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騎士

    死ぬよりも辛かったら死のう
    いつかの自分が自分とした約束。
    そして幼馴染と軽口で交わした話。俺結構本心で言ってたんだぜ、お前は知らないかもしれないけどさ。
    この約束は多分一日に一回は頭に浮かんで、変わらないそれが脳をいつも蝕んでくる。
    ぶっちゃけその中には何度も死ぬよりも辛いだろうって思うこともあった。実際何回かは行動にも起こしたし。
    ただあと一歩を踏み切れなかったのは、そんな約束すら守れず今の死ぬことへの恐怖より未来の自分の不幸を優先できなかったから。結局過去の自分も未来の自分も裏切る俺が心底弱い末路だった。その度に1秒前の自分を恨んで、それでも結局結論は相変わらずで。
    死ぬことへ向き合った日々がブレないはずの自分との約束にただまっすぐに別の意味も付け足した。死ぬことの軽さも、死ぬことの苦しさも幾度となく痛感したから、今となっては死ぬよりも辛い時なんて前提が証明できなくなっていて、

    けれど、生きることへの強さや辛さを支えてるのが、死ぬことへのさらに強い恐怖だなんてそんなアンハッピーな話、あんまりでしょ。
    だからそれを抜け出すため、誠実な自分として、自分の約束を守るか、そんな約束すら忘れる戯け者になるかきっと二者択一なんだと。
    あの頃空返事で話を合わせてきたあいつにも届くと良いな。


     
     

    叶瀬

     
     
    君の忠実なる友より all fiction all fiction

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