50 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第42話</title>
      <description><![CDATA[<p name="88817B64-CE5E-4715-ABEF-E0F56F0754D6" id="88817B64-CE5E-4715-ABEF-E0F56F0754D6">「もうみんな帰っていいよ。解散」<br><br>アルバイト先でみんなの顔や手を洗わせた後、そう言ってユウキはみんなを帰らせた。ちりぢりになって帰っていく子供たち。ミサトだけがユウキを待って帰ろうとはしなかった。<br><br>「ほんと今日は楽しいっていうか嬉しかった。ありがとう」<br><br>ミサトはそう言った。一番殺したかった相手をついに殺したんだ。最高の喜びだろう。ユウキ自身も嬉しかった。しかしこれでゲームが終わりになってしまうことには寂しいという感情もあった。<br><br>「ミサトんちの方がうちより近いし寄ってシャワー浴びてもいい？」<br><br>ユウキがそう言うと、<br><br>「血まみれだもんね。いいよ」<br><br>ミサトは快諾してくれた。ユウキは血の海となったアルバイト先を出る時白戸が持っていたマシンガンを鞄に詰め込んだ。<br><br>「早く出よう。他のお客さんが来てしまう」<br><br>足早にエレベーターに乗り込んだ。一階に着く。さっきよりは気持ち程度人の数は減っているようだ。少し歩くと見覚えのあるベンツが目に入った。フロントガラスが割れている。白戸のだ。ユウキはすぐに気付いた。<br><br>「ちょっと待ってて」<br><br>まだ武器が入っているかもしれないと思い、ユウキは割れたフロントガラスの部分から体を滑り込ませた。特に何もない。あ…。ユウキの目に黒いビニール袋を発見した。早速開けてみる。そこには母涼子の頭が入っていた。<br><br>「わあああ！」<br><br>ユウキは発狂した。自分が唯一心を許す人間、父の虐待に耐えてまで育ててくれた人間が殺されていたのだ。怒り、悲しみ、いろいろな普段出さない感情があふれ出た。<br><br>復讐したい。<br><br>そう思ったが、その復讐すべき相手は先ほど自分たちの手で殺したのだ。死んでなおショックを与える白戸。ユウキは正気に戻った。殺したからいいじゃないか。もし殺す前にこれを見せられていたら怒りで冷静な判断ができなかっただろう。だからいい。それにこの事件でいくら裏工作をしたところで何のお咎めもなしということにはならなかっただろう。<br><br>遅かれ早かれ母との別れは待っていたのだ。<br><br>ユウキは何食わぬ顔でミサトの元へ戻った。<br><br>「何も武器はなかったよ」<br><br>そう言った瞬間ユウキの頭にとんでも無いプランが思い浮かんだ。そしてミサトに聞いた。<br><br>「今日のメンバーって携帯持ってるかな？」<br><br>「持ってると思うよ。みんな過保護に育てられてるし。最近の子供は持ってない子の方が少ないと思うよ」<br><br>「じゃあみんなにミサトの家に集まるよう言ってくれるかな？」<br><br>「うん、わかった」<br><br>帰り道、電車がないので歩いて池袋まで帰ることにした。途中血に染まったシャツをまじまじと見てくるものがいたが、すでにニュースでも新宿で大惨事が起きたことは報道されているんだろう。何か話しかけてくる者はいなかった。<br><br>ミサトが電話している<br><br>「大事な話言い忘れてたから、今からうちに来てもらえるかなー？ あ、そうか、みんな歩いて帰ってるんだもんね。じゃあ先に帰って待ってるからゆっくり来て。あ、先に自分ちに帰っちゃだめだよ」<br><br>まさか全員殺されるとは思わないだろう。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nb17bb240f70c'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 08 Sep 2026 20:50:34 +0900</pubDate>
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    </item>
    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第41話</title>
      <description><![CDATA[<p name="EF153A51-AF84-48C7-9689-726248834D53" id="EF153A51-AF84-48C7-9689-726248834D53">稔は悩んでいた。うちに帰って今日のことを話すかどうか。稔はすでにわかっていた。今日行われていたゲームは純粋なゲームなどではない。殺人鬼が殺し合う、違う意味でのゲームだということを。<br><br>死んだふりをしているんじゃない。本当に死んでいるんだ。大男に一斉に襲い掛かり、倒したシーンを、気を取り戻した瞬間目にした時は本当に感動した。みんなでやり遂げたという感慨深いものもあった。しかし、実際に起こっていたことは、確実に殺人だった。悪い人間を殺すのはいい。ただひっかかるのは自分が春人を殺してしまったということだ。人殺しになってしまった自分が怖い。しかも知っている人間を殺した。これはお母さんにいうべきか。よくわからないが言ったら警察に連れていかれるかもしれない。みさお姉ちゃんには悪いが彼女が初めに言っていた、<br><br>「全部お芝居だから」<br><br>というのは最早信用できない。お芝居なんかじゃないことは春人を撃った直後に気付いた。<br><br><br>言うべきか言わないべきか…。そうだ、みんなに相談してみよう。<br><br>そんなことを考えている時みさお姉ちゃんから携帯電話に着信があった。