「人のケツの後ろを歩くな!」高校時代監督から言われた本当の意味とは|全力の残像
「人のケツの後ろを歩くな!」
高校時代、監督から何度も言われた言葉です。
乱暴な言葉ですが、今でも妙に記憶に残っています。
言われた時の私は、「人の真似をするな」「自分から動け」
というくらいの意味にしか考えていませんでした。
でも、社会人になって仕事をするようになってからでも、
この言葉を思い出すことがあります。
特に、自分より詳しい人と一緒に仕事をするときです。
「あのとき監督が言っていたのは、こういうことだったのか」
今になって、もう少し分かるようになりました。
80人のチームで、なぜ怒られたのか
私が所属していた野球部は、80人ほどの部員がいました。
練習前の準備やグラウンド整備も、全員で行います。
ある日の練習準備で、私はチームメイトがやっていることを見て、
「じゃあ、自分もこれをやろう」と同じ準備をしようとしました。
でも、そのときの私は、「今、自分がやるべきことは何なのか」
を考えていませんでした。
チームメイトがやっている。
だから、自分もやる。
ただ、それだけです。
それを見た監督が激怒しました。
「人のケツの後ろを歩くな!」

今になって考えると、怒られた理由はよく分かります。
80人もいるチームで、みんなが誰かの後ろについて
同じことをしていたら、必要な準備が抜けてしまいます。
何より、自分で考えていません。
「誰かがやっているから自分もやる」のではなく、
「今、チームに何が必要なのか」
「自分は何をするべきなのか」を真剣に考える。
監督が言いたかったのは、
そういうことだったのだと思います。
その言葉は、チームの共通語になった
「人のケツの後ろを歩くな」という言葉は、
監督から言われるだけではありませんでした。
毎日のように言われていたので、いつの間にか
チームの中にも浸透していきました。
誰かが人の後ろについて動いていると、
「人のケツをついていってるぞ!」
と、仲間から言われる。
それくらい、チームの共通語になっていました。
そして、練習準備だけではありません。
部日誌でも、同じことを言われたことがあります。
部日誌にも「人のケツ」がついていた
あるとき、チームメイトから教えてもらったことを部日誌に書きました。
教えてもらった内容を書いただけで、自分自身がどう考えたのかは、
ほとんど書いていませんでした。
すると、チームメイトから言われました。
「それは自分で考えてない。人のケツをついていってるぞ」
言われてみれば、その通りでした。
誰かから教えてもらったことを書いただけで、
そこに自分の考えがありませんでした。

練習準備では行動を誰かに合わせ、部日誌では考えまで
誰かに合わせていた。
当時はそこまで考えていませんでしたが、今振り返ると、どちらも同じことだったのだと思います。
社会人になって、あの言葉を思い出した
社会人になり、ITシステムの仕事をするようになりました。
仕事では、自分より経験、知識、スキルのある人と一緒に
作業することがあります。
以前、自分より詳しい人と2人で、サーバの内部データを
確認する作業をしたことがありました。
先輩にとってとても久しぶりの作業で、過去の記憶を頼りに
IDやパスワードを入力しながら進めていました。
私は、その場にいました。
でも、どこかで「先輩のほうが詳しいから大丈夫だろう」
と考えていたのだと思います。

そして、操作するサーバ自体を間違えていることに気づかないまま、
結果として、事故を発生させてしまいました。
そのとき、自分自身の事前準備や確認が足りなかったと反省しました。
先輩に経験やスキルがあったとしても、その作業自体が
久しぶりなら、リスクはあります。
「詳しい人がいるから大丈夫」
ではありません。
自分自身も、その作業について事前に入念に調べておく。
久しぶりの作業なら、有識者に前回の作業からの変更点や
最新の注意点を確認する。
操作する対象が本当に合っているのか、自分でも真剣に確認する。
もし自分が理解できていないのであれば、一度作業を止めて確認する。
場合によっては、別の日に作業する方針にする。
それを自分がやるべきでした。
そこで、ふと高校時代の言葉を思い出しました。
「人のケツの後ろを歩くな」
「詳しい人がいる」と「自分が考えなくていい」は違う
この経験をしてから、仕事に対する考え方が変わりました。
自分より詳しい人がいる。
経験豊富な先輩がいる。
マニュアルもある。
だからといって、自分が考えなくていいわけではありません。
もちろん、先輩に教えてもらうことは必要です。
決められた手順を守ることも大切です。
分からないことを確認することも当然必要です。
でも、そのうえで一度、自分の頭で考える。
「この作業は何のためなのか」
「自分が見落としていることはないか」
「理解出来ていない部分はないか」
「このまま進めて本当に大丈夫なのか」
そこまで考えて、必要なら確認する。
それが、自分の仕事として向き合うということなのだと思います。
「言われたことをやる」だけでは、自分の仕事にならない
新入社員の頃は、
「上司や先輩に言われたことをやればいい」
と思ってしまいそうになることがあります。
私自身も、そうなりかけたことがあります。
でも、そこで高校時代の言葉が頭をよぎりました。
「人のケツの後ろを歩くな」
もちろん、新入社員が勝手な判断をしていいわけではありません。
分からないことは聞く。
指示されたことはきちんとやる。
手順があるなら守る。
そのうえで、自分でも確認する。
「言われたからやる」で終わらせず、「自分はどう考えるか」
「何を理解出来ていないか」を一度通す。
それだけでも、仕事への向き合い方は変わると思います。
人の後ろについていくことが悪いわけではない
今でも、人から学ぶことは大切だと思っています。
経験のある人のやり方を真似することも必要です。
特に仕事を覚える段階では、まず教えてもらった
通りにやることもあります。
だから、「人のケツの後ろを歩くな」というのは、
「人の言うことを聞くな」という意味ではないと思います。
むしろ、
人についていくときでも、自分の頭まで預けてはいけない。
ということなのではないでしょうか。
誰かに教えてもらう。
誰かに助けてもらう。
誰かに任せる。
それ自体は悪いことではありません。
ただ、その仕事に自分も関わっているのであれば、
自分の頭で考え、自分の目で確認する。
「任せる」と「丸投げする」は違う。
「教えてもらう」と「考えることをやめる」も違う。
高校時代の私は、そんなことまで考えていませんでした。
あの頃は分からなかった
練習準備でチームメイトと同じことをした。
部日誌で、チームメイトから教えてもらったことを書いた。
社会人になって、詳しい先輩がいるからと任せてしまった。
振り返ってみると、全部に共通しているものがあります。
自分の頭で考える前に、誰かの後ろについていっていたことです。
高校時代、監督がどこまで先のことを考えて「人のケツの後ろを歩くな」と言っていたのかは分かりません。
当時は、ただ怒られていると思っていました。
でも、社会人になった今は、この言葉の意味が少し違って聞こえます。
「人の後ろについていくな」ということではない。
「自分の頭まで、人の後ろについていかせるな」。
それが、今の私がこの言葉から受け取っている教えです。
高校時代には分からなかった。
でも、社会人になってから、その意味を何度も思い出すようになりました。
あなたにも、学生時代には意味が分からなかったけれど、社会人になってから「あの言葉、こういうことだったのか」と思った教えはありますか?
▼「全力の残像」シリーズ
高校野球での経験を振り返りながら、仕事やキャリアについて考えています。
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高校野球での経験と、IT技術者としての経験を、誰かの仕事や人生を
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