メインコンテンツへスキップ
見出し画像

1-19.AI OfficeからAI映画生成へ、Kunlun Tech / Skywork / 昆仑万维を読む

    Kunlun Tech「Skywork / SkyReels」――AI OfficeからAI映画生成へ

    中国生成AI 2026 完全版 第19回

    シリーズ: 中国生成AI 2026 完全版
    副題: LLM・画像生成・動画生成・AI Agentで見る“中国AI企業TOP20+番外編”
    第19回: Kunlun Tech / Skywork / 昆仑万维
    評価軸: AI部門の有名度 / 資本力 / 技術力 / 収益度 / AI部門価値
    注記: 本記事は2026年6月12日時点で再確認した公開情報、Kunlun Tech公式サイト、Skywork公式サイト、SkyReels公式サイト / GitHub、Kunlun Tech決算情報、PR Newswire、36Kr、MarketScreener、arXiv、GitHub / Hugging Faceなどをもとにした分析記事です。Kunlun Tech(昆仑万维、300418.SZ)は深圳証券取引所上場企業であり、売上・損益・海外比率などは公開決算情報をもとに整理します。一方、Skywork / SkyReels / Mureka / Melodio / Linkyなど個別AI製品の利用者数、収益、モデル性能、ベンチマーク順位については、会社発表・公式サイト・報道・OSS情報を分けて扱います。「世界初」「SOTA」「GAIA 1位」などの表現は、会社発表または報道表現として扱い、外部統一基準で確定した優劣とは書かないようにしています。


    この記事でわかること

    この記事では、中国生成AI企業TOP20シリーズの第19回として、Kunlun Tech / Skywork / 昆仑万维を5軸で評価します。

    • なぜ第19回でKunlun Tech / Skyworkを取り上げるのか

    • Kunlun Techはゲーム会社から、なぜAI企業へ変わろうとしているのか

    • Skywork Super Agentsとは何か

    • Skyworkはなぜ「AI Office Agent」と呼ばれるのか

    • SkyReelsとは何か――AI短劇・AI映画生成の狙い

    • SkyReels V1 / V2 / V3、SkyReels-A1 / A2、SkyCaptionerの意味

    • API、MCP、Agent、CLI、Skillsはあるのか

    • 2025年売上約81.98億元、純損失約15.93億元をどう見るべきか

    • Mureka、Melodio、Linky、DramaWave、Operaまで含めたAI事業の全体像

    • Kunlun Techの弱点とリスク

    • 日本企業がKunlun Techから学ぶべきこと

    ポイントは一つです。

    Kunlun Techは、AI Office、AI動画、AI音楽、AIソーシャル、AI短劇を横断し、“作るAI”をグローバルに展開しようとしている会社です。

    Alibabaは商業をAI化する。
    ByteDanceは映像と注意力をAI化する。
    TencentはWeChat帝国をAI化する。
    Huaweiは国家AIインフラを作る。
    Baiduは検索・クラウド・RobotaxiをAI化する。
    Ant Groupは決済・金融・医療接点をAI化する。
    Xiaomiは端末・家・車をAI化する。
    iFlytekは声・教育・医療をAI化する。
    SenseTimeは目・画像・映像・空間理解をAI化する。
    StepFunは高速Agent実行基盤をAI化する。
    MANUSは「やっておいて」をAI化する。
    Meituは美とビジュアル制作をAI化する。
    Shengshu / Viduは参照で制御するAI動画制作をAI化する。

    では、Kunlun Tech / Skyworkは何をAI化するのか。

    答えは、仕事と物語制作の両方です。

    Skyworkは、文書、スライド、表、Webページ、ポッドキャストを生成するAI Office Agentである。
    SkyReelsは、AI短劇・AI映画制作を狙う動画生成基盤である。

    この二つを同時に持つところに、Kunlun Techの特徴がある。


    目次

    はじめに――Viduの次に、なぜKunlun Tech / Skyworkなのか

    まず結論――Kunlun Techは「AI Office」と「AI映画生成」を同時に狙う

    第1章 5軸評価で見るKunlun Tech / Skyworkの全体像

    第2章 Kunlun Tech製品エコシステムの全体像――Skywork、SkyReels、Mureka、Melodio、Linky、DramaWave、Operaまで

    第3章 API・MCP・Agent・CLI・Skillsはあるのか

    第4章 Kunlun Techが保有・関連するAI関連事業一覧

    第5章 Skyworkとは何か――AI Office Agentの本命候補

    第6章 SkyReelsとは何か――AI短劇・AI映画制作への挑戦

    第7章 SkyReels V1 / V2 / V3 / V4の進化――Human-centric Videoから音画一体生成へ

    第8章 Mureka / Melodio / Linky――AI音楽・AIソーシャル・AIコンテンツ消費の布陣

    第9章 Operaと海外展開――なぜKunlunは海外比率が高いのか

    第10章 2025年決算で見るKunlun Tech――売上成長と赤字投資の同時進行

    第11章 Skyworkモデル群とOSS戦略――Skywork-R1V、Reward、SWE、UniPicまで

    第12章 競合と優位性――MANUS、Skywork、Vidu、Kling、Canva、Microsoft Officeの間でどこを取るか

    第13章 Kunlun Techの弱点とリスク――赤字、競争、著作権、モデルコスト、プロダクト乱立

    第14章 日本企業がKunlun Tech / Skyworkから学ぶべきこと

    結論――Kunlun Techは、中国AIの「仕事と物語制作OS」を狙う

    次回予告――AIsphere / PixVerseへ


    はじめに――Viduの次に、なぜKunlun Tech / Skyworkなのか

    第18回では、Shengshu / Viduを取り上げた。

    Viduは、AI動画を「一発生成」から「Reference-to-Videoで制御する制作ワークフロー」へ変えようとしている企業だった。動画生成AIの価値は、単に美しいクリップを出すことではなく、キャラクター、動作、スタイル、音声、カメラ、編集を制御し、制作現場へ入ることにある。

    では、その次にKunlun Tech / Skyworkを置く意味は何か。

    Kunlun Techは、Viduと同じくAI動画を持つ。
    しかし、それだけではない。

    Skywork。
    SkyReels。
    Mureka。
    Melodio。
    Linky。
    DramaWave。
    Opera。
    AI Game。
    AI Social。
    AI Music。
    AI Office。
    AI Video。

    これらを一つのグループで持っている。

    Kunlun Techを一言で言えば、AIアプリを多方面に展開する上場AIコンテンツ企業である。

    会社の素性も押さえておきたい。Kunlun Tech(昆仑万維)は、2008年に周亜輝(Zhou Yahui)氏が創業したゲーム会社を起点とし、2015年に深圳証券取引所(創業板)に上場した。周氏は、ゲーム、ソーシャル、ライブ配信、ブラウザ(Opera買収)など次々と事業を広げ、中国で「風口の捕手(トレンドを捕まえる男)」と呼ばれた人物である。現在は、董事長兼CEOの方漢(Fang Han)氏が経営を率い、2023年に「All in AGI&AIGC」を宣言して以降、会社全体をAI企業へ転換させている。方氏は「将来、全世界で10億人の創作者がAIモデルを使い、70億人のためにコンテンツを作る」と語っており、この「創作の民主化」がKunlunのAI戦略の軸になっている。

    「昆仑万維もSkyworkも聞いたことがない」という読者も多いはずだ。だが、接点は意外なところにある。世界数億人が使うOperaブラウザは、2016年にKunlun主導の中国連合が買収し、現在もKunlunが主要株主である(Opera自体はNASDAQ上場)。東南アジア・中東で人気のカラオケアプリStarMakerも、急成長中の短劇アプリDramaWaveもKunlunの製品だ。さらに業界史的には、米国のマッチングアプリGrindrを買収した後、2020年に米CFIUS(対米外国投資委員会)から国家安全保障を理由に売却を強制された当事者でもある――第16回MANUSで見た「国家が企業買収を巻き戻す時代」の、いわば先行事例である。つまりKunlunは、会社名を出さずに海外で稼いできた会社であり、それが本稿で見る「売上の9割超が海外」という特異な構造につながっている。

