メむンコンテンツぞスキップ

BOGA 第22話 コンペ説明䌚②


    画像

    歊蔵偎ずの挚拶が終わっお垭に付くず、絵矎の郚䞋のマリアが絵矎に耳打ちしおきた。
     
    マリアは頭のいいクヌルな女だった。
    アヌノルドで働くのは、近い将来さらに高絊を埗られるコンサティング䌚瀟に転職するためのキャリア䜜りだずか、䜕だずか、公蚀しお憚らない、
    そんなタむプの女だった。
    そんなタむプの人間は、男女に関わらず、アメリカでは䞀般的な人皮だったから、絵矎は別にマリアを嫌っおはいなかった。
    ただ、意芋が異なるこずは倚く、やりにくさはあった。
     
    そのマリアが小声の英語で絵矎に耳打ちしおきたのだ。
    「絵矎、どうしたの」
    「えっ」
    「瞳孔開いおるけど・・」
     そこで絵矎は初めお瞬きをしお我に垰った。
     
     合同䌚議は、アヌノルド及び歊蔵の䞡瀟に察するグッドゎムの正匏なオファヌを、倧朚が改めお趣旚説明するずころからはじたった。
     
     倧朚のオファヌは、か月埌の垝郜ゎムずの生産業務提携を確実に成功させるために、
    《アヌノルド及び歊蔵の䞡瀟が助け合いながら、競い合っお欲しい》
    ずいうこずが骚子だ。
     
    歊蔵は偎に垝郜システムを新芏開発する。
    この開発の䞭でアヌノルドは仕様曞の䜜成を支揎する。

    逆に、アヌノルドは―偎の通信システムを再開発する。
    この再開発の䞭で歊蔵は仕様曞の䜜成を支揎する。
     
    お互いに仕様曞䜜成プロセスでは助け合うが、最埌は総合的に品質のいい方が垝郜ゎムずの生産業務提携に採甚されお、採甚されなかった方は党おを倱う。
     
    「では、これから詳しい説明をさせたす」
     倧朚がそう締めくくっお、趣旚説明を終わるず、倧朚の郚䞋が党員に資料を配垃した。
     
    《垝郜ゎム殿ずの生産業務提携に䌎うシステムコンペ実行蚈画曞》
     
    資料配垃が終わるず、枋谷が倧朚の考え方、぀たり
    《助け合いながら、競い合う》
    を骚子ずしたこの《システムコンペ実行蚈画》を説明しはじめた。
    「ほな、説明させお頂きたすぅ」
     
    倧朚の呜を受けお枋谷達が䜜成したこの《システムコンペ実行蚈画曞》は、わずか䞀日で䜜成したずは思えない皋、埮に入り歳に入り、実によく出来おいた。
    歊蔵のメンバヌも、アヌノルドのメンバヌも、熱心に枋谷の説明を聞き、熱心にメモを取りはじめた。
     
    絵矎は䜕ずか枋谷の説明に集䞭しようず頭の䞭でもがいおいた。
    しかし、もがいおも、もがいおも、頭の䞭では垞に同じ叫びに戻っおしたうのだ。

    どういうこずなのぉ。
    䜕で、高氏がここにいるわけ―ぇ。
    又、同窓䌚なのぉ。
     
    絵矎はたず疑心暗鬌になっおいた。

    私、もしかしたら、ハメられたの。
    同窓䌚で高氏に再䌚したこずも、
    で人の二次䌚をしたこずも、
    それに垰りのタクシヌで欲情させられたこずも・・、
    いや、さすがに欲情は私の勝手か・・、
    でも、ずにかくよ、
    党お高氏が仕組んだこずじゃないの。
     
    そう思っお高氏を睚み぀けるず、高氏は高氏で、昚日の倜のように口を半開きにした銬鹿面でこっちをチラチラ芋おいる。

    党く、だらしない。
     
    絵矎は思わず、パッシっずボヌルペンで机を叩いた。
    䞀瞬、枋谷の説明が止たっお、党員が絵矎に泚目した。勿論、銬鹿面の高氏もだ。

    ああ、もう、䜕やっおんのよ、私ぃ。

    ず思ったがすぐに立ち盎った。
    「あっ、倱瀌したした」
     ずか䜕ずか蚀っお、ボヌルペンが曞きづらかった振りをしお、䞀瞬で高氏を睚み぀けお口に手を圓おた。

    口ぃ、半開き。

    あたふたず高氏の口は閉たり、枋谷の説明が再び始たった。
    それで絵矎は玍埗した。
    これはハメられたんじゃない。偶然なんだ。
    昚日ず同じ高氏の銬鹿面が䜕よりもそれを物語っおいるし、よく考えおみたら、そんなこずをしたっお高氏には䜕のメリットもない。
     
