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オイルショックの思い出

    ニュースでホルムズ海峡封鎖が長引いて日常生活にも影響が出ていることを知りました。筆者は1970年代のオイルショックを、中高校生時代に経験しました。最近ではみうらじゅん先生の造語「老いるショック」のほうが身近な衝撃でした。あれから半世紀を経て令和のオイルショックが訪れようとしており、「歴史は繰り返す」という諺を実感しています。
    (注意)表紙画像はGoogle Geminiで生成しました。

    筆者のオイルショック経験談を3つ紹介します。若い世代のみなさんが現在あるいは近未来に何が起こるのか考えるヒントになるかも知れません。



    1.近所のおじさんの死


    当時、中高生だった筆者は世界の政治や経済については無知でした。父の勤める会社は安泰でしたが、トイレットペーパーが無くなるという噂が拡がり母のお供でトイレットペーパーを買いに行ったことがあります。

    近所に幼なじみ(兄のような先輩)がいて、筆者と遊んだり面倒をよく見てくれました。先輩の父親は大企業の造船部門技術責任者で、戦艦大和や空母赤城などのプラモデルを部屋に飾っていました。彼の家で筆者がノートに潜水艦の絵を描いていると、「普通の子供は外形だけを描くのに、君は潜水艦の内部構造まで描いているね。偉いね。将来理科系に進むといいよ。」とベタ褒めしてくれたのを覚えています。



    そのおじさんが先輩の大学受験直前に自死しました。後で父に聞いた話ではオイルショックで彼の会社の造船部門がなくなり、いろいろな責任を背負っていたそうです。悲しい出来事でしたが、先輩は無事京都の大学へ進学し、筆者はおじさんの遺志を継いで理科系に進みました。

    オイルショックの犠牲者:「昭和の武士」の話でした。



    2.オイルショックの後


    筆者が技術系企業に入社したのは昭和高度成長期の末期でした。筆者は上司に恵まれ、社外の様々な中小企業との共同技術開発を経験できました。中小企業の社長や技術者の中にはオイルショックで倒産や失業を経験した人が多く、彼らから仕事以外に苦労話や人生論を教わりました。不運をバネにして努力と信念のもと充実した人生を送るほうが、大企業で出世競争の巻き込まれ無為無策の人生を過ごすよりはるかに魅力的と感じるようになりました。



    そうした諸先輩のひとりから聞いた話をします。彼は戦後GHQの監視を逃れて元軍用飛行機企業所有の工作機械を運び出し、鍋や釜など民生品から再スタートしました。自動車やヘリコプターを生産する企業を興し、常務まで上り詰めました。しかしオイルショックで倒産した大手商社に義を通し会社に損失を与えたことで、更迭されたそうです。その後彼は中小企業診断士の資格を武器に自営業(技術士事務所)を開設し、地元の中小企業を支援してきました。地域や行政と連携し80歳を超えてもいきいきと活躍していました。

    オイルショックの克服:「人間万事塞翁が馬」という話でした。



    3.エネルギーについて思うこと


    筆者は半世紀前に大阪の大学へ進学し、大阪万博跡地にできた大学キャンパスに未来を見ました。オイルショック後、化石燃料に代わるエネルギーを生み出す実験用小型原子炉やレーザー核融合研究施設がありました。半世紀経った現在でも商用核融合は実現できていませんが、「大きなエネルギーを安全に運転制御する技術」が人類を悪い方向から平和な世界へ軌道修正する福音になると信じています。



    筆者が永年勤めていた会社は、小型原子炉の普及を目指し北米企業を買収し事を進めていました。しかし東日本大震災で事業が吹き飛び会社自体が傾いてしまいました。日本ではオイルショック後、脱炭素やエコ活動を謳い原子力発電事業もエコ活動に貢献してきたはずです。しかし原発事故以降、環境運動やエコ活動がトーンダウンし化石燃料発電に逆戻りしてしまいました。自然エネルギーは環境負荷や送電問題を抱えており、高エネルギー密度2次電池は安全性や資源・コスト問題を抱えています。現時点では原発に頼れず、原始的で実績のある熱機関や重力発電と交流送電システム技術から抜け出せないため、エネルギー価格高騰を我慢するしかないようです。

      令和のオイルショックは政治経済に悪影響を及ぼしますが、

      見方を変えて「エネルギー技術革新の背中を押す」起爆剤
      になることを期待しています。

    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    中学生時代に技術家庭科の評価が「5(5段階の最高)」だったことを唯一のよりどころに少し役に立つかもしれないものの製作記事を中心に投稿します。また「カラクリ探偵団」,「入門電子回路工作」,「信号処理入門」など少し科学的な記事も投稿します。よろしくお願いします。

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