    第18回のViduは、動画生成の専門企業だった。
    第19回のKunlun Techは、AI動画だけでなく、AI Office、AI音楽、AIソーシャル、AI短劇、海外ブラウザ・コンテンツ配信まで持つ複合企業である。

    特に重要なのは、SkyworkとSkyReelsである。

    Skyworkは、文書、スライド、表、Webページ、ポッドキャスト、画像、動画を作るAIワークスペースである。公式サイトでは、Documents、Slides、Sheets、AI Developer、Podcasts、Videos、YouVibeなどが並ぶ。

    一方、SkyReelsは、AI短劇・AI映画制作を狙う動画生成モデル / プラットフォームである。GitHubではSkyReels-V1、SkyReels-A1、SkyReels-A2、SkyReels-V2、SkyReels-V3などが公開され、Human-centric Video、portrait animation、Elements-to-Video、無限長映画生成、Image-to-Video、音声駆動アバターなどへ広がっている。そして2026年2月に技術論文が公開されたSkyReels V4は、3月には音声付き動画生成の評測(Artificial Analysis)で上位、会社発表では世界一になったとされ、国際的な注目を集めた(第7章・第12章)。ただし、ベンチマーク順位は時点・評価条件で変動するため、固定的な優劣ではなく、音声付き動画生成への強い注力を示す材料として扱う。

    つまりKunlun Techは、Office的な仕事の生産性と、映画・短劇的な物語制作の両方をAIで取りに行っている。

    だから第19回は、Kunlun Tech / Skyworkである。


    まず結論――Kunlun Techは「AI Office」と「AI映画生成」を同時に狙う

    2026年時点のKunlun Tech / Skyworkを一言で言えば、こうなる。

    Kunlun Techは、SkyworkでAI Office Agentを、SkyReelsでAI短劇・AI映画生成を狙う、中国発の上場AIコンテンツ企業である。最大の特徴は、文書・スライド・表・Web・ポッドキャストの“仕事の成果物”と、動画・音楽・短劇・AIキャラクターの“物語コンテンツ”を、同じAI事業マトリクスの中で育てている点にある。

    Kunlun Techは、もともとゲーム・海外コンテンツ・Opera・情報配信などの会社である。

    しかし2022年以降、同社は「All in AGI and AIGC」を掲げ、AIへ大きく舵を切った。

    この転換は、かなり大胆である。

    2025年の売上は約81.98億元、つまり約8.2十億元規模まで伸びた。
    一方で、純損失は約15.93億元だった。

    これは、AI投資・マーケティング・研究開発を飲み込んでいる状態である。

    Meituのように、AI課金で黒字成長を見せている会社ではない。
    Viduのように、未上場スタートアップとして大型調達で走る会社でもない。
    Kunlun Techは、上場企業として売上を伸ばしながら、AIへ巨額投資して赤字を抱える会社である。

    だから評価は難しい。

    しかし、事業の広がりは非常に面白い。

    SkyworkはAI Office。
    SkyReelsはAI映画 / AI短劇。
    Mureka / MelodioはAI音楽。
    LinkyはAIソーシャル。
    DramaWaveは短劇プラットフォーム。
    Operaは海外ユーザー接点。

    これらがつながると、Kunlun Techは単なるAIツール会社ではなく、AIコンテンツ生成・配信・消費のOSを狙う会社に見えてくる。


    第1章 5軸評価で見るKunlun Tech / Skyworkの全体像

    | 評価軸 | 見るポイント |
    | AI部門の有名度 | Skywork Super Agents、SkyReels、Mureka、Melodio、Linky、Opera連携 |
    | 資本力 | 深圳上場企業、2025年売上約81.98億元、海外収入比率の高さ |
    | 技術力 | Skywork Agent、Deep Research、SkyReels V1/V2/V3、Skywork-R1V、Reward、SWE、UniPic |
    | 収益度 | 売上成長は強いが、AI投資で純損失が残る |
    | AI部門価値 | AI Office、AI動画、AI音楽、AI短劇、AIソーシャルを横断するコンテンツOS価値 |

    | 評価軸 | Kunlun Tech / Skywork評価 | 点数 / 10 | 一言評価 |
    | AI部門の有名度 | 中国AIアプリ勢として高い | 8.4 | Skywork / SkyReelsの話題性が高い |
    | 資本力 | 上場企業として売上規模が大きい | 8.6 | 2025年売上約81.98億元、海外事業が強い |
    | 技術力 | OSSモデル・Agent・動画・音楽で広い | 8.5 | Skywork / SkyReels / R1V / SWEなど多面的 |
    | 収益度 | 売上は伸びるが赤字投資中 | 7.2 | AI先行投資で純損失が継続 |
    | AI部門価値 | Officeと映像コンテンツを両取り | 8.6 | 仕事と物語制作を同時にAI化 |
    | 総合評価 | AI Office × AI映画生成企業 | 41.3 / 50 | Kunlunは“AI成果物生成OS”を狙う上場企業 |

    1-1 AI部門の有名度:8.4 / 10

    Kunlun TechのAI部門は、中国AIアプリ勢の中で存在感がある。

    Skywork Super Agentsは、2025年5月にグローバル向けに発表され、「AI Office Agents」として文書、PPT、表、Webページ、ポッドキャストなどを生成する製品として打ち出された。

    SkyReelsは、AI短劇・AI映画生成を狙う製品群であり、V1、V2、V3、A1、A2などをオープンソースで展開してきた。

    さらに、Mureka、Melodio、Linky、DramaWaveなど、AI音楽、AIソーシャル、短劇プラットフォームまで持つ。

    ただし、知名度の「質」には注意が必要である。Kunlun Techは、AlibabaやByteDanceのような国民的消費者ブランドではなく、日本や中国の一般読者が「昆仑万維」「Skywork」と聞いてピンと来なくても自然である。この8.4という評価は、主に三つの世界での知名度である。第一に、A株市場。「All in AGI」を最初期に宣言した上場企業として、AI概念株の代表格であり、決算や新モデルのたびに株価が動く。第二に、AI業界。天工(Tiangong)LLMやSkywork系オープンソースモデルはHugging Face等で広く使われている。第三に、海外の製品ユーザー。後述するOpera、StarMaker、DramaWaveなどの利用者は、親会社の名を知らずにKunlunの製品を使っている。

    つまりKunlunは、会社名は無名に近いが、株と製品は有名という構造の会社である。

    1-2 資本力:8.6 / 10

    Kunlun Techは深圳上場企業である。

    2025年通期では、売上が約81.98億元、純損失が約15.93億元と報じられている。前年の売上約56.63億元から大きく増えた一方、赤字も継続している。

    つまり、資本力はある。
    しかし、利益は出ていない。

    ここがKunlun Techを見るうえで重要である。

    Kunlunは、売上のある上場企業としてAIに投資している。
    未上場AIスタートアップのように調達だけで走っているわけではない。

    一方で、AI投資・マーケティング・研究開発・短劇・海外アプリ展開には大きなコストがかかる。

    1-3 技術力:8.5 / 10

    Kunlun Techの技術力は、幅広い。

    Skywork Super Agents。
    Deep Research。
    MCP対応。
    SkyReels V1 / V2 / V3。
    SkyReels-A1 / A2。
    Skywork-R1V。
    Skywork-R1V2 / R1V3 / R1V4。
    Skywork-Reward-V2。
    Skywork-SWE。
    Skywork-UniPic。
    Mureka / SkyMusic。