<br><br>「ちょっとお話したいことがあるんだけど来てくれない？」<br><br><br>池袋のみさお姉ちゃんの家には、エレクトーン教室の生徒で今回の事件にかかわった春人意外の人間が所狭しと集まっていた。<br><br>シャワーを浴び、服を着替えたのか真っ赤ないでたちではなくなっている。みさお姉ちゃんが語り始めた。<br><br>「あのさ、もう大体わかってると思うんだけど、さっきのあの新宿でやったこと、ただのゲームじゃなかったんだよね。ほんとの人殺し。でもさ、みんなはゲームだと思ってやってたわけだから罪悪感なんて感じなくていいと思うんだ。バカな大人たちを殺しただけだしさ。あ、罪悪感っていうのは人を殺して悪いなと思う気持ちってことね。それよりなにより、あのゲームは全部私が考えたものだったの。電車を脱線させて、みんなをそこに注目させて、投石チームとドスチームと拳銃チームに沢山殺させて。そうやってあの最後のおっきい人をおびき寄せたの。あの人はそれぐらいしないと出てきてくれないから」<br><br>そこまで言ってみさお姉ちゃんはぽろぽろと泣き始めた。<br><br>「でね。あのおっきい人はねみさお姉ちゃんが一番殺したい人だったんだ。昔あの人に急に無理矢理Ｈなことをされてさ。お姉ちゃんそれ以来人を信じたりすることができなくなっちゃったんだ。あと…」<br><br>涙が次から次へとあふれ出る。折れた鼻が痛いとかそういうことじゃない。みんなそれを理解してみさお姉ちゃんの話の続きを待った。<br><br>「信じたくても信じられなくなっちゃったの。あと、人が死んだりしても何とも思わなくなっちゃった。おじいちゃんとかが死んでも涙もでなくてさ。頭が変になっちゃったんだ。だからあのおっきい人を、白戸を心の底から憎んだ。絶対にあの男だけはこの手で殺してやる。そう決めたんだ。でも一人であんな強い男を相手するわけにはいかない。それに居場所はわかってても正面から暴力団の事務所になんて入れるわけないじゃない。だからユウキに、だからみんなに協力してもらった。そして叶った。みんなのおかげで私は一番殺したいって思う奴を殺すことができたの。ほんと感謝してる。ありがとうみんな。ありがとう。ありがとう」<br><br>そう言ってみさお姉ちゃんは一人一人に頭を下げ始めた。みんな真剣な顔でみさお姉ちゃんを見ている。<br><br>するとみさお姉ちゃんの表情が変わった。口をきっと結び、何かを決意したというような目になった。<br><br>「みさおねえちゃんはさ、もう一番やりたいことをやり終えたの。だからもう何の悔いもない。みんなこれから家に帰って、みさお姉ちゃんがやれって言ったってこと、お母さんたちにばらしても構わないよ。全部私が自分のためにやらせたことだから。ユウキもみんなも、騙したのは私。私のせいだってお母さんたちに言っ…」<br><br>みさお姉ちゃんがそこまで言った時、突然ドドドン！ という音が響いた。<br><br>みさお姉ちゃんが頭、腕、お腹の三か所から血を噴き出させてドサッと倒れる。<br><br>「そんなことしたらバレちゃうだろ」<br><br>ユウキがさっきの大男が持っていたマシンガンを構えている。<br><br>「人なんて一生信じなくていいんだよ」<br><br>「ドドドン！」<br><br>二人倒れる。<br><br>なんて奴だ。あんなに仲良かったみさお姉ちゃんを何の躊躇も無く撃つだなんて。<br><br>「ドドドドン！」<br><br>三人倒れる。<br><br>「証拠は全て抹消しなきゃな」<br><br>「ドドドドドン！」<br><br>四人倒れる。<br><br>「ちょっとさっきは感傷的になったけど、やっぱ私は殺戮マシーンが性に合ってる」<br><br>「ドドドドドドン！」<br><br>稔を残す全ての人間が倒れた。<br><br>「ドドドドドドドドドドドン！」<br><br>既に意識のない者を再度撃ち抜くユウキ。<br><br>完全にみんな死んだだろう。<br><br>稔はその狂暴性に恐怖し一歩も動くことができなかった。<br><br>「ここってピアノオッケーの完全防音壁だったよな」<br><br>「え？」<br><br>稔は自分に言われているとは思わなかった。というより次の瞬間殺されるとばかり思っていた。<br><br>「お前はいざという時のための人質だ」<br><br>ユウキはいつの間に用意したのかロープで稔の腕をしばり上げた。<br><br>「ミサトのご両親を殺して、多分全て完了だ」</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n2fcb3cdd871f'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 08 Sep 2026 16:14:41 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第40話</title>
      <description><![CDATA[<p name="0A43B8BF-3BA5-4A8B-8981-94446EA22CEA" id="0A43B8BF-3BA5-4A8B-8981-94446EA22CEA">ユウキはどこかに電話を掛けていた。<br><br>その前ユウキからみんなに指示があった。置き石チーム、投石チームは速やかに家に帰ること。店内にいる者は手分けして包丁、ドス、果物ナイフ、拳銃の指紋を拭き取ること。<br><br>ミサトと子供たちは血でびしょびしょになりながらも武器の取っ手についた指紋を拭き取り始めた。拭き取り終わるとユウキは言った。<br><br>「こいつらに全部の武器持たせて」<br><br>死体となった暴力団幹部たちに全ての武器の取っ手を握らせた。もちろん指紋をつけさせる為だろう。ユウキはこの店での大量虐殺を暴力団のせいにしようとしているのだ。ミサトは驚いた。今日の件は隠しようがないと思っていたからだ。