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大絶滅展(大阪)レポ! アンモナイトのしぶとさは必見。あと混雑がヤバい

    大阪市立自然史博物館で開催中の『大絶滅展~生命史のビッグファイブ~』を見てきました。

    もともと国立科学博物館(科博)が企画し、東京会場では会期中に合計50万人が訪れて入場待ちの大行列まで発生した大人気展です。

    気になる方も多いと思うので、展示の見どころと、覚悟しておくべき混雑状況をお伝えします。

    (※本投稿にはアフィリエイト広告が含まれます)

    基本情報

    • 会期:2026年7月17日~10月12日(月曜休館)

    • 開館時間:9:30~17:00

    • 会場:大阪市立自然史博物館(長居公園)

    • 料金:大人2,000円

    • 音声ガイド:機器貸出650円、アプリ課金800円

    • 所要時間:駆け足で1時間、丁寧に見て3時間
      (混雑状況で大きく変動)

    ▶チケット購入はこちら

    音声ガイドは俳優・歌手の福山雅治さん。かなり濃い内容をイケボで聴くことができ、おすすめです。

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    そもそもビッグファイブとは?

    地球に生命が誕生したのは約40億年前です。

    それ以来、新しい生物種が誕生し続ける一方で、環境に適応できず絶滅する生物種も。一般に、100万年で生物種の約10%が絶滅するとのことです。

    ところが過去には、短い期間に生物種の大半がごっそり消える規格外の大絶滅が発生しました。

    有名なのが隕石衝突による恐竜絶滅ですが、これと同規模の大絶滅が他に4回も発生しているとのこと。

    この計5回の大絶滅こそが「ビッグファイブ」です。

    • オルドビス紀末:約4.4億年前

    • デボン紀後期:約3.7億年前

    • ペルム紀末:約2.5億年前

    • 三畳紀末:約2.0億年前

    • 白亜紀末:約6600万年前(恐竜絶滅)

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    本展の趣旨は、この5回の大絶滅について、

    • 何が起きたのか

    • どんな生き物が絶滅したのか

    • 絶滅後に生態系はどう再生したのか

    といった経緯を化石などから辿るというものです。

    最初の大絶滅:オルドビス紀

    入館するとそこは、約4.4億年前に起きた第1回の大絶滅のエリア。

    会場には奇っ怪な生き物の模型や化石がところ狭しと展示されています。なかには、アノマロカリス、三葉虫、ハルキゲニアなど、超メジャー級も。

    これらは、生き物が急激に多様化したカンブリア紀~オルドビス紀に繁栄していた古生物たちです。

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    左:アノマロカリス模型 右:実物化石

    ・ネットで話題になったあの魚

    個人的な注目ポイントはサカバンバスピス。あまりにも間の抜けた顔で話題になった原始的魚類です。

    今でも一部で人気ですが、こんなところで出会えるとは思いませんでした。

    しかし、この化石からなぜこの姿になるのか、素人にはさっぱりです。もちろん考証の結果でしょうが、遊び心が混ざっているのかもしれません。

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    左:サカバンバスピスの模型 右:実物化石(腹部の骨板)

    ・無慈悲な大絶滅

    平和な時代はいつまでも続きません。

    大規模な火山活動によって気候変動が発生。サカバンバスピスをはじめとする奇妙な生き物たちの多くは姿を消します。

    とはいえ、すべての生き物が死に絶えたわけではありません。生き延びたウミサソリやコノハエビたちがその後に海の覇者となっていくのです。

    ・現代でも見かける生き物

    生き延びたグループには、サンゴ、イソギンチャク、ヒトデなども。彼らはマイナーチェンジをしながら5回の大絶滅を耐えて現代まで生き延びます。

    「海の底の地味な奴」というイメージでしたが、その圧倒的な生存能力を知ると印象が変わります。

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    左:クモヒトデ類の実物化石 右:サンゴの実物化石