    そうなるずこれは公私共に困ったこずになった、
    ず絵矎は思った。

    公私の公では、あんな銬鹿面でも敏腕営業だずいう噂の高氏が、実は蚳アリの同玚生で、そんな同玚生ず競い合う仲になっおしたっお、仕事自䜓が耇雑系になっおしたったずいうこずだ。
     
    又公私の私では、高氏に自分の正䜓がバレおしたっお、嫌われおしたうんじゃないかずいう、自分でも嫌になるくらいの女心だ。

    それず公私の私では、困ったこずがもうひず぀あった。
    さっきから銬鹿面の高氏が自分に芖線を向けおいるが、自分に党く異なる芖線を送っおいる人間がもう䞀人いる。

    それが東條だ。
     
    絵矎の方はこの陰湿男を、既にすっかり嫌悪しおいたのだが、東條の方はそれに気付いおいるのか、気付いおいないのか、党くマむペヌスで絵矎を食事に誘ったりしおくる。
    䜓育䌚系の絵矎ずしおはいいかげん肘鉄を食らわしたいずころだが、最重芁クラむアントなのでそれも出来ない。
     
    その東條がこの䌚議宀で、ねっずりずしたナメクゞのような芖線を絵矎に送っおくる。
    しかも高氏の方にたでそんな芖線を送っおいる。
    東條は陰湿な䞊に、盎感は女だ。
    もしかしたら、さっきの
    《ボヌルペン、パシッ》
    で䜕か気づいたかもしれない。
     
    絵矎にずっおは、そんな神経戊のような雰囲気の䞭で、枋谷の説明は終わり、質疑応答の埌に䌚議は散開ずなった。
    絵矎は粟神的にくたくたになった。
     
    合同䌚議終了埌、絵矎はすぐにでも堎所を倉えお高氏ず人だけで話がしたかった。
    昚日はばっさり省略しおしたった自分の立堎を改めお説明し、今埌の仕事の進め方を打ち合わせおおきたかった。
    それに東條のこずも話しおおいた方がいいずも思っおいた。
     
    ずころが、䌚議が終わるや吊や、暩藀が絵矎の所にやっおきた。
    「東山副瀟長、この埌、東條が倧至急䌚議をしたいず蚀っおおりたすので、隣の䌚議宀たでお越し䞋さい」

     蚀葉は䞁寧でにこやかに笑っおはいるが、、き぀ね目は尖り、ほずんど匷制のように思えお、絵矎はむっずした。
    䌚議なら事前にもやっおいるのだ。
    その事前䌚議にしおも東條が意味䞍明のこずを蚀うだけの䌚議だった。

    なのに、䜕よ、事埌の䌚議なんお絶察に行かない。
     
    それに、暩藀の埌ろには、高氏が絵矎に䜕か蚀いたそうにしお立っおいた。
    絵矎は、高氏も自分ず同じように、これから堎所を倉えお人で話がしたいのだず思った。
    だから暩藀に向かっお、その埌ろの高氏にも聞こえるように倧きな声で蚀った。

    「私、これから別件の打合せがありたすから、その䌚議には出垭できたせん」
    「それは困りたしたねぇ。そこを䜕ずかご郜合を぀けお頂けたせんかねぇ」

    䜕なの、この、なれなれしさず、この抌し付けがたしさは。

     するず、暩藀の背䞭から、高氏が絵矎にゞェスチャヌを送っおきた。
    絵矎は䞀発で高氏のゞェスチャヌの意味を理解した。

    《その䌚議に行けよ。埌で俺の方から電話するから》
     お互いの郚屋の電話番号は、昚日で亀換しおある。
     
    絵矎はすぐにでも高氏ず話をしおおきたかったが、考えおみれば高氏は高氏で、この埌䌚瀟に戻っお今日の件で䌚議があるのかもしれないず思い盎した。
    「分かりたした。お困りのようなので参りたす。しかし、別件がありたすから、分以内にしお頂きたいず東條郚長にお䌝え䞋さい」
    暩藀はにやっず笑っお頷いた。

    倉な笑い方すんな。
     
    絵矎は、暩藀ず䞀緒にマリアずゞョヌゞを連れお䌚議宀のドアに向かっお歩きだした。途䞭で高氏ず芖線を合わすず、瞳孔を開いお、高氏にゞェスチャヌを送った。

    《必ず、埌から電話しお》
    高氏からは、すぐにのサむンが来た。
     
    絵矎は高氏のサむンを確認するず、暩藀に連れられお、隣の䌚議宀にマリアずゞョヌゞず䞀緒に入っおいった。
    䌚議宀に入っおみるず、東條はいない。
    別の本瀟情報システム郚の瀟員が暩藀に䜕か耳打ちしおいる。
     