ユウキはこれだけのことをして、まだ警察から逃れようとしているのだ。<br><br>普通は、虐殺から一時間も経った今頃なら警察が駆け付けていて、すでに逮捕されているだろう。だが、今日は三社同時脱線テロの電話が殺到していて、一軒の飲み屋での殺人のことなどは二の次になっているのではなかろうか。できるかもしれない。ミサトはそう思った。事実窓から見える雑踏の中にいる警察官は、交通整理でいっぱいいっぱいのようだった。雑踏の中には投石チームに頭を貫かれた死体、拳銃チームに頭を打たれが多数転がっており、救急隊員たちもどうしていいかわかず戸惑ってように見える。カモフラージュだ。外で起きてることは中で起きてることのカモフラージュだったのだ。<br><br>ミサトはユウキの頭のよさに震えた。ユウキは電話をしている。何を誰と喋っているのか。それが気になった。<br><br><br>ユウキは池袋の飲み屋でアルバイト中にナンパされた出版社の男に電話していた。<br><br>「大変です。今新宿の居酒屋でアルバイトをしてるんですが、暴力団らしき人たちが入って来て無茶苦茶に人殺しを始めたんです。私はどうにか逃げたんですが、まだ人がいます。すぐ来て下さい。あ、もう一つ聞いて頂きたいことがあるんです。あの人たちが人を殺している時、脱線について話したことがあるんです。なんでも時計とか金属を踏み切りに敷いたとも言ってたんです」<br><br>同じような内容の電話を、警察にも捜査四課を指定して言う。警察はやはり新宿で混乱しているのか嘘のたれ込みが多いのか、適当な対応だったがとりあえず伝えた。自らマスコミと警察に白戸の仕業だと行って伝える。リスクは高いが効果的かもしれない。ということ自分は犯人の第一発者となる。<br><br>これは相当上手く立ち回らねばな。とユウキは思った。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n79fe69d96df5'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/295388002/profile_c9d86f43cf2c23b7594eb4c99d0d5b9d.png?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 08 Sep 2026 14:59:00 +0900</pubDate>
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    </item>
    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第39話</title>
      <description><![CDATA[<p name="D0027411-08E2-4A01-ACDB-C44BBA117133" id="D0027411-08E2-4A01-ACDB-C44BBA117133">さすがの白戸も冷や汗を垂らし始めた。ゆっくりと起き上がる。動きが緩慢になっている。腕も脚も切られて、急所にも大ダメージを受けた。それでも起き上がってくるあたり、さすがラスボスという他ない。そして手に持ったマシンガンを打とうと構えようとした時、ユウキの掛け声が響いた。<br>「一気にいくぞ！ かかれ！」<br>ユウキ、ミサトと三人の子供が一斉に襲いかかる。<br>ユウキの包丁は心臓を貫いた。<br>ミサトの包丁は頭蓋骨を粉砕した。<br>三人の子供たちのドスと果物ナイフは後ろから延髄、肺、腎臓をえぐった。<br>白戸の動きが完全に停止した。<br>ドシャーンと音を立てて崩れ落ちる。<br>それをさらにユウキは包丁で滅多刺しにする。<br>二度と。<br>二度と、起き上がって来ないように。<br>沈黙。<br>外では今もなお怒号が飛び交っていたが、ユウキたちの耳には入って来なかった。<br>静寂。<br>勝った。<br>そう。勝ったのだ。自分たちはこのゲームにおける強力なラスボスを倒したのだ。<br>ユウキとミサトがハイタッチをする。その手を子供たちもジャンプして叩いて来る。<br>「勝ったぞ！」<br>ユウキが言った。<br>「みんなで宿敵を倒したんだね。やった！ みんなもありがとね」<br>ミサトも喜んだ。そしてユウキと子供たちに頭を下げた。<br><br>楽しい。ではない。嬉しいという新しい感覚。<br>一人でやってやった。ではない。みんなで協力し、仕留めたという感覚。<br>ユウキは今までこういった嬉しいという感覚を味わったことがなかった。友達もおらず、仲間の存在を認識したことはなかった。今日始めて得たのだ。歳は違えど、同じ目的を協力して達成した同志を。<br>「仲間がいるって、悪くないな」<br>ユウキは照れるようにそう言った。<br><br>ミサトも同じことを感じていた。自分の為ではないにしろ、最終目標であった白戸を、みんなで力を合わせ倒してくれた。最強最悪の、自分のトラウマとなった男を。<br>嬉しかった。頭を本気で下げたことなど今までなかったが、体が自然と動いた。そして涙が出てきた。ミサトは再度<br>「ありがとう。ありがとう。ありがとう」<br>と泣きながら頭を下げた。<br><br>子供たちは正確な状況を飲み込めないでいたが、すごいことを達成したという満足感でいっぱいだった。みさお姉ちゃんが慕うユウキの嬉しそうな表情、みさお姉ちゃんの満足感から来ているであろう涙を見てそう思った。<br>「俺達、すごいことしたんだな」<br>稔が起き上がって来てそう言った。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nd7c0592f04db'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 08 Sep 2026 14:55:18 +0900</pubDate>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第38話</title>
