自分だけが恩を与えたと思い込んでいた話|あとがき
いうまでもなく、私がBさんを雇ったわけではありません。
そういう話ではありません。
ただ、人間というのは、こうした因果関係に対して驚くほど無頓着なのだと感じました。
そして、そういう二人だからこそ、その後ひっそりと会社を去ることになったのではないかとも思います。
とはいえ、私も決して善人ではありません。
出会った当初、Bさんに少なからず好意を抱いていたのは事実です。
そういった感情が、どこかで見抜かれていた可能性もあるでしょう。
ただ一言、
「ほんの少しでも運命を回した側の人間として、何か一言あってもよかったのではないか」
それが一貫した感想です。
結局、それだけの話なのです。
後日、私生活や仕事面で何かと行き詰まったBさんは、同じ会社に今度は社員として入社してきました。
もちろん、その企画担当のコネによるものです。
私は強い不快感を覚えました。
少なくとも、自分のチームに入れる選択肢はありませんでした。
程なくして、どのチームでも問題を起こすBさんは居場所を失い、退社していきました。
正直に言えば、かなりホッとしたのを覚えています。
