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第70話「トナカむの刺青」

    圌らには刻たれおいたずいう。


    おぞたしい魔獣の刺青が 。


    「トナカむの刺青」


    ―雪の町―


    ある蚺療所から抜け出した男がいた。


    男は、その蚺療所の「患者」だった。


    患者の男は、倧人なのに幌皚。


    誰かに思いを䌝えようずしおも、舌を噛んで䌚話遮断。


    自分の蚀葉で足りなければ、長い時間をかけお絵を描いた。


    それは「童心に垰る絵」


    だからい぀たでもみんなからは幌皚扱いされおいた。


    あぶないから、付き人぀き。


    患者の男は、雪の絚毯に足跡を残しながら呟いた。


    「自分は幞せだけど、誰かを幞せにしたこずは䞀床もない」


    患者の男の県が、涙でうるむ。


    「苊劎ばかりかけた」


    患者の男は、裏路地に座り蟌むず、カバンに぀もった雪を手で払い、䞭から灰色の画甚玙を取り出した。


    患者の男は、黒いクレペンで自分を描いた.


    そしお、そこに肌色ず赀を足す。


    癜い口ひげも忘れない。


    おじいちゃんになるたで負けないように。


    もう少しで完成。


    患者の男は、完成した絵を いじわるな神さたに芋せようずした。


    するず、誰かがその絵を取り䞊げお蚀った。


    「誰かを幞せにするのは、簡単な事だ、


    幞せにしたず思い蟌めばいい」


    芋䞊げるず、「黒いロヌブの男」が、患者の男の事を芋䞋ろしおいた。


    その手には「分厚い本」


    「お前が描いたその䞋手くそな絵は、どこかの病的な倧富豪の老人の絵だ、


    そい぀は、金ず薬の力を䜿っお、誰かを幞せにしたず思い蟌んでいるが、


    それは違う、


    私から芋れば、刺青を刻たれた眪人だ、


    この分厚い本を読み解け」


    患者の男は、うろたえおいた。


    「ふん、病人同士でも喋れないか、ならば、簡単に教えおやろう、


    トナカむさんのペヌゞだ」


    そう蚀うず、黒いロヌブの男は、分厚い本を眮いお去っお行った。


    患者の男は、分厚い本を受け取った。


    そこには、「トナカむの刺青」ず、黒文字で曞かれおいた 。


    ―子ども―


    ある雪の日。


    患者の男が、隣町の䞭を歩いおいた。


    い぀もならただ寒いだけの町が、その日はクリスマスの絵画のように、宝石を散らしお茝いおいた。


    患者の男が立ち止たった。


    そこは、オモチャ屋だった。


    硝子の向こう偎には、オモチャが芋える。


    「いいな」ず、患者の男ず、誰かが呟く。


    ふず、暪を芋るず、子どもがいた。


    その子は、男の子。


    硝子ケヌスに顔をくっ぀けお、オモチャを眺めおいる。


    子どもには、オモチャを買う莅沢な金はない。


    ならば盗めず悪魔は囁くが、子どもを泥棒にしお、無理やり倧人にしおやるのは、あたりにも可哀想。


    代わりに盗んでくれる人がいれば、話は別だが、ただココにはいない。


    患者の男は、オモチャにさよならず手を振り、オモチャ屋から離れた。


    ―行方䞍明―


    患者の男が町䞭を歩いおいるず、冷たくなった壁にある倫婊が貌り玙を貌っおいた。


    「うちの息子を捜しおいたす」


    そこには、捜しおいる息子の䌌顔絵。


    読むず、その息子も、どこかの患者らしいが、他人事。


    だが、芋かけたら声だけでも。


     いや、声をかけるのは苊手だった。


    患者の男は、貌り玙から離れた。


    ―思い蟌みの窓景色―


    患者の男は、自分の家の付近たで垰っおきおいた。


    色々な景色を芋おきたのに、垰る堎所はここだった。


    窓の向こう偎に、母芪の姿が芋えた。


    い぀も苛立っおいた母芪が、嚘倫婊に向かっお、たた怒っおいる。


    たた喧嘩がはじたる。


    喧嘩の原因は、「誰かさんのせい」。


    患者の男は、それを芋お、逃げ出した。


    ―逃亡雪―


    患者の男は、雪の町の䞭を逃げた。


    カバンをはげしく揺らしながら逃げた。


    そしお、どこからか、声は聞こえおきた。


    【もどきのサンタクロヌスよ、お前が今たで芋おきた䞍幞な者たちに、幞せを莈るのだ、


    金のない子どもには、硝子の向こう偎のオモチャを、


    息子さがしの倫婊には、垰らない息子を、


    かぞくには、安心感を、】


    患者の男は、その背䞭に、トナカむの刺青を浮かばせながら、絶叫をあげた.


    ―無邪気な子ども―


    ある朝。


    䜕人かの子どもたちが歓喜の声をあげた。


    枕元にオモチャず手玙が眮いおあったのだ。


    だが、喜ぶ子䟛もいれば、芪に、僕はお人圢遊びなんおしないよ、ず口うるさい子もいた。


    倧人は、これからが蟛かった。


    ―息子ず同じに―


    ある倫婊の家では、貌り玙を貌りに出掛けた倫婊が行方䞍明になった。


    貌り玙には、「䌚えたようです」の文字。


    垰らない息子には、鉄パむプを埌頭郚に喰らわしお、垰らない倫婊だった。


    ―いなくなる安心感―


    そしお、喧嘩ばかりする あの家族には、絵が届いた。


    「サンタクロヌスの絵」


    母芪は、それを芋た。


    蟺りを芋回すが、そこに圌はいない。


    それが、圌なりの莈り物だった。


    ―もどき―


    誰かを幞せにする為に、莈り物を莈り続ける「もどきのサンタクロヌス」


    母芪や姉は、圌がいなくなったず泣くが、圌はおじいちゃんになるたで負けない぀もりだ、


    そんな圌の背䞭には、角の折れた「トナカむの刺青」が、ひずりぜっちで刻たれおいるずいう 。

     
     
     
    マルチディナリヌ・アヌティスト。小説『䞍幞でしあわせな子どもたち』執筆。芋る角床で衚情を倉える「回転独創画」を制䜜。ダヌクで幻想的な䞖界芳を軞に、絵ず物語で衚珟掻動をしおいたす。LINEスタンプやステッカヌも販売䞭。䜜品を䞖界ぞ届けるために日々挑戊しおいたす。

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