      <description><![CDATA[<p name="D007E301-3088-4E7F-B591-6025086FA6FB" id="D007E301-3088-4E7F-B591-6025086FA6FB">状況は一変した。白戸の周りには子供とはいえ武器を持つ子供が六人。内、銃を持っている子供が二人、ドスを持っている子供が四人。いくら白戸が屈強な大男だったとしてもユウキとミサトを加えた八人を同時に相手することはできないだろう。<br>「一気に形勢逆転されちゃったねー」<br>そう言いながらもまだ余裕の表情を見せる白戸。暴力団の若頭なのだ。これくらいの修羅場はいくつもくぐりぬけて来たのだろう。<br>時は来た。ミサトは思った。そして、<br>「ちょっとここでもゲームやっててさ、このおじさんがラスボスってことになってるんだ」<br>血まみれの顔でそう言った。<br>稔の説得で小夜もこれは「ただのゲームなんかじゃない」と感づいていた。だが、それならばなお、ゲームでもなくみさお姉ちゃんの顔をこんな風にした相手のことを許すことができなかった。いつもはじけるような笑顔で遊んでくれるみさお姉ちゃん。エレクトーンが上手くなったら褒めてくれるみさお姉ちゃん。そのみさお姉ちゃんが今、鼻を折られ血まみれにされている。（実際半分は返り血なのだが）そして、そうした張本人がここにいる。<br>「お姉ちゃんさ、ラスボスやっつけたいんだ。だからみんな武器構えて見ててくれるかな？」<br>拳銃を構える稔を先頭に、ドスチームもドスをしっかりと持って構えた。ここにいるのはエレクトーン教室の中でも年長組である。状況を彼らなりに半分くらいは飲みこんだのであろう。<br>「とりあえず見てて」<br>ミサトは包丁を手に取りじりじりと白戸に近づく。<br>包丁を振り下ろす。<br>「ガッ！」<br>ブロックした白戸の腕の骨に当たる音。右腕から血がしたたる。すかさず今度は横からのスイング。今度は脚でブロックされた。しかしその足の肉は切り裂かれ、骨が見えている。<br>さらに流血。ブロックしているとはいえ効いてないはずはない。もう一撃を食らわそうとした瞬間、白戸のアッパーカットがミサトのアゴを捉えた。<br>宙に浮くほどの力。ミサトは気を失いそうになる。<br>それを見てヤバいと感じたミチルがドスで後ろから突く。首筋を狙おうとしたが、なんせ相手は大男。しかたなく背中に刃を突きたてる形となった。<br>「ガシィン！」<br>金属の接触するような音。防弾チョッキでも着ているのか血は出ない。白戸はくるりと体を反転させ裏拳を放つ。こめかみを貫かれる。二メートルほど吹っ飛び、壁に叩きつけられるミチル。意識が無くなったようだ。<br>「お前さんさー、覚えてるぜ」<br>腕と足から血を流しつつも「こんなことへっちゃらだ」と言わんばかりににやにやしながらミサトに言う。<br>「俺お前をレイプしたよなー。あの時は気持ちよかった」<br>ミサトの頭に当時の光景が鮮明に思い出される。<br>嫌だ！<br>嫌だ！<br>思い出したくない。<br>しかしそう思えば思うほどミサトの心にはその思い出がダイジェストで繰り返される。ミサトは我を忘れた。<br>「殺してやる！ 殺してやるー！」<br>そう言ってミサトは立ちあがり、ブンブンと包丁を振り回しながら白戸に近づいて行く。<br>白戸の前蹴りがまたもミサトの顔面を襲う。<br>「攻撃が荒いぜ」<br>白戸はミサトを蹴り飛ばした直後、今度は突然、稔の顔面に右ストレートを叩き込んだ。吹っ飛び悶絶する稔。続いて白戸は間髪入れず小夜の顔面の眉間にケンカキックを叩き込む。<br>「飛び道具持ってるやつは先に始末しておかないとな」<br>稔はその場で倒れこむ。小夜はエレベーターのドアに頭を強打して、一撃で気を失った。これで仲間はドスチームの三人だけになった。しかもその三人は白戸の攻撃力を目にして立ちすくんでいる。まずい。これはまずい。ミサトは圧倒的力の差に驚愕していた。<br>「手加減してやってるんだけどなー。絶対的窮地に立たされているのはお前らの方なんだぜ」<br>そう言って。白戸はスーツの中からマシンガンのような物を取り出した。<br>「！」<br>「早く攻撃してこないとこれで一網打尽だぞ」<br>だめだ…。自分にはもう切りつける力は残っていない。そしてあれはどう見てもマシンガン。打ちながら一回転するだけでみんな死んでしまう。このパーティーは全滅だ。<br>悔しい。<br>悔しい。<br>「そうだ。もう一回、今度は子供たちの前でレイプしてやろうか」<br>ミサトの髪を掴んで片手でアルバイト先の服を引きちぎる白戸。<br>エプロンとブラジャーごと一気に。<br>一発で上半身が丸裸になる。<br>次に白戸はスカートの中に手を突っ込み、パンツをむしり取った。<br>どうすることもできないミサト。<br>悔しい。<br>ここまで追い込んで。<br>悔しい。<br>自分を信頼する子供の前でレイプされるなんて。<br>「お前ら動いたら殺すからな」<br>冷酷な目で子供たちを見る。<br>後ずさりする子供たち。<br>「さて」<br>白戸がマシンガン片手にチャックを降ろした時、高速で回転する包丁がその部分に直撃した。<br>「ぐあああ！」<br>白戸のモノが血だらけになる。<br>ミサトは背後を見た。<br>そこには何本も包丁を持ったユウキが立っていた。そして<br>「ラスボスは手強いもんだよ」<br>とニヤリとして言った。<br></p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nd374bd1d5ecd'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 08 Sep 2026 14:53:51 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第37話</title>
