
ポークビーンズ
お家にトマト缶、大豆の水煮、豚肉があったので、ポークビーンズを作ることにした。
ネットで簡単そうなレシピを検索し、作っていく。
完成したポークビーンズからは懐かしい給食の香りがした。
ポークビーンズをお皿に盛りながら、「めっちゃ給食の匂いするね!」と夫と話していた流れで、私は夫にこう伝えた。
「小学生の頃、ポークビーンズ苦手だったんだよね。」
「えっ!?そうなの?
じゃあなんで作ってくれたの?笑」
夫にそう聞かれて、私はポークビーンズが苦手だったのにどうして作ったのだろうとふと考えてみると、3つの理由が出てきた。
1つ目の理由は、お家に材料があったから。
2つ目の理由は、夫がトマト系の料理が好きで、作ったら喜んでくれるかなという気持ちがあったから。
3つ目の理由は、昔は苦手だったけど、最近はひじきの煮物などに入っている大豆も美味しく感じるようになって、同じ豆系だし、今なら美味しく食べられるかもしれないと思ったから。
小学生の頃、給食で出ていたポークビーンズ。
私は給食に出てくる豆系のメニューが苦手だった。ポークビーンズをはじめ、ひよこ豆のサラダ、納豆、ミネストローネスープ(豆入り)など、豆が入っているものは全般、苦手意識があった。
(例外として、大豆の甘辛揚げだけは大好きで、これが出る日は嬉しくてたまらなかった。)
豆のパサパサ感、口の中の水分を持っていかれる感じが好きになれなかった記憶がある。食べても食べても減らない気がするお豆たち。
食べなきゃという気持ちから逃れるために、お皿にのっている豆の数をなんとなく数えてみたりもしていた。
食べるペースもゆっくりだった私は、給食の時間が終わって昼休みになっても残って食べていることもあった。
豆のメニューが出た日は特に、お豆を牛乳でなんとか流し込みながら、早く食べなきゃと内心焦りながら食べていたという苦い記憶がある。
そんな思い出のあったポークビーンズだが、大人になって作ったポークビーンズは、とても美味しく感じた。
美味しいという表現よりも、ほっとする味だった、という方がしっくりくるかもしれない。
懐かしい香りも含め、あつあつのポークビーンズは身体に染み渡る感じがした。
昔のように飲み物で流し込むことはせず、一口ずつゆっくりと味わって食べた。
ポークビーンズってこんなに美味しい食べものだったんだ。
昔はどうして給食にポークビーンズが出てくるのか謎だったけれど、今ならメニューとして選ばれていた理由が何となくわかる気がした。
トマト、じゃがいも、玉ねぎなど、野菜もたっぷり入っているし、豚肉パワーで力も出る。そして何より、大豆の優しい甘さを感じられて栄養たっぷりで、身体にとっても良いメニューだということを、30代になってようやく気づくことができた。
これは成長期の子どもたちにぜひ食べてもらいたいメニューだなぁ、と妙に納得しながらポークビーンズを味わったのであった。
昔は苦手でも、人生を過ごしていく中で食べられるようになったり、中には大好きになったりする食べものがあったりもする。
味覚って不思議だなぁと思いながら、ポークビーンズを美味しく食べられるようになったことでちょっぴり嬉しくなった私は、まだまだ子どもなのかもしれないなと思った。