    個別に見れば、Alibaba QwenやDeepSeekほどの総合LLMブランドではない。
    しかし、Agent、動画、音楽、マルチモーダル、SWE、Reward、画像生成を横断してOSSを出している点は強い。

    特にSkyReels系の動画モデル群は、AI短劇・AI映画制作に直結する。

    1-4 収益度:7.2 / 10

    Kunlun Techの収益度は、評価が難しい。

    売上は伸びている。
    海外収益比率も高い。
    AIアプリの商用化も進んでいる。

    しかし、純損失が大きい。

    これは、AI投資フェーズの会社としては理解できる。
    ただし、投資家・事業者目線では、いつ収益化するかが課題になる。

    Meituは黒字でAI課金を伸ばしている。
    Kunlunは売上成長と赤字投資が同時進行している。

    この違いは重要である。

    1-5 AI部門価値:8.6 / 10

    Kunlun TechのAI部門価値は高い。

    理由は、AI OfficeとAIコンテンツ生成を両方持っているからである。

    多くのAI企業は、仕事のAIとエンタメのAIのどちらかに寄る。

    Skyworkは仕事のAI。
    SkyReelsは映像制作のAI。
    Mureka / Melodioは音楽のAI。
    LinkyはAIキャラクター / AIソーシャル。
    DramaWaveは短劇配信。
    Operaは海外ユーザー接点。

    この組み合わせは、将来的に「作る」「見せる」「配る」「消費する」をつなげられる。

    これがKunlun Techの面白さである。


    第2章 Kunlun Tech製品エコシステムの全体像――Skywork、SkyReels、Mureka、Melodio、Linky、DramaWave、Operaまで

    Kunlun Techを理解するには、単体製品を見るのではなく、全体のAI事業マトリクスを見る必要がある。

    | レイヤー | 主な製品・事業 | AI時代の意味 |
    | AI Office | Skywork / 天工超级智能体 | 文書、PPT、表、Web、Podcast、Deep Research |
    | AI動画 / 短劇制作 | SkyReels | AI短劇、AI映画、Human-centric video、無限長映像生成 |
    | AI音楽 | Mureka / Melodio | AI音楽生成、AI音楽配信、音楽推論モデル |
    | AIソーシャル | Linky | AIキャラクター、AIコンパニオン、会話型ソーシャル |
    | 短劇配信 | DramaWave | AI短劇・短尺コンテンツの配信 / 消費接点 |
    | 海外接点 | Opera | ブラウザ、広告、情報配信、AI統合の入口 |
    | OSSモデル | SkyReels V1 / V2 / V3 / A1 / A2 | 人物動画・無限長動画・E2V |
    | 開発者接続 | DeepResearchAgent / MCP / Skywork Skills | Agent・Office生成能力の外部接続 |
    | 既存事業 | ゲーム、情報配信、社交娱乐 | 海外ユーザー、コンテンツ運営、課金導線 |

    この表から分かる通り、Kunlun Techは「AIモデル会社」というより、AIアプリ・AIコンテンツ企業である。

    基盤モデルも作る。
    OSSも出す。
    しかし最終的な狙いは、AIを使った成果物・コンテンツ・消費体験である。

    ここが、Kunlun Techの特徴である。


    第3章 API・MCP・Agent・CLI・Skillsはあるのか

    結論から言えば、AgentとMCPは明確に前面化されている。API / Skillsも製品機能として存在し、CLIはClaude Code型の単独CLIというより、Skywork / SkyReels / OSSモデル / MCP経由で接続する構造に近い。

    | 項目 | Kunlun / Skywork側の主な対応 | 評価 |
    | API | Skywork / SkyReels / Mureka等で外部接続余地、モデル・OSS提供 | 明示範囲は製品ごとに異なる |
    | MCP | Skywork Super Agentsの文書・PPT・表生成能力をMCP化と報道 | 明確に重要 |
    | Agent | Skywork Super Agents、General Agent、各Expert Agents | 強い |
    | CLI | 専用CLIより、OSSモデル・MCP・Web Agent中心 | 明示性は限定的 |
    | Skills | Documents、Slides、Sheets、Webpage、Podcasts、Video、Images、AI Developer等 | 実質的にSkills化されている |

    3-1 Agent――Skywork Super Agents

    Skywork Super Agentsは、Kunlun TechのAI戦略の中心である。

    5つの専門Agentと1つのGeneral Agentが打ち出された。

    Documents。
    Slides。
    Sheets。
    Webpage。
    Podcasts。
    General Agent。

    さらに現在のSkywork公式サイトでは、Images、Videos、AI Developer、YouVibe、All Skillsなども見える。

    これは、単なるチャットAIではない。

    ユーザーが「資料を作って」と言う。
    Skyworkが調べる。
    構成する。
    文書にする。
    スライドにする。
    表にする。
    Webページにする。
    ポッドキャストにする。

    これはMANUSに近いが、よりOffice成果物に寄っている。

    3-2 MCP――Office生成能力を外部接続へ

    36Krなどの報道では、SkyworkのDeep Research Agentフレームワークがオープンソース化され、文書、PPT、表生成能力がMCPとして提供されると説明されている。

    これは重要である。

    AI Office Agentが、自社Webアプリの中だけで完結するのではなく、外部Agentや開発者から呼ばれる部品になる。

    文書生成MCP。
    PPT生成MCP。
    表生成MCP。

    このような形になると、企業の業務Agentに組み込める。

    3-3 API――SkyReels / Skywork系の外部利用

    SkyReelsはOSSモデルとしてGitHub / Hugging Faceに出ている。
    SkyworkはWebアプリとして動く。
    Mureka / MelodioもAI音楽のアプリとして存在する。

    APIの公開範囲は製品ごとに違うが、Kunlun Techの方向性は明らかに外部接続を意識している。

    特にSkyReelsのOSS展開は、開発者やクリエイターが動画生成モデルを直接触れる余地を作っている。

    3-4 CLI――前面化は限定的

    Kunlun Techは、Claude CodeのようなCLIツールを前面に打ち出しているわけではない。

    ただし、SkyworkAIのGitHub、SkyReelsのOSS、DeepResearchAgent、MCPサーバーがあるため、開発者向けにはCLI的に組み込む余地がある。

    3-5 Skills――成果物生成Skillsの集合体

    SkyworkをSkillsの集合として見ると分かりやすい。

    Document Skill。
    Slide Skill。
    Sheet Skill。
    Webpage Skill。
    Podcast Skill。
    Video Skill。
    Image Skill。
    AI Developer Skill。
    YouVibe Skill。

    これらは、AI Office時代の成果物生成スキルである。


    第4章 Kunlun Techが保有・関連するAI関連事業一覧

    | 区分 | 事業 / 製品 | Kunlunとの関係 | AI文脈での意味 | 確度 |
    | 本体 | Kunlun Tech / 昆仑万维 | 深圳上場企業 | AI・AIGCへ転換中 | 高 |
    | AI Office | Skywork / 天工超级智能体 | 中核AI製品 | 文書・PPT・表・Web・Podcast生成 | 高 |
    | AI動画 | SkyReels | 中核AI動画製品 | AI短劇・AI映画生成 | 高 |
    | AI短劇配信 | DramaWave | グループ製品 | AI短劇の配信・消費接点 | 高 |
    | AI音楽 | Mureka | AI音楽生成 | 音楽生成・共有 | 高 |
    | AI音楽消費 | Melodio | AI音楽配信 | AI音楽ストリーミング | 高 |
    | AIソーシャル | Linky | AIキャラクター / ソーシャル | AIコンパニオン・AI会話 | 高 |
    | 海外ブラウザ | Opera | 関連事業 | 海外ユーザー・広告・AI導線 | 高 |
    | OSS動画モデル | SkyReels V1 / V2 / V3 / A1 / A2 | SkyworkAI GitHub | 人物動画・無限長動画・E2V | 高 |
    | OSSモデル | Skywork-R1V、Reward、SWE、UniPic | SkyworkAI | マルチモーダル・SWE・画像生成 | 高 |
    | MCP / Agent | DeepResearchAgent / Skywork MCP | Skywork系 | AI Office Agentの外部接続 | 中〜高 |

