
アイスカフェオレ
身体に熱がこもるようになってきたこの季節には、よくアイスカフェオレが飲みたくなる。厳密に言うとこの日に飲んだのはアイスカフェラテなんだけれど、ここでは「アイスカフェオレ」という題にしたい。
俺のおれはカフェオレのオレだよ。聞き慣れない標準語でそう言うあなたが好きだった。
運ばれてくるカフェラテはいつものように牛乳とエスプレッソが分かれている。なんとも言えないこのきれいなグラデーションもとっても好き。
牛乳とエスプレッソ、異なる2つのもの。
アイスカフェオレに刺さっているストローはたいてい細いものばかりで、本当に細いのにちゃんと飲むことができるから不思議。なんで細いストローなんだろう。
そんなことを考えながらそのストローを軽く持ちあげてグラスの底に突きさす。そうすると、さっきまで分かれていた牛乳とエスプレッソが混ざり合っていく。クルクルっとグラスの中で2周ぐらいすると、跡形もなく一つの色を成す。
この瞬間がとっても好き。牛乳とエスプレッソが混ざって一つになる瞬間。2つのものがきれいに1つになる瞬間。
もう3年も前のことになるね。あなたと同じときを共有できた瞬間は。
彼は不思議な人だった。わたしは彼が発するものはなんでも愛おしく思えた。あなたという存在が愛おしかった。
でもどうしてだろう、わたしはあなたと違うという感覚がすごくあって、あたりまえのことなのにあたりまえのそれとは違って、どうしても混ざり合えないような気がしていた。
あのときは真実だったかのような感覚が、3年も経てば分からなくなるね。いつでも繋がれる状況だとふと思い出すことがある。だからあなたとはもう繋がっていられないんだけど、あなたから再び繋いでくれたものを完全に切れるくらいに、わたしはあなたへの気持ちを削ぎ落とせているのだろうか。
そばにいてほしい、
そんな欲望はないけれど
そばにいたい、
あなたを見ていたいという感情を否定できない。
あなたがいなくてももうなにも困らないし、
あなたじゃない人を愛することができるのもわかった。
それなのに、
ここにあなたがいたらなんて言うのかな、どんな表情をするのかな、なにを思うのかな、
なんて思っちゃうことがあるんだよ。もう3年なのにね、笑っちゃうよね。
いつかこの気持ちもちゃんと涙がこぼれないぐらいには薄まるのかな、。
繋がりを切ってしまえば、本当にどう頑張っても今のあなたに触れられない状況になったなら、後ろを振り返る時間は減るんだろう。
だけどわたしには、わたしたちの関係には伝えきれてない何かが多すぎたような気がして、ちゃんと伝えたいって3年ぶりのわたしが言っているんだ。
アイスカフェラテが混ざりあうのを見て、
それがすごく遠い存在に感じて、
そんなアイスカフェラテを飲み干すことで、
不思議な満足感を得た。
本日訪れたカフェ: Chill’s Kyoto (57-3 Kamigamo Misonoguchicho Kita-ku, Kyoto-shi, Kyoto-fu)