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45歳経営者が“動かない勇気”を知った冬の物語

    はれまきじゅん

    売れない、響かない、資金も底をつく。

    がむしゃらに動いても、成果は出ない。
    「自分の何が悪いんだ」と自問し続けたある日、1冊の本に出会いました。

    そこにはこう書かれていました——「今は動くな、整えろ」と。

    人生にも、ビジネスにも、“季節”がある。
    あの冬を越えた私が、いま強く伝えたいことがあります。

    「社長、今のやり方じゃ、会社が潰れます」

    それは、事業を立ち上げてから5年目のある日、入社4年目の営業部長が放った言葉でした。

    怒りよりも、悔しさと情けなさがこみ上げてきたのを覚えています。

    「俺は悪くない」と言い聞かせながらも、心のどこかでわかっていたんです。新商品を出しても売れない。広告を打っても反応はない。資金繰りはギリギリ。

    私は経営していた会社の立て直しに、必死でした。

    その夜、家に帰ると、妻がぽつりと聞いてきました。
    「……あなた、本当に大丈夫?」
    「なんとかなるよ」と笑って返しましたが、内心ではもう自信なんてどこにもありませんでした。

    子どもたちの寝顔を見ながら、私は心の中でこう呟いていました。
    「パパ、もう疲れたよ」

    焦れば焦るほど、視野は狭くなる。
    誰の声も届かない。

    そんなとき、当時わが社の経営をサポートしてくれていたコンサルタントが、ある本を手渡してくれました。

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    『春夏秋冬理論』
    これは、人生や事業の流れを「春・夏・秋・冬」の4つの季節でとらえ、12年周期で循環しているとする理論です。

    自分のバイオリズムを調べてみると、私はちょうど“冬”の真っ只中にいました。

    冬は、「動くな、整えろ」の季節。
    新しいことを始めるのではなく、内側を見直し、整える時期。このとき初めて、「戦わない自分」を許せた気がしました。

    翌週、全社員を集めて方針転換を伝えました。
    ・新規事業の凍結
    ・既存顧客への徹底フォロー
    ・無駄なコストの見直し
    ・オフィスを小さく移転し、家賃を半減
    社員からは不安の声も出ました。

    でも私は、はっきりと言いました。
    「今は攻めるときじゃない。守りに集中する」

    家族にも正直に現状を話し、生活費を見直してもらいました。
    支出は一時、30%削減。
    正直、プライドはボロボロでした。
    でも私は信じていました。

    「冬に無理すると、春はこない」

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    そして、冬を抜けた翌年。
    タイミングを見て、新サービスの立ち上げ。

    ・1か月目で売上は前年同期比120%
    ・3か月目で140%
    ・半年後には180%を突破しました

    「あのとき、社長が踏ん張ってくれたから今がある」

    社員にそう言われたとき、涙が出そうになったのを覚えています。

    人生もビジネスも、一直線に成長するわけではありません。

    ときには、ぐるぐる同じ場所を回っているように感じるかもしれない。でも、それはらせん階段のように、確実に上へと進んでいるんです。

    失敗も、停滞も、すべては次の成功の準備だった。ただ闇雲に動くのではなく、「今の季節」を知ることが、何よりも大事なのです。

    ・春は、種まき
    ・夏は、拡大
    ・秋は、収穫と整理
    ・冬は、充電と準備

    このリズムに沿って動けば、自然と前に進むことができます。

    もし今、何をしてもうまくいかないと感じているなら——それは、あなたの努力が足りないからではありません。

    ただ、“季節”が違うだけかもしれません。

    この「春夏秋冬理論」、実は私が経営コンサルタントをしていた頃、クライアント支援の現場で使っていたツールのひとつでした。

    「え、占い?」と思う方もいるかもしれません。たしかに占星学をベースにしているため、スピリチュアルに感じる人もいるでしょう。

    でも、私にとっては“実践的な武器”でした。
    実際に、多くの企業再生の現場で役立っていたのです。

    私は支援の初期に、必ず経営者自身の「今の季節」を確認していました。

    それだけで、戦略の方向性も、チームへの伝え方も、大きく変わります。

    “冬”の社長に「攻めましょう」と言っても、響かないし、成果も出ません。でも、「今は守るときです」と伝えるだけで、空気が一変し、少しずつ現場に落ち着きが戻るんです。

    季節を知らずに戦略を立てるのは、地図を持たずに旅に出るようなもの。

    それくらい、強力で本質的なアプローチだと、私は感じています。

    この考え方は、経営者だけのものではありません。フリーランスも、会社員も、学生も。

    人生のリズムを知ることは、誰にとっても強力なヒントになります。

    焦らず、無理せず、でもタイミングを逃さずに前に進むために。一度、あなた自身の“今の季節”を調べてみてください。どんな経営戦略よりも、まずそこから始めることをお薦めします。

    歴史が証明する「占星学」の力──人生のリズムを読み解く知恵

    占星学というと、「なんだかスピリチュアル」「信じるか信じないかの話でしょ?」と、つい現代人は距離を置きがちです。けれど、それはとても表層的な見方かもしれません。

    來夢さんが説く『春夏秋冬理論』では、「らせんの法則」を通じて人生のリズムを読み解くことの大切さが語られています。そしてその根底には、占星学という深い知恵が息づいているのです。

    実は、占星学は決して“昨日今日できた流行りもの”ではありません。
    何千年という歴史を持つ、人類が育んできた叡智。かつて、レオナルド・ダ・ヴィンチの時代には、医者が占星学を学ぶのは当たり前でした。なぜなら、星の動きと人間の心身は密接に関わっていると考えられていたからです。

    さらに歴史をたどれば、占星学は帝王学としても用いられてきました。東洋でいえば、あの三国志に登場する天才軍師・諸葛孔明も、星を読み、天命を知る人物でした。彼の采配には、自然の流れや天の意志を読み取る感覚が根底にあったのです。

    日本でも同様です。江戸時代まで存在していた「陰陽寮(おんみょうりょう)」という役所は、占いや天文、時間、暦の編纂を担っていました。つまり、国家が“公式に”宇宙のリズムを重視していたということです。

    こうしてみると、占星学とは「信じる・信じない」の話ではなく、
    人間がよりよく生きるために、古来から受け継いできた“時の地図”ともいえるものなのです。

    おわりに

    私はこの「春夏秋冬理論」を、一つの有効な考え方として、多くの方に知っていただけたらと思っています。

    この記事が、どなたかの気づきやヒントとなれば幸いです。

     
     
     
    中小企業経営×会計×ストーリーデザイナー。元経営者・元コンサル。拙著『日本一わかりやすい!ザ・決算書ドリル』。30人以下の会社で働く社長・管理職・社員の方々へ。AIとの対話や決算書を通じて、現場の悩みを物語でやさしく紐解きます。※Amazonアソシエイト参加。

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