    4-1 Kunlunは「ゲーム会社」から「AI成果物生成企業」へ

    そもそもKunlunは、何で稼いできた会社なのか。答えは「ゲーム」と「投資」の二段構えである。

    原点は、2008年に周亜輝氏が創業したウェブゲーム・モバイルゲーム会社(昆仑游戏 / GameArk)である。「武侠Q伝」などの自社タイトルと、海外向けゲーム配信(出海)で稼ぎ、2015年に深圳上場した。

    第二の柱が投資である。周氏は「風口の捕手」と呼ばれた目利きで、2016年のOpera買収(中国連合主導)、StarMakerへの出資、趣店(Qudian)への初期投資などを当て、特にGrindrは計約2.4億ドルで買収した後、米CFIUSの売却命令を受けて2020年に約6億ドル規模で売却し、結果的に大きな売却益を得たと報じられている。

    つまりKunlunは、ゲームで稼ぎ、投資で増やし、Opera・StarMakerで海外収益基盤を築き、その資金力でAIに全振りした会社である。年16.76億元の研究開発費と41.82億元の販売費を赤字で飲み込めるのは、この蓄積があるからだ。

    しかし、現在の公式サイトでは、AI智能助手、AI動画、AI音楽と音声、AIゲーム、AIソーシャルなどを含むAI事業マトリクスを打ち出している。

    これは、単なる既存事業のAI機能追加ではない。

    会社全体をAIアプリ・AIコンテンツへ変えようとしている。

    4-2 Skyworkは仕事の成果物を作る

    Skyworkは、仕事の成果物を作るAIである。

    文書。
    スライド。
    表。
    Webページ。
    ポッドキャスト。
    画像。
    動画。

    ユーザーの入力を、すぐに使える成果物へ変える。

    これは、AI Office Agentである。

    4-3 SkyReelsは物語コンテンツを作る

    SkyReelsは、動画生成というより、物語コンテンツ生成を狙う。

    短劇。
    AI映画。
    キャラクター動画。
    ポートレートアニメーション。
    無限長映像。
    Elements-to-Video。
    音声駆動アバター。

    これは、ByteDanceやKuaishouの短尺動画文化とも、ViduやPixVerseのAI動画生成とも重なる。

    4-4 Mureka / Melodio / Linkyは消費体験を作る

    MurekaとMelodioは、AI音楽の生成・配信である。
    LinkyはAIキャラクター / AIソーシャルである。

    つまりKunlunは、AIで作ったコンテンツを、ユーザーが消費する場も持とうとしている。


    4-5 2026年「4+3戦略」――四大モデル×三大AI Nativeプラットフォーム

    この事業群を、Kunlun自身がどう整理しているかも見ておきたい。

    2026年3月、Kunlunは北京の中関村論壇で、2026年のAGI戦略として**「4+3戦略」を発表した。四大SOTA級AIモデル――動画モデル(SkyReels)、音楽・音声モデル(Mureka)、世界モデル(Matrix-Game)、基盤テキスト・マルチモーダルモデル――を技術の土台とし、その上に三大AI Nativeプラットフォーム経済体**――AI短劇、AI音楽、AIゲーム――を築く、という構図である。

    このとき、AIゲーム世界モデルMatrix-Game 3.0、動画のSkyReels V4(2月末に論文公開済み)、音楽のMureka V9という三つの新モデルがそろって披露された。Matrix-Gameは、ゲーム的なインタラクティブ環境を生成・シミュレートする世界モデルで、第18回Shengshuの「汎用世界モデル」と同じ潮流にある。つまりKunlunも、AIGC(生成)から物理世界・仮想世界のモデリングへ踏み出している。

    「成果物を作るAI(Skywork)」「物語を作るAI(SkyReels / Mureka)」「世界そのものを作るAI(Matrix-Game)」。この三層が、2026年のKunlunの全体像である。


    第5章 Skyworkとは何か――AI Office Agentの本命候補

    Skyworkは、Kunlun TechのAI Office Agentである。

    5-1 Skyworkの基本機能

    Skywork公式サイトでは、次のような機能カテゴリが並ぶ。

    General。
    Images。
    Documents。
    Slides。
    Sheets。
    AI Developer。
    Podcasts。
    YouVibe。
    Videos。
    All Skills。

    これだけ見ると、Skyworkは「何でも作るAIワークスペース」である。

    しかし中核は、Documents、Slides、Sheetsである。

    つまり、AI Officeである。

    5-2 Skywork Super Agents

    Skywork Super Agentsは、2025年5月にグローバル発表された。

    5つのExpert Agentsと1つのGeneral Agentによって、文書、PPT、表、ポッドキャスト、Webページを生成する構成である。

    この方向は非常に重要である。

    多くの企業で必要なのは、チャットの返事ではない。
    必要なのは、提出できる成果物である。

    資料。
    報告書。
    プレゼン。
    分析表。
    Webページ。
    音声コンテンツ。

    Skyworkは、ここを狙っている。

    5-3 Deep Research

    Skyworkの特徴は、Deep Researchである。

    単に文章を生成するのではなく、情報検索、深掘り、出典、図表、構成まで含めて成果物を作る。

    報道では、GAIAベンチマークで高い点数を出したと説明されている。ただし、ベンチマーク順位は評価条件・時点依存であるため、固定的な優劣ではなく「調査型Agent能力を強く打ち出している」という意味で見るのが安全である。

    5-4 Office三件套をAI化する

    中国語圏では、Word、PowerPoint、Excelのようなものを「Office三件套」と呼ぶ。

    Skyworkは、この三件套をAI化しようとしている。

    文書Agent。
    PPT Agent。
    表Agent。

    これにWebページ、Podcast、画像、動画が加わる。

    これはMicrosoft Office、Google Workspace、Canva、Gamma、Notion、MANUSの間に入る領域である。

    5-5 Skyworkの本質

    Skyworkの本質は、チャットAIではない。

    Skyworkは、調べて、構成して、成果物にするAIである。

    この意味では、MANUSと近い。
    ただしMANUSが「何でも実行するAI Agent」なら、Skyworkは「仕事の成果物を作るAI Office Agent」である。


    第6章 SkyReelsとは何か――AI短劇・AI映画制作への挑戦

    SkyReelsは、Kunlun Tech / SkyworkAIのAI動画生成系プロジェクトである。

    6-1 SkyReelsの位置づけ

    SkyReelsは、AI短劇・AI映画生成を狙う動画生成基盤である。

    公式のSkyReelsサイトでは、プロンプトから映画的な動画を生成し、モーション、音、ストーリーテリングを含む動画制作を打ち出している。

    GitHubでは、SkyReels-V1、SkyReels-A1、SkyReels-A2、SkyReels-V2、SkyReels-V3などが公開されている。

    6-2 Human-centric Video

    SkyReelsの初期の重要テーマは、Human-centric Videoである。

    人物中心の動画。
    表情。
    身体動作。
    衣装。
    ポーズ。
    カメラ。

    短劇やAI映画を作るには、人間が自然に動く必要がある。

    SkyReels-V1は、このHuman-centric Videoのオープンソース基盤として打ち出された。

    6-3 SkyReels-A1 / A2

    SkyReels-A1は、ポートレート画像を動かすためのフレームワークである。
    SkyReels-A2は、キャラクター、物体、背景など任意の視覚要素を組み合わせて動画を生成するElements-to-Video(E2V)方向である。