    「東條郚長は」
    ず絵矎が聞くず、暩藀は怅子に座った。
    「申し蚳ありたせん。東條は急甚で垰りたしたので、私からお話させお頂きたす。どうぞお座りください。」
    「東條郚長がいらっしゃらないなら、我々は垰りたす」
    「お埅ちください。このコンペでアヌノルドさんにどうしおも勝っお頂くための倧切なお話ですから。」
     絵矎はマリアずゞョヌゞを芋た。
    ゞョヌゞは銖を捻ったが、マリアはさも圓然そうに怅子に座った。
    「フクシャチョり、セッカクデスカラ、オハナシヲキキマショりペ」
     この堎に合わせおなのかマリアは片蚀の日本語だ。

    䜕、この子、圓たり前みたいに坐ちゃっお。

    絵矎はマリアの反応が意倖で、少し䞍満であったが、マリアが座っおしたったので仕方なくマリアの隣に座った。技術責任者のゞョヌゞもそれに倣った。
     
    「暩藀さん、私達、これから䌚瀟に垰っお今日の件で重芁な䌚議がありたすから、どうか手短にお願いしたす」

    しかし、それが嘘だずいうこずは、暩藀の方がよヌく承知しおいるようだった。

    「はい、よヌヌく承知しおたすよ。では、さっそくですが、さっき、工堎の倧朚からシステムコンペずいう説明がありたしたが、たあ、確かにコンペなんですが、䞀方でそれは建前だずいうこずは、勿論ご理解頂けおたすよね」
    「建前っおどういう意味です」
    「だっお、そりゃ、そうじゃないですか。アヌノルドさんのご提案を受けお、のダりンサむゞングを断行するずいうこずは、既に経営的に意思決定が終わっおいる案件なのです」
    「そんなこずは承知しおいたす。だからどうだず仰るんです」
    「お分かり頂けたせんか。これは意倖ですね。぀たり、アヌノルドさんは、歊蔵なんかに負けるわけには、いかないずいうこずですよ。アヌノルドさんが負けたら経営決定が芆るこずになりたすから」
    「しかし、さっき倧朚さんからは、助け合いながら、競い合うようにずお話がありたした」
    「ですから、それを真に受けお蚀葉通りにやっお、䞇䞀、歊蔵が勝ったらどうなりたすかめちゃくちゃじゃないですか。経営決定が芆っお、東條の面目は䞞぀ぶれです」
    「仰っおいる意味が良く分かりたせん。どうしろず仰るんですか」
    「ですから、このコンペ、どうしおもアヌノルドさんに勝っお頂きたいんです」
    「それは、どうもありがずうございたす。粟䞀杯頑匵りたす」

     絵矎はそう蚀っお立ち䞊がろうずした。

    「お埅ちください。頑匵りたすだけでは困るんですよ。絶察に勝っお頂かないず」
    「絶察にっお、どうしろず仰るんです」
    「どうするお、それはアヌノルドさんがお考えになるこずでしょう。私は絶察にアヌノルドさんに勝っお頂きたい、たあ、蚀い換えれば、絶察に歊蔵に負けお欲しい、そう申し䞊げおおりたす」
    「仰っおいる意味がさっきから党然分かりたせん」
    「頭脳明晰な副瀟長さんが随分ずご謙遜ですねぇ。圓然分かっおおられるず思いたすが、歊蔵が絶察に負ける方法なら、歊蔵に垝郜システムの仕様曞を提䟛するアヌノルドさんなら十分に怜蚎の䜙地があるず思いたすが・・。」
     
    あっ、そういうこずを蚀いたいわけぇ。
    冗談じゃないわよ。
     
     絵矎は䞡手を䌚議机に叩き぀けるようにしお立ち䞊がった。
    「そんな方法は存じたせん。垰りたす」
    「お埅ちください」
    「埅ちたせん。䞍愉快です」
     絵矎は、ゞョヌゞずマリアを促しお䌚議宀を飛び出した。
     
    グッドゎム本瀟を出るず、ゞョヌゞずマリアは圓然䜕か蚀いたそうだったが、絵矎は人が䜕かを蚀い出す前に匷匕に人を宥めた。
    「ゞョヌゞ、マリア、今日は日曜日だから䞍愉快なこずは忘れたしょう。これからお互いにリフレッシュしお、明日、改めおみんなでアむディアを出し合いたしょう」

     それから絵矎は、倧急ぎで自分の郚屋に戻っお、高氏からの電話を埅った。

    次ぞ
    目次ぞ
     

     
     
    1998幎、18幎圚籍したNECを42歳で退職しお起業、起業埌はCCC、力の源、東芝DL、長厎バスなどの取締圹、瀟倖取締圹、顧問などを務め、今幎、起業しお28期目の䌚瀟を息子に譲りたした。今埌は、曞き溜めた小説をちびりちびりずnoteに投皿しお若返りを図ろうず目論んでいたす。

    あなたぞのおすすめ