    大絶滅スフィア

    第1回の大絶滅のエリアを抜けると、「大絶滅スフィア」という地球儀型のモニターが現れます。

    ここでは、5回の大絶滅を映像で簡単に紹介。

    大絶滅スフィアを囲むように第2回~第5回の大絶滅のエリアが配置され、好きな順番で回る構成です。

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    福山雅治さんのイケボが時々流れる

    第2回の大絶滅:デボン紀

    最初の大絶滅から時間が経つと生態系も回復し、新しい生き物たちが登場してきます。

    会場で目を引くのは、海の支配者「ダンクルオステウス」。頭部だけで1メートルはある巨体と頑丈そうな骨格は、先ほど絶滅したサカバンバスピスと格の違いを感じさせます。

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    ダンクルオステウスのレプリカ骨格

    ・影の主役、アンモナイト登場

    この時期で重要なのが、アンモナイトの登場。

    地味な見た目ですが、実は本展の「影の主役」とでも言うべき存在。涙なしには語れない進化の歴史を紡いでいきます。

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    初期のアンモナイトの実物化石

    ・自然はやはり無慈悲

    このように、最初の大絶滅を生き延びた生き物たちが進化し、再び多様な生態系が復活しました。しかし、自然はそう甘くはありません。

    前回の大絶滅から約7000万年後、またしても大規模な火山噴火が発生。それによって地球が寒冷化すると同時に海洋が無酸素化し、ふたたび大絶滅が引き起こされます。

    先ほどのダンクルオステウスのような大型魚類はもちろん、アンモナイトも大部分が絶滅。しかし、生き延びた一部のアンモナイトは再び増加して繁栄することとなります。

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    絶滅したアンモナイトたち

    ・大絶滅を促進した意外な犯人

    実は、第2回の大絶滅は主に海洋で起こり、陸上への影響は軽微でした。

    地獄のような海洋を横目に、陸上では大型の植物が誕生して森林が形成。そこに多くの動物が住み着いて豊かな生態系が形成されたそうです。

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    最古の樹木「ワッティエザ」のレプリカ化石。手前のオレンジ色の部分が幹。
    その上から放射状に伸びる黒い部分が葉。

    しかし、森林の存在が意外な事態を起こします。

    先ほど述べたように、この時期は火山噴火による寒冷化の真っ最中です。そこに森林が二酸化炭素を吸収したことで寒冷化が加速。これが海洋の大絶滅を促進したのです。

    森林保護が叫ばれる現代の感覚からすると、「植物が増えすぎて環境悪化」というのは皮肉な話です。

    ・森林が生み出した化け物

    森林の存在は、「酸素濃度の増大」という別の影響を及ぼしました。この高い酸素濃度が大型の節足動物、要するに「デカい虫」を登場させるのです。

    その代表は全長2メートルの巨大ヤスデ「アースロプレウラ」。そのヤバすぎる見た目でひときわ注目を集めていました。

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    アースロプレウラの実寸大模型

    第3回の大絶滅:ペルム紀

    第3回の大絶滅の原因はやはり大規模な火山噴火。

    というより、ビッグファイブは第1回~第4回が火山噴火、第5回だけが隕石衝突、というのが定説です。大絶滅というと隕石衝突のイメージでしたが、火山噴火の方がメジャーなようです。

    第3回の大絶滅で重要なのは、陸上の支配者であった単弓類(哺乳類に近い生き物)の大部分が絶滅し、代わりに爬虫類が天下を取ったことです。

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    単弓類の代表「ディメトロドン」のレプリカ骨格

    ・アンモナイト君、怒りの武装化

    一方、影の主役のアンモナイト君。やはり大絶滅に巻き込まれて多数が絶滅しますが、それでも一部のグループはしぶとく生き延びて再び繁栄します。

    しかし、それだけではありません。なんと、生き残ったグループの一部は、殻にトゲやイボを付けて武装化する方向に進化したのです。

    誕生から約1.5億年。人間は「年を取ると丸くなる」と言われますが、アンモナイト君には当てはまらなかったようです。

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    武装化アンモナイトの一種

    本展の化石では武装化が分かりにくかったため、ネットで写真を探してきました。興味がある方はアンモナイト君の雄姿をぜひご覧ください。

    ・謎の魚、ヘリコプリオン

    このエリアで個人的なおすすめは、ヘリコプリオンの歯の化石。まるで巻貝のようにも見える、「渦巻き状の歯」という独特の構造です。

    発見当初は学者たちですら困惑し、「尻尾やヒレに付いた防御用の器官ではないか」などと迷走。結局は下あごだと結論付けたそうです。

    ネットで変な生き物として一時期話題になりましたが、こんなところで見れるとは思いませんでした。

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    左:ヘリコプリオンの歯の実物化石
    右:復元図(Wikipediaから引用。Entelognathus氏作成。CC 表示-継承 4.0)

    第4回の大絶滅:三畳紀

    第4回の大絶滅が起こる頃には、前回覇権を取った爬虫類が細分化し、シュードスキア類(ワニの仲間)が大繁栄していました。

    しかし、このシュードスキア類は大半が絶滅。代わりに天下を取ったのが、みんな大好き恐竜です。

    恐竜からすると、前回の大絶滅では単弓類が絶滅、今回の大絶滅ではシュードスキア類が絶滅。強力な支配者が次々と退場したおかげで出番が回ってきた形です。進化は運ゲーかもしれません。

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    左:天下を取った恐竜(クリオロフォサウルス)
    右:ほぼ絶滅したシュードスキア類(レドンダサウルス)
    いずれもレプリカ骨格

    ・アンモナイト君、大学デビュー

    ところで、アンモナイト君も例によって大部分は絶滅しますが、一部のグループはしぶとく生き残って再び繁栄。お馴染みの展開です。

    生き残ったアンモナイト目プシロセラス属というグループは、シンプルな外観です。しかし、その後の進化で殻に装飾を持つグループが派生。そう、アンモナイト君がオシャレに目覚めたのです。

    まあ、「装飾」といってもただの凸凹ですが……。

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    左:生き残ったプシロセラス
    右:進化で装飾(?)を得たグループ
    いずれも実物化石