    このA2が重要である。

    ViduがReference-to-Videoで制御性を高めているように、SkyReels-A2も参照要素を使って、複数の要素を動画内で一貫させる方向に進んでいる。

    6-4 SkyReels-V2

    SkyReels-V2は、「Infinite-length Film Generative model」として打ち出されている。

    映画や短劇を作るなら、数秒動画だけでは足りない。
    必要なのは、長くつながる映像である。

    SkyReels-V2では、無限長に近い映像生成、14Bモデル、720Pモデル、Image-to-Video、Video Captionerなどが公開されている。

    6-5 SkyReels-V3

    SkyReels-V3は、マルチモーダル動画生成モデルとして公開されている。

    Reference Images-to-Video。
    Video Extension。
    Audio-driven virtual avatar。

    この三つの方向が重要である。

    参照画像から動画へ。
    動画を延長する。
    音声でアバターを動かす。

    これは、AI短劇・AI映画・AIキャラクター配信に向いた機能である。

    6-6 SkyReelsの本質

    SkyReelsの本質は、単なる動画生成ではない。

    SkyReelsは、AIで短劇・映画・キャラクター動画を量産するための制作基盤である。

    ここがViduとの違いでもあり、近さでもある。

    ViduはReference-to-Videoで制作ワークフローを作る。
    SkyReelsはAI短劇・AI映画生成に寄せる。

    どちらも、「AI動画の本命は制御と長尺制作」という同じ方向を向いている。


    第7章 SkyReels V1 / V2 / V3 / V4の進化――Human-centric Videoから音画一体生成へ

    SkyReelsの進化を整理すると、Kunlun Techが何を狙っているかが見える。

    7-1 SkyReels-V1――Human-centric Video

    SkyReels-V1は、人物中心の動画生成基盤として公開された。

    短劇・AI映画・広告・EC動画では、人間が自然に動くことが重要である。
    顔、表情、手、衣装、身体の動きが崩れると、作品として使えない。

    SkyReels-V1は、ここに焦点を当てている。

    7-2 SkyReels-A1――Portrait Animation

    SkyReels-A1は、ポートレート画像を動かすフレームワークである。

    1枚の人物画像から表情や動きを作る。
    これは、AIキャラクター、AIアバター、AIインフルエンサー、広告、SNS動画に使える。

    7-3 SkyReels-A2――Elements-to-Video

    SkyReels-A2は、Elements-to-Videoである。

    キャラクター。
    物体。
    背景。
    小道具。
    テキストプロンプト。

    これらを組み合わせて、各要素の一貫性を保ちながら動画を作る。

    これは、ViduのReference-to-Videoに近い問題意識である。

    AI動画生成は、素材を制御できて初めて制作現場に入る。

    7-4 SkyReels-V2――無限長映画生成

    SkyReels-V2は、Infinite-length Film Generative modelとして打ち出された。

    これは非常に野心的である。

    AI動画の弱点は、短いことである。
    数秒の動画は作れる。
    しかし物語は続かない。

    SkyReels-V2は、映画や短劇のような長い映像生成へ近づこうとしている。

    7-5 SkyReels-V3――マルチモーダル動画生成

    SkyReels-V3は、Reference Images-to-Video、Video Extension、Audio-driven Avatarなどを含む。

    これは、AI動画生成が次の段階へ進んでいることを示す。

    映像だけでは足りない。
    音声が必要。
    キャラクターが必要。
    長尺化が必要。
    参照素材が必要。

    SkyReels-V3は、ここを統合しようとしている。

    7-6 SkyReels V4――音画一体の「大一統」モデルへ

    そして2026年2月25日、KunlunはSkyReels V4の技術論文をarXivで公開した(公開直後、Hugging Faceで「本日の論文」1位になるなど研究コミュニティでも注目された)。

    V4の核心は、音画一体の双流(MMDiT)アーキテクチャである。「先に映像、後から音」という直列の作り方をやめ、映像と音声を同じ意味空間で同時に生成する。そのうえで、全モダリティの強化学習(RL)による論理性の注入、多フレーム参照・グリッド参照などの高度な参照制御、1080p・15秒の商用長尺生成、生成・修復・編集の統一フレームワークが加わった。論文では、最大1080p・32FPS・15秒のシネマ品質生成と、低解像度全系列+高解像度キーフレームの联合生成という効率化戦略が示されている。V1(短劇)、V2(無限長映画)、V3(マルチモーダル)の積み上げが、V4で「全モダリティの音画联合生成・修復・編集の大一統モデル」へ収束した形である。

    そして約3週間後の2026年3月18〜19日、KunlunはV4のArtificial Analysis評測結果の発表とAPIの全面開放を行った。

    会社発表によれば、SkyReels V4はArtificial Analysisの評測で、「音声付きText-to-Video」と「音声付きImage-to-Video」の両部門で世界一になったとされ、Kling 3.0、Google Veo 3.1、Vidu Q3、OpenAI Sora 2などを上回ったと説明されている(2026年3月18日時点の会社発表ベース。音声なしImage-to-Videoでは世界2位とされた)。同時にAPIも全面開放され、文生視頻・図生視頻・参照生成・編集修復・音画联合生成までを外部から呼べるようになった。なお、Artificial Analysisの順位はその後も変動しうるため、本文では「その時点の会社発表・報道ベースの強み」として扱う。

    ベンチマークは評価条件・時点に依存するため固定的な優劣ではないが、「音声付き動画生成」という次の主戦場で、Kunlunが世界の先頭集団に入ったという会社側の主張は、SkyReelsの「AI短劇・AI映画」路線にとって決定的に重要である。短劇にはセリフとBGMが要る。音と映像を同時に作れることが、そのまま製品力になるからだ。


    第8章 Mureka / Melodio / Linky――AI音楽・AIソーシャル・AIコンテンツ消費の布陣

    Kunlun TechのAI戦略は、SkyworkとSkyReelsだけではない。

    8-1 Mureka

    Murekaは、AI音楽生成・共有プラットフォームである。

    ユーザーが音楽を生成し、共有し、利用する。
    SkyMusic系のモデルとつながる。

    AI動画に音楽は必要である。
    短劇にもBGMは必要である。
    広告にも音楽は必要である。

    Murekaは、SkyReelsと組み合わせると価値が大きくなる。

    モデルの進化も速い。2026年3月、Mureka V8は、Artificial Analysisの音楽評測でVocals(人声)とInstrumental(楽器)の両部門で世界一になったと会社側が発表した(Suno、Udio、Google Lyriaなどを上回ったとされる。評価条件・時点依存であり、固定的な優劣ではない)。その直後の中関村論壇では、次世代のMureka V9が発表され、段落単位のテキスト制御、生成効率、ミキシング品質が強化された。報道では、V9は「一回きりの生成ツール」から、版を重ねて作品を磨ける「創作プラットフォーム」へ向かっていると評されている。

    8-2 Melodio

    Melodioは、AI音楽ストリーミングプラットフォームとして発表された。

    AIがユーザーの状態やシーンに合わせて音楽を生成・配信する方向である。

    これは、SpotifyやYouTube Musicのような既存音楽配信とは違う。
    人間アーティストの曲を配るのではなく、AIが音楽体験を生成する。

    8-3 Linky

    Linkyは、AIキャラクター / AIソーシャル領域のアプリである。

    AIキャラクターと会話する。
    AIコンパニオンを作る。
    AIキャラを育てる。

    これは、Character.AIや中国のAI陪伴アプリと同じ領域である。

    SkyReelsと組み合わせれば、AIキャラクターが動画化する。
    Murekaと組み合わせれば、AIキャラクターが歌う。
    Skyworkと組み合わせれば、AIキャラクターが資料やコンテンツを作る。