      <description><![CDATA[<p name="DA6F8AF7-5829-4FF2-A728-EAAF0EB3BEC4" id="DA6F8AF7-5829-4FF2-A728-EAAF0EB3BEC4">ミサトは思い出した。<br>こいつだ。<br>こいつが私をレイプしたんだ。<br>こいつのおかげで私の性格はねじ曲がってしまったんだ。<br>殺してやる。<br>何があっても、どんな形でもいいから殺してやる。<br>鼻が折れてもなお、ミサトは戦意を喪失してはいなかった。大男二人と小柄ではあるが武術を何かやっていたであろうメガネの男。武器を持っても敵わないことはわかっていた。考えるんだ。どうやってこいつらを始末するかを。ミサトは大人しくなったふりをして、隙を虎視眈々と窺っていた。<br>同じようなことをユウキは考えていた。ただ少しミサトよりは冷静でいた。合理的に、どうやったら力では敵わない相手を倒すことができるか。その一点に意識を集中させた。<br>白戸が携帯電話を取り出し、どこかにかけ始めた。<br>「あー、おもしろい情報が手に入ったんだ」<br>情報？自分たちがこの大量虐殺の主犯であることを誰かに売ろうとしているのか。暴力団にそんなことをされるとは夢にも思わなかったが、いつかそのようなことになることは覚悟していた。さっき殺した客がすでに警察に電話しているかもしれなかったし、ここまで大ごとをしでかしておいて捕まらないなんてことはないだろうと感じていた。<br>「バキィ！」<br>こちらが回復しだしたと思ったのか、メガネの男に回し蹴りを叩き込まれた。<br>地面が近づいてくる。昔格闘技好きに聞いたのだが本当に急所を打ち抜かれたら、自分が倒れるというより床の方が倒れてくるように見えると言う。さらに髪を掴まれひざ蹴りをみぞおちに食らう。息ができない。しかし脳内でアドレナリンが出ているのか痛みは感じなかった。<br>ミサトも顔面に強打を食らっている。可愛い顔が歯も折れて鼻も曲がり台無しだ。<br>なにか打つ手はないか。考えたがこの如何ともし難い状況を打破する策は思いつかない。<br>エレベーターのドアが開いた。<br>驚いた。<br>居酒屋しか入っていないビルのエレベーターに、複数の子供だけが乗っていた。<br>先頭には稔がいた。<br>稔がメガネの男の頭を撃ち抜いた。<br>ミチルと彩加が同時にスキンヘッドの頸動脈を切り裂いた。<br>何のセリフを吐くこともなくメガネの男はバッタリと倒れた。<br>「このガキ…」<br>スキンヘッドのその後の言葉は聞き取れなかった。<br>子供たちは血が一面に飛び散った店の壁、無数の死体の山を見て驚いたようだったが、取り乱しはしなかった。<br>そして稔はこう言った。<br>「すごく、おもしろいゲームだったよ」</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/nbfd32c902f58'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 08 Sep 2026 14:51:07 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第36話【六】</title>
      <description><![CDATA[<p name="5C31C8B0-A6C8-41BD-869E-904FB4B7EAAE" id="5C31C8B0-A6C8-41BD-869E-904FB4B7EAAE">ユウキの家を捜すのは容易かった。例の居酒屋のオールバックの店長に言うとすぐに履歴書を出してくれ、住所から何から全てわかった。ただ、今現在のアルバイト先だけがわからなかった。どこで何をしている？家の前で部下に張り込ませたが、ここ数日父親が出ていった気配がない。ユウキの父には電話もしてみたが通じないどころか返信もない。<br>殺したな。<br>白戸は気付いた。事務所にある武器を全て持って行ったのだ。かなりのことをしでかそうとしているに違いない。そのかなりのこととはいかほどのものか。そこに興味があって、あの日眠ってしまったふりをしてわざとユウキに盗ませてやったのだ。そして泳がせた。なぜなら白戸は警察幹部と繋がりがあったからだ。史上最悪の殺人犯の情報を売ることで、警察とのパイプを強固なものとし、盗まれた物以上の大金を得る。それをさらにマスコミにもいち早く流す。人々が混沌の最中にいる時、誰よりも早くそこに陥れた凶悪犯の情報を売るのだ。真犯人を明かしてあげるのだ。これで事務所もより大きくなるだろう。<br>そこまで考えて白戸は大量殺人が可能な物をことごとく盗ませてやった。<br>「上手く使ってくれよ」<br>白戸は期待していた。ユウキがうまく青酸カリによるテロをやってのけた時、こいつは才能があると見抜いた。そして、うまく泳がせればさらに大物になると目星をつけた。ただ何をやるかまでは想像が付かなかった。だから張り込みを続けさせた。すると土曜日、ユウキとその母は奇妙な行動をしだした。何やら石のような物を川辺に集めに行ったのだ。これは近々何かをするに違いない。明日か？ 明後日か？ ユウキが何をしでかすか。これには損得勘定抜きで興味があった。近頃のキレる若者、その中でも知恵のあるやつが何をするかということには純粋に期待していた。自分のような年齢の人間には想像もつかないことをするのではなかろうか。白戸はにやにやして待っていた。<br>日曜日の昼、ユウキと母は大量の石のような物を乗用車に詰め込み始めた。部下が言うにかなりの量だそうだ。尾行をさせた結果、家と新宿を三往復もしたという。そこでユウキは車を降り部下は見失ってしまったそうだ。今日何かあるな。