
BGP PICはなぜprefix数に比例せず切り替えられるのか?
先に結論です。
BGPの障害復旧がprefix数に比例するのは、prefixの数だけFIB(転送テーブル)を書き換えるからです。PIC(Prefix Independent Convergence)は書き換える場所を共有オブジェクト1点に集めることで、この比例を断ち切ります。
ただし、バックアップパスを障害前にFIBへ入れておくことが前提になります。
IETFのdraft(draft-ietf-rtgwg-bgp-pic-23、以下draft-23)の概算試算(back-of-the-envelope)では、影響するprefixが100万件ある場合、PICなしではIGP側の障害で10〜100秒、BGPのnext-hopを失う障害で100〜200秒かかるとされています。PICを導入すると、ローカル障害は約50ミリ秒、リモート障害は約500ミリ秒の時間枠に収まります。
各ベンダーもこの仕組みを同名の機能として実装していますが、本記事はIETF draftが定義する概念だけを扱います。