    8-4 DramaWave

    DramaWaveは短劇プラットフォームである。

    短劇は、中国・東南アジア・米国で急成長したフォーマットである。
    短いエピソードを大量に作り、ユーザーの課金・広告・時間消費を取る。

    SkyReelsは、その制作コストを下げる可能性がある。
    DramaWaveは、その配信先になりうる。

    8-5 Kunlunの狙い

    Kunlunは、AIで作るだけではない。
    AIで作ったものを配るところまで見ている。

    これは重要である。

    AI動画を作る。
    AI音楽を作る。
    AIキャラクターを作る。
    AI短劇を配る。
    Operaや海外アプリでユーザーに届ける。

    この一連の流れが、Kunlun Techの狙いである。


    第9章 Operaと海外展開――なぜKunlunは海外比率が高いのか

    Kunlun Techの特徴は、海外比率の高さである。

    9-1 公式サイトの海外比率

    Kunlun Tech公式サイトでは、グローバル平均MAUが約4億、海外収入比率が高いことが説明されている。公式サイトの英語版では、海外収入比率が92%に達すると説明されている箇所があり、中国語版の事業説明では91%という表現も見られる。本文では、時点や集計範囲により数字が変わる可能性があるため、海外収入比率は9割前後として扱う。

    これは非常に大きい。

    多くの中国AI企業は、中国国内が主戦場である。
    Kunlunは、最初から海外に強い。

    9-2 Operaの意味

    Kunlun Techは、Operaとの関係を持つ。

    Operaはブラウザであり、ニュース、広告、検索、コンテンツ配信、AI機能統合の入口になる。

    AIアプリは、ユーザー接点が重要である。

    どれだけ良いAIを作っても、ユーザーに届かなければ意味がない。
    Kunlunには、海外ユーザー接点を持つ強みがある。

    9-3 海外の何で儲けているのか――Opera広告とDramaWave課金

    「海外比率94.2%」と聞くと、AIで稼いでいるように見える。しかし中身を見ると、稼ぎ方はもっと具体的である(金額の詳細は第10章)。

    🔹 Opera中心の広告事業(約30.4億元)――最大の柱
    Operaブラウザは、検索パートナー収入(Googleなどへの検索送客の対価)と広告で稼ぐ。欧州・アフリカ・東南アジアにユーザーが厚く、これだけで全社売上の約4割。地味だが毎年伸びる、Kunlunの安定収益源である。

    🔹 短劇・AI短劇プラットフォーム(約16.2億元、前年比約9.6倍)――急成長の主役
    DramaWaveである。1〜2分×数十話の縦型短編ドラマを米国・東南アジアなどで配信し、続きが見たい視聴者がエピソード課金・サブスクで支払う。中国で爆発した「短劇出海」モデルの代表格で、月間流水約3,600万ドル・ARR4億ドル超に達した。2025年の売上成長の最大の牽引役はここだ。

    🔹 海外ソーシャル(約10.4億元)――下支え
    StarMaker(カラオケ、東南アジア・中東)とLinky(AIコンパニオン)。投げ銭・バーチャルギフト・課金で稼ぐ。成熟して微減傾向にある。

    🔹 ゲーム(約3.6億元)――縮小する祖業
    GameArkの海外ゲーム配信。前年比2割減で、もはや主役ではない。

    そして、本稿の主役であるAIソフトウェア技術(Skywork、Mureka、SkyReels API等)は約2.05億元。伸び率は430%超だが、額としてはまだ全社売上の2.5%にすぎない。

    つまり構図はこうだ。今のKunlunを食わせているのは、Operaの広告とDramaWaveの短劇課金であり、StarMakerが下支えする。SkyworkやSkyReelsは、その稼ぎを注ぎ込む投資先である。ただし、短劇は「AI短劇」としてSkyReelsと接続し始めており、「稼ぐ短劇」と「作るAI」は今後融合していく関係にある。ここがKunlunのAI転換の成否を分ける接点になる。

    9-4 AIアプリは海外で勝つ必要がある

    中国AIアプリは、国内だけでは競争が激しい。

    ByteDance。
    Tencent。
    Alibaba。
    Baidu。
    Kuaishou。

    この巨大プラットフォームと国内で正面衝突するのは難しい。

    Kunlunは、海外でAIアプリを展開することで、別の市場を狙う。

    AI Office。
    AI動画。
    AI音楽。
    AIキャラクター。
    AI短劇。

    これらは、海外展開しやすい。

    9-5 日本市場との関係

    Skyworkは日本でも使われ始めている。
    文書、スライド、表、Webページ、ポッドキャストを生成できるAIワークスペースは、日本の個人事業者、中小企業、研究者、クリエイターに相性が良い。

    特に、NOTE記事、営業資料、リサーチ資料、商品説明、観光PR、地域資料作成に使える。

    これはユーザーの関心とも重なる。


    第10章 2025年決算で見るKunlun Tech――売上成長と赤字投資の同時進行

    Kunlun Techを見るうえで、決算は非常に重要である。

    10-1 2025年売上

    2025年通期(2026年4月23日発表の年報・主要データベース掲載値)では、売上が約81.98億元、前年比44.78%増だった。ここでの「81.98億元」は約8.2十億元であり、英語圏記事で“8.2 billion yuan”と表記される数字と同じである。海外収入は77.23億元(前年比49.91%増)で、売上の約94.2%が海外という、中国上場企業としては極端に海外比率の高い構造である。なお、Kunlun公式英語サイトでは海外収入比率92%とも説明されており、本文では時点・集計範囲差を踏まえて「9割超」と見るのが安全である。

    事業別の内訳が、AI転換の進み方をよく示している。

    短劇・AI短劇プラットフォーム事業:16.17億元(前年比864.92%増)。
    AIソフトウェア技術事業:2.05億元(前年比430.86%増)。
    Opera中心の広告事業:30.42億元(前年比41.81%増)。
    従来のゲーム事業:3.55億元(前年比20.07%減)。
    海外ソーシャル事業:10.41億元(前年比3.85%減)。

    つまり、旧来のゲーム・ソーシャルが縮む一方で、短劇・AI・広告が伸びて全体を押し上げている。年報によれば、2025年12月時点で短劇・AI短劇プラットフォームの月間流水は約3,600万ドル、ARR(年間経常収益)は4億ドル超に達したとされる。

    10-2 純損失

    一方で、2025年の帰属純損失は約15.93億元だった(前年の約15.95億元からほぼ横ばい・微改善)。

    これは軽くない。

    年報は赤字の主因を二つ挙げている。ひとつは研究開発費で、通年16.76億元(前年比8.6%増)。もうひとつは販売費用で、短劇・AI音楽・AI Super Agent・AIソーシャルのユーザー獲得のため、通年41.82億元(前年比81.53%増)まで膨らんだ。経営キャッシュフローも-7.36億元と前年から大きく悪化している。

    つまりKunlunの赤字は、研究開発そのものより、AI製品の市場獲得(マーケティング)への先行投資が主因である。市場予想(赤字3億元前後)を大きく超える赤字だったことも、投資家の評価を分けている。