白戸はそう思った。そして運び終えて家に残ったというユウキの母に会いに行くことにした。<br>「ピンポーン」<br>インターホンを鳴らす。<br>「あ、白戸さんじゃないですか」<br>覚えていたか。まあ何度かお邪魔したし、自分のような大男を忘れるはずはない。<br>「どうかされました？」<br>白々しく聞いてくる母の顔は明らかに動揺していた。<br>「いやー、近くを通ったんでちょっと来てみたんですよ」<br>そう言うやいなや、白戸はユウキの母の右目を潰した。<br>「痛っ！」<br>蹲る母。即座に後ろに回り込み首筋にドスを当てる。<br>「ユウキはどこに行った？」<br>突然片目を潰され、狼狽する母。<br>「正確な場所を教えろ」<br>すでにドスはユウキの母の首にめり込み血がしたたり始めている。母はすぐに観念した。そしてユウキの新しいアルバイト先の住所を口にした。何をするかまでは聞かされていないらしい。<br>「悪いねえ」<br>そう言って白戸はドスを拳銃に持ち替えユウキの母の後頭部を貫いた。そして今度は側近のスキンヘッドを呼び、のこぎりのような物で首から上を切り取らせたのであった。<br><br>白戸は新宿にフルスモークのベンツで移動することにした。<br>「何が起きるか楽しみだな」<br>そう言うと、メガネの男が<br>「そうですね」<br>と頷く。運転するスキンヘッドもゆっくりと頷いている。四時三十五分、新宿に付いたその時だった。<br>「ドゴゴゴゴ！ ガッシャアア！」<br>爆音が鳴り響いた。<br>二回、三回と別の方向で同じような大きな音がする。<br>「何が起こってる？」<br>これには側近の二人も何とも答えられないらしく窓を開けきょろきょろと辺りを見渡した。<br>「脱線だ！ 脱線事故だ！」<br>「テロだ！ テロが起こっているぞ！」<br>それを聞いて白戸は爆笑した。<br>「あはははは！ 同時脱線テロだってよ！ あいつやりやがった！ 本物だ！」<br>しばらく様子を見る。野次馬たちが新宿駅に向かい始め、結果ベンツの回りは人だらけになった。<br>するとである。<br>「ゴッ！」<br>ベンツのボンネットに何かが降ってきた。<br>「なんだ？ 石？」<br>ゴツッ！ ゴツッ！ と、次々に車に当たる石。<br>「若頭、当たったらヤバいですよ」<br>しばらく車の中にいた方がよさそうだと白戸は思った。<br>無数の石が降り注ぐ。<br>「ガシャア！」<br>そしてついに石は車のフロントガラスを叩き割ったのであった。<br>「こういうことか。で、子供を使いやがったのか」<br>ビルの上を見て白戸は瞬時に理解したのだった。<br>「じっとしてる方が危険じゃねえか？ とりあえず屋根がある所に隠れるぞ」<br>白戸は側近を伴い、車を出て身を隠した。<br><br>落石に注意してユウキのアルバイト先を目指す。そこでまた白戸は奇妙な光景を目にした。<br>落石を受けてもいない大人が、一人、また一人と倒れ出したのだ。<br>目を凝らす。<br>するとそこには銃を持った子供が立っていた。<br>見覚えがある銃。それはまさにユウキが盗んでいった物だった。そう使ったか。そう感心した時、さらに奇妙なことが起こった。<br>その子供が前のめりに倒れたのだ。<br>倒れた子供を抱きかかえ何か叫んでいる別の子供。<br>「子供をゲームとか言って騙したんだな」<br>勘のいい白戸はまたすぐに理解したのだった。<br>「かなりスケールでかいことかましてくるねぇ」<br><br>そして、白戸は目的地にたどり着いた。<br>エレベーターに乗り込む。メガネが四階ボタンを押す。<br>ドアが開いた。<br>そこは真っ赤に染まった店だった。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/ne49c0815d093'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/295388002/profile_c9d86f43cf2c23b7594eb4c99d0d5b9d.png?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 08 Sep 2026 14:05:53 +0900</pubDate>
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    <item>
      <title>連載小説【愉快犯A】第36話【五】</title>
      <description><![CDATA[<p name="E474B884-04B0-4A58-B6BD-97A0B092295B" id="E474B884-04B0-4A58-B6BD-97A0B092295B">子供たちが何かおかしいと感じ始めた頃、救急車や消防車のサイレン、そして殺されていく人間の絶叫が絶頂に達した頃、ユウキのメインイベントは幕を開けた。店内でまず大柄の男たちが血を吐いて倒れる。取り乱す同じテーブルの者。しかしほとんどの人間はハルシオンにより挙動がおかしくなったりうつらうつらしたりしている。最早この店内には正常な思考が出来る者はいなくなっていた。<br>ユウキとミサトは包丁を手に持った。<br>「最高の快楽を得る最高のゲーム、スタート！」<br>「スタート！」<br>眠りそうになり目が半開きの男の首頸動脈を、真っ向から斬り裂くユウキ。<br>天井まで噴き出す鮮血。<br>返り血で真っ赤に染まるユウキ。<br>まだ意識があったのかふらふらしながらユウキに掴みかかろうとする男。<br>その男を後ろから突き刺すミサト。<br>切り裂く。<br>血しぶき。<br>また切り裂く。<br>またあがる血しぶき。<br>繰り返す。<br>人を、真っ向から、殺す。<br>殺す。<br>殺しまくる。<br>これ以上ない興奮。<br>気持ちいい。