    第5回の大絶滅:白亜紀

    第5回の大絶滅は、恐竜を滅ぼしたとされる有名な隕石衝突です。

    現在では、メキシコのユカタン半島に直径10kmの隕石が落下したと解明されています。衝突の証拠となる地質資料も展示され、思わず見入りました。

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    赤い目印の層が隕石衝突を示すらしい

    そして恐竜は絶滅、我々哺乳類の天下となります。

    思い返せば、哺乳類の先祖(単弓類)は過去に地上を支配していましたが、第3回の大絶滅でほぼ壊滅。しかし、そこから第4回・第5回の大絶滅を生き抜いて約1.9億年ぶりに天下を奪還したのです。激熱。

    ・さらばアンモナイト君

    ところで、アンモナイト君はこの時期には再び繁栄し、多様な種類が登場。どうも大型化したようで、これまでに展示されていたアンモナイト君より明らかにゴツいです。

    目を引くのが、U字型に進化したアンモナイト君。一瞬、工事に使う部品が紛れ込んでしまったのかと思いました。

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    隕石衝突前に繁栄していたアンモナイトたち

    アンモナイト君は今回も隕石衝突によって大部分は絶滅しますが、一部が生き残って再び繁栄……はせず、今回ばかりは本当に絶滅してしまいました。

    それでも隕石衝突後も50万年は耐えたそうで、このしぶとさは見習いたいものです。

    ところで、本展ではアンモナイトの展示が妙に気合が入っていました。おそらく監修者にアンモナイト推しがいます。

    第6回の大絶滅?:現代

    最後のエリアは現代です。

    ここでは、人間の乱獲によって絶滅したステラーダイカイギュウと、人間の保護活動によって生き延びているアマミノクロウサギが、対比する形で展示されていました。

    現在は「第6回の大絶滅に入っている」とする考え方もあります。人間は、生物を絶滅させる側にも、絶滅から救う側にもなれる。……そんな考えさせるエンディングでした。

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    ステラーダイカイギュウの実物骨格

    福山雅治さんのコーナー

    会場のすぐ外では、福山雅治さんが撮影した写真の個展が行われていました(入場無料)。

    福山雅治さんは『ホットスポット 最後の楽園』という自然環境に関する番組に出演。その収録の際に世界各地の絶滅危惧種を撮影し、今回展示しているとのことです。

    撮影禁止のため詳しく紹介しませんが、厳しい自然で暮らす生き物たちの姿を生き生きと捉えており、普通にプロレベルでした。

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    天は二物以上を与える

    グッズショップ

    グッズショップには、図録、ぬいぐるみ、Tシャツ、クリアファイルなど定番がしっかり並んでいます。

    コラボしているすみっコぐらしやゾイドも、私が訪れた時点では普通に購入できました。

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    アノマロカリスやサカバンバスピスのぬいぐるみ

    そして大阪限定のコラボが、まさかの551蓬莱。

    ……なぜそこと。
    偉い人の考えることは分かりませんが、「大阪やしええやろ」ということかもしれません。

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    会場の近くに551店舗がないのが残念

    混雑がとにかくヤバい

    気になる混雑状況ですが、日曜の朝に行ったところ、シャレにならないレベルで人が多かったです。

    入場制限こそないものの、館内で3時間ほど過ごしたうちの1時間は展示を見るため並んでいる時間。最後の方は少し気分が悪くなりました。

    東京会場の盛況ぶりを考えると、大阪会場も会期末に向かってさらに混雑する可能性が高そうです。

    一方、初日に訪れた方によると、平日であったためか比較的空いていたそうです。

    できるだけ早く、なるべく平日に行く。これだけは覚えて帰ってください。

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    第1回の大絶滅のエリアの混雑状況

    おまけ:常設展・長居植物園

    大絶滅展のチケットがあれば、大阪市立自然史博物館の常設展と長居植物園も回れます。

    常設展は大阪を中心とした生物・地理の展示、植物園はキッチンカーも出ていて森林公園のような雰囲気です。時間があればついでにどうぞ。

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    常設展
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    長居植物園

    おわりに

    定期的に大絶滅しては新しい種が生まれ、入れ替わりながら進化していく——自然の厳しさと生命の逞しさを感じました。

    人類には絶滅してほしくありませんが、もし絶滅したとしても、それすら次の進化への足がかりなのかもしれません。

    正直なところ、恐竜などの派手な展示は少なめで、アンモナイトや魚や植物といった地味な展示が中心です。それでも、いろいろ考えさせられる面白い展示でした。

    ……が、とにかく混雑はきつかったです。繰り返しますが、できるだけ早く、なるべく平日に行くことをおすすめします。


    ▼コーヒーの歴史や美味しい入れ方を学べます。

    ▼旧監獄を利用した一風変わった博物館です。

    ▼今回影の薄かった恐竜を満喫したい人向け。


     
     
     
    万博の話ばかりしています。本業は特許事務所に勤務する弁理士で、メーカーの開発した技術を特許化するための支援を行っています。専門は化学とバイオです。 このnoteでは、万博の情報と科学知識を紹介していきます。

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