
解き(土)の章∞第119話|もう、”飲めない”んです。
2025年11月4日。
なぜだか、
うつ伏せ
だった
クマちゃん。
嫌な予感。
やはり
的中。
夜遅く
妹さんからLINE。
父が
娘の面会に行ったらしく、
その際に
担当医から
余命宣告されたとのこと。
そこから
「姉ちゃんの余命は3日だと言われた。
風志さんは知っていたのか――」
と、追及。
さらに細かくお聞きすると……
父が姉ちゃんの見舞いに行った。
意識がほぼない。
気になって担当医に直談判。
予約ない面会は
通常は難しい。
も、
真山先生(仮名)
時間を設けてくれたようで。
その場で
切り出したのが――
イベルメクチン。
陰謀論界隈で
よく名前を見た薬。
世間では賛否分断。
僕も
興味津々だった。
里緒に話すと
いつも怒られていた
――この薬。
現代医療では
かなり触れにくい話題だ。
でも。
お父様も
何処かで知ったようで。
そこへ
斬り込んだ。
そこで、ついに。
「現実は厳しいですよ」
という意味合いも込めて
「里緒さんの余命は3日間です」
こう
お父様に告げたらしい。
が、
何かの間違いだろう。
第一連絡先は
僕だ。
余命の話など
聞いていない。
まあ、
「根治はない」
そこまでは
言われていたものの。
風志は
捻くれている;
「治らない」
と
「すぐ死ぬ」
は、別の話。
そんな風に
どこかで
思っていた。
とにもかくにも
直接の余命日数
聞いてはいない。
しかし。
お父様は
突然
病院へ来た。
予約なしの面会。
そのまま
先生へ直談判。
しかも――
イベルメクチン。
先生も
思わず
言ってしまったのかも。
そのくらいに
考えていた。
ところが。
やはり甘くはなかった。
フラペチーノを飲み終わった頃。
先生は病室にやってきて
「里緒さん。
フラペチーノ
飲みたかったもんね。
どうだい。
飲めてよかったねぇ」
里緒は
フラペチーノ飲み終わると
急に静かに
落ちた。
意識も
やや、ぼうーっと。
この問いに
反応はなかった。
先生も笑顔だけ返す。
その帰り際。
(真山先生)
「風志さん
少しよろしいでしょうか?」
風志、呼ばれる。
面談室へ、移動。
ここで。
「前日、お父様も
来られたのでお伝えしたのですが…」
間。
ひと呼吸。
もう
ひと呼吸。
「余命は、3日です」
「下手をすれば、
今日にも、明日にも、
何かあってもおかしくない
可能性もあります」
ついに。
避けに
避けていた
史上最大の
負の言霊。
告げられて
しまった。
ブルん、ブルんー
病院
駐車場。
エンジン始動。
北海道
11月はもう冬。
暖気運転。
ヒーター入れる。
強度を
4段階のうちの
3にする。
ボォオオオー
ボォオオオー。
いいね
いいよー
勢い
あるある。
温まるまで
待機。
ここで、ふと。
お父様は
あの後、
半分意識のない
里緒に
イベルメクチン
渡したらしい。
でも、ですね。
そもそも論として
彼女はね。
もう、
もう。
「ごくっと」
できないんです。
飲み込むこと
そのものが
できない。
――
「もう、
”飲めない”んです。
お父さん――」
――
ヒーター
強度。
2に弱める。
さらに数分後、
1に弱める。
ボォオオオー
ボォオー
ボー。
音は、沈む。
男も、沈む。
陽が沈む。
霊へ沈む。


生きていられて
この先があると思えるだけで
本当に幸せです――
by こばと。花戸 小鳩
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