<br>快楽。<br>濡れる。<br>絶頂。<br>逃げも隠れもせず、正面から。<br>抵抗しようとする者、だが力の入らない体。<br>細身の女性二人に翻弄される。<br>何人殺したろう。ユウキは最早数を数えていなかった。<br>これは子供の思っているようなゲームではない。<br>しかし、ユウキとミサトにとっては最高のゲームだった。<br>今までこそこそやってきた殺人。それはそれでスリルはあった。だが、ユウキの父を殺す時、二人は気付いてしまった。<br>生身の人間を直接殺した方が快感が得られるということに。<br>まだまだ店内に人はいる。<br>個室状になっている為纏まって襲いかかってくることはない。テーブルごとに、時計回りに殺していく。切った際人間の油で包丁の切れ味が悪くなる。それは歴史の授業中先生が刀について語っている時に聞いたから知っていた。ここにはキッチンがある。キッチンには代えの包丁が何本もある。大小様々な包丁を使ってみる。<br>小さい包丁で素早く人間の首筋を掻っ切る。<br>大きい包丁を振りかぶって脳天を突き刺す。<br>殺す。<br>殺す。<br>また殺す。<br>二人は躁状態になっていた。<br>高ぶりまくった感情。<br>「こんなに楽しいことができたんだ。今死んでもいい」<br>そう考えていた。<br>中にはお酒が飲めないらしくジョッキに口を付けていない者もいた。しかし二人がかりで前後から、何の躊躇もなく襲いかかって来られてはどうしようもなかった。<br>絶叫をあげ助けを求める者もいた。しかし店内のざわめきと外の喧騒にかき消された。<br>ユウキとミサトはこの空間を支配していた。<br>さらに人間を切り裂く。<br>切り裂く。<br>切り裂く。<br>止めに入った者を切り裂く。<br>眠りについた者を切り裂く。<br>よそ見している者を切り裂く。<br>ヒステリックに叫ぶ女を切り裂く。<br>格好良く女をかばう男を切り裂く。<br>新たに入って来た客をエレベーターが開いた瞬間に切り裂く。<br>店内は誇張ではなく血の海になった。こんなに人間には血が流れていたんだと感心するほどに足元がズブズブになっていた。<br>二人は血が付いてない部分を探す方が難しいくらいに真っ赤に染まっていた。そして二人はお互いを見て笑った。<br>「あっはっはっは！」<br>「きゃはははは！」<br>「ミサト、もうメイクもへったくれもないな」<br>「ユウキだって」<br>「あははは、あは！苦しい！」<br>「きゃははは！ 私も楽しすぎて苦しい！」<br>「やりきったなー」<br>「殺しきっちゃったねー」<br>「私たち確実に死刑だな」<br>「そうだね。速効死刑確定」<br>またエレベーターが止まる。<br>「お、また来たよ」<br>ミサトが気付く。<br>「瞬殺するか」<br>ユウキが身構える。<br>エレベーターのドアが開く。<br>包丁を振りおろすユウキ。<br>メガネの男に腕を掴まれた。こうされることをあらかじめ知っていたかのように。すかさず切りつけるミサト。しかしその隣にいたスキンヘッドの男に蹴り飛ばされた。<br>「げほっげほっ！」<br>呼吸ができなくなる。メガネの男がユウキの腕をねじり上げ、そのまま床に頭を叩きつける。脳震盪を起こすユウキ。<br>なんだこのメガネ。強すぎる。<br>ミサトの髪を掴み顔面にストレートを叩きこむスキンヘッド。吹き飛びテーブルにぶち当たるミサト。鼻が折れ、血が噴き出す。頭の中が真っ白になる。<br>メガネとスキンヘッドの後ろから見たことのある大男が姿を現した。<br>「おー、おー。お前さん、派手にやったもんだねえ」<br>白戸だった。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/ne8e875ccacf1'>続きをみる</a>]]></description>
      <note:creatorImage>https://assets.st-note.com/production/uploads/images/295388002/profile_c9d86f43cf2c23b7594eb4c99d0d5b9d.png?fit=bounds&amp;format=jpeg&amp;quality=85&amp;width=330</note:creatorImage>
      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 08 Sep 2026 13:51:48 +0900</pubDate>
      <link>https://note.com/kaijikaiji/n/ne8e875ccacf1</link>
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      <title>連載小説【愉快犯A】第36話【四】</title>
      <description><![CDATA[<p name="CC69AA62-E71E-4C7D-AB98-E4AD5C5F0D56" id="CC69AA62-E71E-4C7D-AB98-E4AD5C5F0D56">即死。<br>また即死。<br>駅の様子を歌舞伎町から遠巻きに見ていた男は目の前で起こっていることが信じられなかった。<br>子供が本物の銃を持って至近距離から人の頭を打ち抜いている。<br>はじめはエアガンかモデルガンだと思った。こんな大事件の中のんきなもんだとも思った。しかしそれは間違いだった。狂った子供が実弾の入った銃の引き金を何のためらいもなく引いている。<br>しかしそれに気付いたのはまだ自分だけである。他の人間は皆そんな子供には目もくれず駅に向かって<br>「同時に脱線だって」<br>等と言いながら向かっていく。そういう相手に子供は銃を打つ。<br>その銃はサイレンサーでも付いているのか、その特有の発射音がしない。