    10-3 売上成長と赤字投資

    Kunlun Techは、売上成長と赤字投資が同時進行している会社である。

    これは、AI時代の上場企業としては珍しくない。
    しかし、いつ黒字化するかが重要になる。

    Meituは、AI課金で黒字成長を見せている。
    Kunlunは、AIコンテンツの大きな市場を取りにいく代わりに、赤字を飲み込んでいる。

    この違いは、投資家にも読者にも伝える必要がある。

    10-4 評価のポイント

    Kunlun Techを評価するポイントは、次の三つである。

    1. AI製品のユーザー獲得が続くか。

    2. AI動画・音楽・Officeの課金が伸びるか。

    3. 研究開発費・マーケティング費を回収できるか。

    この三つが揃えば、Kunlun TechのAI転換は成功に近づく。


    第11章 Skyworkモデル群とOSS戦略――Skywork-R1V、Reward、SWE、UniPicまで

    Kunlun Tech / SkyworkAIは、アプリだけでなく、OSSモデルも出している。

    11-1 Skywork-R1V系

    Skywork-R1V系は、マルチモーダル推論モデルである。

    R1V2、R1V3、R1V4などの技術報告では、視覚推論、数学、検索、画像操作、DeepResearch、Agentic Multimodal Intelligenceなどの方向が示されている。

    これは、Skyworkが単なるUIアプリではなく、マルチモーダル推論を重視していることを示す。

    11-2 Skywork-Reward-V2

    Skywork-Reward-V2は、報酬モデルである。

    RLHFやアラインメントでは、人間の好みをどう学習するかが重要になる。
    Skywork-Reward-V2は、大規模なPreference DataとHuman-AI協調によるデータキュレーションを打ち出している。

    これは、モデル品質の裏側で重要である。

    11-3 Skywork-SWE

    Skywork-SWEは、ソフトウェアエンジニアリング向けモデルである。

    SWE-bench系のタスクで性能を示し、コード修正・テスト・長時間の問題解決に向かう。

    Skywork公式サイトにもAI Developerがある。
    これは、Officeだけでなく、開発者向けAgentにも広がる可能性を示す。

    11-4 Skywork-UniPic

    Skywork-UniPicは、画像理解、テキストから画像生成、画像編集を統合するモデルである。

    画像生成・画像編集・マルチモーダル理解は、SkyworkやSkyReels、AIコンテンツ制作に必要な基盤である。

    11-5 OSS戦略の意味

    Kunlun TechのOSS戦略には意味がある。

    大企業としての信用。
    開発者コミュニティ。
    モデル性能の証明。
    海外認知。
    プロダクトへの導線。

    これらを狙っている。

    ただし、OSSを出すだけでは収益にならない。
    OSSからSkywork / SkyReels / Mureka / Melodio / Linky / DramaWaveへどう誘導するかが重要である。


    第12章 競合と優位性――MANUS、Skywork、Vidu、Kling、Canva、Microsoft Officeの間でどこを取るか

    Kunlun Techの競争相手は多い。

    12-1 AI Office領域の競合

    Skyworkの競合は、次のように広い。

    Microsoft Copilot。
    Google Gemini for Workspace。
    Notion AI。
    Gamma。
    Canva。
    Manus。
    ChatGPT Deep Research。
    Claude。
    Perplexity。

    Skyworkは、文書、スライド、表、Web、Podcastを一気通貫で作る方向で差別化しようとしている。

    特に、研究 → 構成 → 成果物生成という流れは、企業・研究・学生・マーケターに刺さりやすい。

    12-2 AI動画領域の競合

    SkyReelsの競合は、さらに激しい。

    Kling。
    Vidu。
    Wan。
    Seedance。
    Hailuo。
    PixVerse。
    Runway。
    Google Veo。
    OpenAI Sora。
    Luma Dream Machine。
    Pika。

    この中でSkyReelsが狙うのは、Human-centric Video、AI短劇、AI映画、長尺化、参照制御、音声駆動アバターである。

    そして2026年3月、SkyReels V4は、会社発表によればArtificial Analysisの「音声付きText-to-Video」「音声付きImage-to-Video」両部門で世界一とされ、Kling 3.0、Google Veo 3.1、Vidu Q3、OpenAI Sora 2を上回ったと報じられた(2026年3月18日時点・評価条件依存)。現在のランキングは変動しうるため固定的な優劣とは見ないが、「音声付き動画」という次の主戦場で先頭集団に入ったことは、SkyReelsの競争上の位置を一段引き上げている。

    12-3 Kunlunの優位性①:Officeと動画を両方持つ

    Kunlunの強みは、Officeと動画を両方持つことだ。

    多くの会社は、Officeか動画のどちらかに寄る。
    Kunlunは、資料も作るし、動画も作る。

    これは、マーケティング現場では強い。

    企画書を作る。
    スライドを作る。
    広告コピーを作る。
    商品動画を作る。
    BGMを作る。
    短劇を作る。

    この一連の流れを、AIでつなげられる可能性がある。

    12-4 Kunlunの優位性②:海外ユーザー接点

    Kunlunは海外に強い。

    AIアプリは、海外展開できるかが重要である。
    中国国内だけでは競争が激しい。

    Skywork、Mureka、Melodio、Linky、DramaWaveは、海外市場で勝負しやすい。

    12-5 Kunlunの優位性③:コンテンツ制作と消費の両方

    Kunlunは、AIで作るだけでなく、消費する場所も持とうとしている。

    SkyReelsで作る。
    Murekaで音楽を作る。
    Linkyでキャラクターを作る。
    DramaWaveで短劇を配る。
    Operaや海外アプリで届ける。

    これは、AIコンテンツ時代の垂直統合に近い。

    12-6 ただし勝ち筋はまだ未確定

    一方で、Kunlunの勝ち筋はまだ確定していない。

    OfficeではMicrosoftが強い。
    動画ではByteDance、Kuaishou、Alibaba、OpenAI、Googleが強い。
    音楽ではSunoやUdioが強い。
    AIキャラクターではCharacter.AIや中国系陪伴AIが多い。

