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『本当にいる30年紐生活の男登』

    封筒の中から滑り出てきたのは、分厚い数枚の「諭吉」だった。金額にして数万円。 茨城のコンビニで芋臭い座り方をしていたあの少女が、新宿の夜の世界で命を削って稼ぎ、俺たちへの純粋な感謝として包んでくれた、あまりにも生々しい現金の重みだった。

    雄二と俺がその金額に呆然とする中、登だけは違った。あいつの目は感謝ではなく、獲物を見つけた猛獣のように、冷たく、ギラギラと欲に濡れていた。

    「……なぁ憲ちゃん。女って、マジで金になるんだな」

    ポツリと呟いた登の声は、低く、震えていた。 あの血に染まったクリスマスの夜、丘の上公園の冷たいコンクリートの上で死んだ、純粋な少年・登の葬送曲が、この瞬間に鳴り止んだ。そして同時に、他人の愛をすべて都合のいい「対価」へと変換する、本物の怪物が産声を上げたのだ。

    これが、彼が手にした最初の「対価」であり、これから始まる狂気の日常の、ほんの序章に過ぎなかった。

    あれから30年。 あいつはただの一度も定職に就くことなく、女の金だけで一千万以上の高級外車を転がし高級時計を身に着け、今もこの世界のどこかで、女の愛を喰らい尽くして生きている。綺麗なモラルや法律では1ミリも測れない、最強の紐男の人生。私はその深淵を、これからも書き残していくつもりだ。

    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    ​パチンコ業界30年。私が見てきた「人間の本性」と「現実の闇」を記録します。綺麗な言葉は使えません。剥き出しの真実だけをここに置きます。 ​【執筆予定】 1.実録・最強の紐男 登伝説(全20話) 2.ぱちんこ業界の深淵 3.実在した極悪人たち  嘘偽りのない、現実のアーカイブ。

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