だから誰も気付かない。さっきからパトカー、救急車、消防車のサイレンがけたたましく響いている。それもあるのだろう。<br>しかし十代にも満たない子供がリアルに銃を所持しているだなんて…。止めようと思ったがそんなことをして自分が打ち殺されたらと思うとできなかった。<br>一体あの子は何発持っているんだ。<br>子供が弾をカートリッジに詰め替えるのを見て男は恐ろしくなってきた。暴力団でもそこまでの数は持ち歩かないだろう。なぜこんな小さ…<br>「バシュン！」<br>そんなことを考え一人の小さな子供の動きを追っていると別の子に頭を打ち抜かれた。突然にして、男の思考は断たれた。<br><br>こんなに楽しいゲームは初めてだ。ほんとに撃たれた人が死んだように見える。リアルで爽快感があってスケールが大きくて。電車が脱線したというのもこのゲームの一環なんだろう。そんなことを九歳の春人は考えていた。そして三人の拳銃チームの中で一番になるには、弾を一発も無駄にできないな。とも考えていた。三十二発の内一発でも外したら負けだ。そうならない為にも確実に至近距離から頭を打ち抜かなければならない。<br>同じく九歳の小夜は一発、また一発と打っているうちにだんだん恐ろしくなってきた。これは本当に死んでいるんじゃないかと。撃たれた人間から血が吹き出る。それが自分にかかる。怖い。しかし、本物の銃というものは撃った時もっと激しい音がするに違いない。だからこれはやはりゲームなんだ。と、思い直した。みさお姉ちゃんも言っていた。<br>「リアルに見えるけど全部ゲームだからね」<br>と。みさお姉ちゃんが嘘をつくはずがない。そう信じていた。そしてみさお姉ちゃんに褒めてもらうためには一番にならなきゃいけない。自分の心を騙し騙し小夜は銃を打ち続けるのだった。<br>これまた同じく九歳の稔は普段からオンラインで銃撃戦をするゲームに、兄と共にハマっていた。それよりスリルのあるゲームは存在しないと思っていた。しかし、ここに存在した。一体このゲームの出資者はいくらかけているんだろう。子供ながらにそう思った。オンラインゲームで銃を打つのには慣れている。しかしここまでの衝撃が腕にくるとは予想していなかった。<br>「その辺の奴とはくぐってきた修羅場の数が違うのさ」<br>精いっぱいの難しい言葉を使ってみた。自信はあった。小夜は論外。春人にだけは負けたくない。そうライバル視していた。春人とは学校で同じクラスだった。そして五十メートル走や、腕相撲なんかでいつも負けていた。だから今回こそは見返してやろうと思った。春人の動きを目で追う。着実に点数を稼いでいるようだ。負けられない。そう思い負けじと引き金を引きまくる。ばたばたと人間が倒れていく。<br>ふと思った。<br>殺す側に銃を撃ったらどうなるのかと。<br>走り回る春人に近づく。<br>まさか自分を狙っている人間がいるとは知らず、防御の面では完全に無防備の状態の春人。<br>春人が少し疲れたのか足を止める。<br>稔が音もなく近づく。<br>小さく響く銃音。<br>春人は膝をつき、ばったりと前のめりに倒れた。<br>なぜ？<br>春人は戸惑った。<br>そんなルールはなかったはずだ。<br>他の倒れている人は役者か何かだろう。<br>なぜ春人が倒れるのだ。<br>芝居をしているのか？<br>「おい、何してんだ！」<br>稔が春人を抱き起こす。<br>その目に光はなかった。<br>「春人！ 春人！」<br>いくら揺さぶっても叩いても春人は動かない。<br>何より呼吸をしていない。<br>子供でもわかった。<br>死んでいると。<br><br>新宿駅は全て封鎖され、皆立ち往生となった。そしてユウキの読み通り、どこにも行くことができない人々は客となり、次々と店に入ってくるのだった。<br>「四名様ですね。ご案内いたします。あ、お座敷になりますんで靴はお脱ぎ下さい」<br>ユウキが新人らしからぬ口調で客を案内する。<br>ミサトがファーストドリンクの注文を取る。<br>「ビールがジョッキで三杯とカシスオレンジですね」<br>あっという間に店内は客でいっぱいになった。大慌てで二人は酒を注ぐ。そのジョッキやグラスにはあらかじめ手分けして睡眠薬ハルシオンの粉末が入っていた。中には青酸カリ入りの物もある。それはユウキの提案でガタイが良く強そうな男性に出すことになっていた。眠らせようとしたことがばれて襲いかかられたら堪らない。その危険がある人間にはさっさと死んでもらうことにした。<br>さすがに二人で満員の店を回すのは至難の技だった。どう考えても追いつかない。しかし客たちはファーストドリンクが中々来ないことよりも脱線事故のことや、外で行われている虐殺に神経が行っているようだった。<br>「ありえなくない？ まじテロだよテロ」<br>興奮を隠しきれない者。<br>「こんなこと初めて。怖いよ。まさか戦争とかじゃないよね？」<br>怯える者。<br>「あれ？ なんか石みないなのがいっぱい降って来てない？ あれ！ 当たってる！ 人に当たってるよ！」<br>目ざとく虐殺を見抜きパニックに陥る者。<br>「ここも爆破されたりして」<br>おちゃらけるが洒落になってない者。<br>ユウキはミサトに言った。<br>「爆破はされないけどみんな死ぬよ」<br>と。</p><br/><a href='https://note.com/kaijikaiji/n/n2d714cd32afb'>続きをみる</a>]]></description>
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      <note:creatorName>快児</note:creatorName>
      <pubDate>Tue, 08 Sep 2026 13:48:01 +0900</pubDate>
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