    Kunlunは広い。
    しかし、広すぎることがリスクにもなる。


    第13章 Kunlun Techの弱点とリスク――赤字、競争、著作権、モデルコスト、プロダクト乱立

    Kunlun Techには弱点も多い。

    13-1 赤字投資が重い

    2025年は売上が伸びた一方、純損失も大きい。

    AIはコストが重い。
    動画生成は特に重い。
    音楽生成、AIソーシャル、短劇制作、海外マーケティングにもコストがかかる。

    売上成長があっても、利益化できなければ評価は難しい。

    13-2 競争が激しい

    Kunlunは、複数の激戦区で戦っている。

    AI Office。
    AI動画。
    AI音楽。
    AIソーシャル。
    AI短劇。
    ブラウザAI。

    どれも競争が激しい。

    13-3 プロダクトが多すぎるリスク

    Skywork、SkyReels、Mureka、Melodio、Linky、DramaWave、Opera、AI Game。

    多角化は強みだが、分散リスクもある。

    どれが本命なのか。
    どこに集中するのか。
    どのプロダクトが収益化するのか。

    ここが見えにくいと、投資効率が落ちる。

    13-4 著作権・肖像権・音楽権利リスク

    AI動画、AI音楽、AIキャラクターは、権利問題を含む。

    既存映像。
    俳優の顔。
    声。
    音楽。
    キャラクター。
    脚本。
    スタイル模倣。

    短劇や映画に近づくほど、権利処理は厳しくなる。

    13-5 Office成果物の信頼性

    Skyworkは、文書、PPT、表を生成する。
    ここでは、情報の正確性が重要である。

    出典。
    数字。
    表。
    グラフ。
    引用。
    法務・医療・金融情報。

    AIが間違えれば、業務で使いにくくなる。

    SkyworkはDeep Researchと出典追跡を打ち出しているが、企業利用ではさらに厳しい信頼性が求められる。


    第14章 日本企業がKunlun Tech / Skyworkから学ぶべきこと

    Kunlun Techから日本企業が学ぶべきことは多い。

    14-1 AIは「チャット」ではなく「成果物」で売る

    Skyworkの最大の学びは、AIを成果物で売っていることだ。

    文書。
    スライド。
    表。
    Webページ。
    ポッドキャスト。
    動画。

    ユーザーはチャットしたいのではない。
    成果物がほしい。

    日本企業も、AIサービスを作るなら「会話」ではなく「納品物」を設計する必要がある。

    14-2 AI Officeは中小企業に刺さる

    日本の中小企業は、資料作成に時間を取られている。

    営業資料。
    補助金資料。
    会社案内。
    採用資料。
    商品説明。
    社内報告書。
    経営計画。
    観光PR資料。

    Skywork型のAI Office Agentは、日本でも需要が大きい。

    14-3 AI動画は地域PRに使える

    SkyReels型のAI動画生成は、日本の地域PRと相性が良い。

    奈良。
    吉野。
    奥大和。
    神社仏閣。
    修験道。
    温泉。
    薬膳。
    伝統工芸。

    これらは、映像化すると価値が伝わりやすい。

    実写撮影にはコストがかかる。
    AI動画を使えば、企画段階のイメージ動画、SNS短尺動画、多言語PR素材を作れる。

    14-4 AI短劇は商品販売に使える

    中国で短劇が伸びたように、AI短劇はECやSNS販売にも使える。

    商品を物語にする。
    サービスをストーリーにする。
    観光地をドラマにする。
    企業の理念を短編化する。

    AI動画が進むと、広告は単なるバナーではなく、ミニドラマになる。

    14-5 日本企業は「AI制作スタック」を作るべき

    Kunlun Techから学べるのは、AI制作スタックである。

    調査する。
    文書にする。
    スライドにする。
    動画にする。
    音楽をつける。
    Webページにする。
    SNSに出す。

    これを一気通貫で考える。

    日本企業も、AIを単体ツールではなく、制作スタックとして導入すべきである。


    結論――Kunlun Techは、中国AIの「仕事と物語制作OS」を狙う

    Kunlun Tech / Skyworkを一言でまとめるなら、こうなる。

    Kunlun Techは、中国AI時代の“仕事と物語制作OS”を狙う上場AIコンテンツ企業である。

    Skyworkは、仕事の成果物を作る。
    SkyReelsは、映像と物語を作る。
    Mureka / Melodioは、音楽を作る。
    Linkyは、AIキャラクターを作る。
    DramaWaveは、短劇を届ける。
    Operaは、海外ユーザー接点を持つ。

    この全体像を見ると、Kunlun Techは単なるAIモデル企業ではない。

    AIで作る。
    AIで見せる。
    AIで配る。
    AIで消費させる。

    ここまでを狙っている。

    もちろん、課題は大きい。
    赤字は重い。
    競争は激しい。
    プロダクトは多い。
    AI動画・音楽・キャラクターには権利リスクがある。
    Office成果物には信頼性リスクがある。

    それでも、Kunlun Techは第19回にふさわしい。

    なぜなら、AIが「文章を返す」時代から、「仕事の成果物」と「物語コンテンツ」を作る時代へ進んでいることを、最も分かりやすく示している会社の一つだからである。

    SkyworkはAI Officeへ。
    SkyReelsはAI映画生成へ。

    Kunlun Techの挑戦は、まだ完成していない。
    しかし、AI時代のコンテンツ制作産業を考えるうえで、見逃せない存在である。


    次回予告――AIsphere / PixVerseへ

    次回、第20回は AIsphere / PixVerse を取り上げる。

    テーマは、

    AIsphere「PixVerse」はなぜ海外クリエイターに刺さるのか――中国発AI動画プラットフォームの実力

    である。

    Kunlun Tech / Skyworkは、AI OfficeからAI映画生成へ向かう会社だった。
    AIsphere / PixVerseは、よりクリエイター向けに、AI動画生成をグローバル展開する企業である。

    中国生成AIシリーズは、いよいよTOP20本編の最終盤へ入っていく。


    主要参考リンク


    出典対応表

    | 本文テーマ | 主な確認元 |
    | Kunlun TechのAI事業マトリクス、海外収入比率、グローバルMAU | Kunlun Tech公式サイト |
    | 2025年売上約81.98億元、純損失約15.93億元 | MarketScreener / S&P Capital IQ / Kunlun Tech決算情報 |
    | Skywork Super Agents、5 Expert Agents + 1 General Agent | PR Newswire / 36Kr / Skywork公式 |
    | Documents、Slides、Sheets、AI Developer、Podcasts、Videos等 | Skywork公式サイト / Google Play / App Store |
    | Deep Research、GAIA高順位、MCP、DeepResearchAgent | 36Kr / SkyworkAI GitHub / MCP情報 |
    | SkyReels V1 / A1 / A2 / V2 / V3 / V4、音声付き動画ランキング | SkyworkAI GitHub / SkyReels公式 / arXiv / 会社発表・報道 / Artificial Analysis |
    | SkyReels-V2、無限長映画生成、720P、SkyCaptioner | SkyReels-V2 GitHub |
    | SkyReels-V3、Reference Images-to-Video、Video Extension、Audio-driven Avatar | SkyReels-V3 GitHub |
    | Mureka / Melodio / Mureka V8 / V9 | Kunlun Tech公式 / PR Newswire / Yicai Global / 会社発表・報道 |
    | Linky / DramaWave / AI Social / AI短劇 | Kunlun Tech公式サイト |
    | Skywork-R1V / Reward / SWE / UniPic | arXiv / Hugging Face / GitHub |
    | 経営陣(周亜輝=2008年創業者・「風口の捕手」、方漢=董事長兼CEO、2015年深圳上場、10億創作者発言) | 新浪 / ZAKER / 主要報道 |
    | 祖業と資金力(ゲーム→投資:Opera買収2016、StarMaker、Grindr買収約2.4億ドル→CFIUS命令で2020年に約6億ドル規模売却) | Reuters / 主要報道(金額は報道ベース) |
    | 2025年報詳細(海外77.23億元・94.2%、短劇16.17億元+864.92%、AIソフト2.05億元+430.86%、Opera広告30.42億元、研発16.76億元、販売費41.82億元+81.53%、経営CF-7.36億元、短劇月流水3,600万ドル・ARR4億ドル超) | 上海証券報 / 証券之星 / 新浪財経 |
    | 「4+3戦略」(四大SOTAモデル×三大AI Nativeプラットフォーム、2026年3月中関村論壇)、Matrix-Game 3.0世界モデル | 上海証券報 / 東方財富 / ZAKER / Matrix-Game公式 |
    | SkyReels V4(arXiv 2602.21818=2026年2月25日公開、音画一体双流MMDiT、1080p・32FPS・15s、AA音声付きT2V/I2V両部門世界一・I2V無音声2位=2026年3月18日時点会社発表、API開放) | arXiv / Hugging Face / 証券日報 / 証券時報 / 東方財富 |
    | Mureka V8(AA Vocals/Instrumental双冠=会社発表)→ Mureka V9(段落制御・創作プラットフォーム化) | 東方財富 / 機器之心系報道 / ZAKER |


    ハッシュタグ

    #中国AI
    #生成AI
    #AIエージェント
    #Skywork
    #SkyReels
    #KunlunTech
    #昆仑万维
    #AI動画
    #AIOffice
    #中国生成AI2026

     
     
    東大阪市生まれの奈良育ち(三宅小→式下中→畝傍高→京工繊大)→広州21年在住。 2015年に独立、IT・通信、貿易会社を経営し、本帰国後、生成AI・フィジカルAIと、国際貿易・国際物流の日本拠点を立上げ、富裕層インバウンド向けで、伝統・再生医療+ウェルネス観光で情報発信中

    あなたへのおすすめ