「音声や動画を作るAI」、種類が多すぎて何から始めればいい?——4ジャンルで全体像をつかむ【📚 AI教養100選 第53回】


「ElevenLabsって聞いたことあるけど、RunwayやHeyGenとは何が違うの?」
「音楽まで作れるAIがあるって聞いたけど、自分には関係ない話?」
 
ここ2〜3年で、音声・動画・音楽をAIで作るツールが一気に増えた。
ニュースで名前を目にするたびに「また新しいツール……」と感じている人は、きっと多い。
 
でも実は、どれだけ種類が増えても、大きく4つのジャンルに分けると整理できる。
このジャンル分けさえ頭に入れば、新しいツールが出てきたときも「あ、これは音声系ね」と冷静に受け止められる。
 
今回は、その4ジャンルの全体像と、各ジャンルの代表ツールを丁寧に紹介する。
「自分がやりたいことにはどのAIを使えばいいか」——読み終わったときに、それが判断できる状態にするのがゴール。
 
---
 

まず知っておきたい:4ジャンルの全体像

 
AIで音声・動画をつくるツールは、大きく4つのカテゴリに整理できる。


| ジャンル | 一言で言うと | 代表ツール |
|---|---|---|
| 🎙️ 音声合成 | テキストを"声"に変える | ElevenLabs、VOICEVOX |
| 🎬 動画生成 | 画像・テキストから映像を作る | Runway、Sora、Kling |
| 🧑‍💻 アバター生成 | 顔や人物をAIキャラに変える | HeyGen、D-ID |
| 🎵 AI音楽 | プロンプトから楽曲を生成 | Suno、Udio |
 
この4つが「地図」になる。
ツールの名前が増えても、どのジャンルの地図のどこに置くかを考えれば迷わない。
 
---
 

🎙️ ジャンル① 音声合成AI——「声を出さずに声を作る」

 

どんな人向け?

 
> 顔出し・声出しなしでナレーション動画を作りたい人
> 読み上げコンテンツを自動化したい人
 

代表ツール:ElevenLabs

ElevenLabs(https://elevenlabs.io)は、2026年8月時点で最もクオリティが高いと評価されている音声合成サービスの一つ。
テキストを貼り付けるだけで、自然なイントネーションの日本語音声が数秒で生成できる。
 
無料で使える範囲(執筆時点)は、毎月約1万文字分。
10〜15分程度の音声に相当するので、週1本のショート動画のナレーションなら無料プランで十分始められる。
 
使い方のおおまかな流れはこうだ。
 
まず、ChatGPTやGeminiでナレーション原稿を作る。
次に、ElevenLabsの「Text to Speech」機能に貼り付ける。
言語を「Japanese」に設定し、声のタイプを選んで再生ボタンを押す——それだけ。
 
声の選び方は、落ち着いたトーンで安定感があるものを選ぶと汎用性が高い。
Stability(安定性)をやや高めに設定するだけで、ほとんどの用途に対応できる。
 
ここで大事な判断ポイント:
音声がどれだけ自然でも、内容に誤りがあれば意味がない。
固有名詞・数字・日付は、必ず自分の目で確認する。
「声の品質」より「内容の正確さ」——これは音声AIを使う全員が持つべき原則。
 
---
 

その他の音声合成ツール

 
VOICEVOX(日本製・無料):ずんだもんなどのキャラクターボイスで知られる。商用利用条件は公式サイトで必ず確認を。
 
---
 

🎬 ジャンル② 動画生成AI——「画像や文章から映像を作る」

 

どんな人向け?

 
> SNS用のショート動画を作りたいけど、カメラの前に立ちたくない人
> ビジュアルコンテンツを増やしたい個人・小規模チーム
 

代表ツール:Runway

 
Runway(https://runwayml.com)は、1枚の画像から動画を生成できるツールの代表格。
ペットの写真、商品の画像、自作のイラスト——それをアップロードして、プロンプトで動きを指定するだけで映像ができる。
 
モデルの種類が複数あり、Kling系は人物の一貫性が高く初心者向け、Gen系は画質が高い、Veo系は光や映像表現が得意、Sora系は複雑な動きに強い、という違いがある。
 
最初に覚えるコツは「短く分割して作る」こと。
1本の動画をいきなり長く生成しようとすると、映像が途中で破綻しやすい。
10秒×2本を作って、後から編集ソフトで結合する——これがAI時代の動画制作の現実解だ。
 
結合にはCapCutや剪映といった無料の編集アプリが使える。
完成した動画はInstagram、TikTok、YouTube Shortsにそのまま投稿できる。
 
ここで大事な判断ポイント:
Runwayで生成した映像を商用利用・SNS投稿する前には、利用規約と著作権の確認をセットにする。
AIが生成した映像でも、使い方によってはルール違反になる。確認は「作業」ではなく「判断」——ここだけは自分でやる。
 
---
 

その他の動画生成ツール

 
Sora(OpenAI):テキストから高品質な動画を生成。2026年8月時点の機能・料金は公式サイトでご確認ください。
 
Kling(快手):Runway内でも使えるモデルで、単体サービスとしても提供されている。
 
---
 

🧑‍💻 ジャンル③ アバター生成AI——「AIの顔が話す動画を作る」

 

どんな人向け?

 
> 自分の顔を出さずに、人が話しているような動画を作りたい人
> 社内向け説明動画・研修動画を低コストで量産したい人
 

代表ツール:HeyGen

 
HeyGen(https://www.heygen.com)は、AIが生成したアバターがテキストを読み上げて動画を作ってくれるツール。
自分の顔写真をアップロードして「デジタルクローン」を作ることも、用意されたアバターをそのまま使うことも選べる。
 
社内の製品紹介動画、研修コンテンツ、SNS投稿——顔出しなしで「人が話している映像」が作れるため、企業の動画制作コストを大幅に削減できるという事例が増えている。
 
音声もElevenLabsと同様に、テキストから自動生成される。
翻訳機能も充実しており、日本語の原稿を英語・中国語・スペイン語など複数言語の動画に変換できる。
 
無料プランの制限(執筆時点): 月あたりの生成時間に上限がある。本格運用には有料プランが現実的。詳細は公式サイトで最新をご確認ください。
 
---
 

その他のアバター系ツール

 
D-ID:写真を話す動画に変換できるサービス。プレゼン資料への応用事例が多い。
 
---
 

🎵 ジャンル④ AI音楽——「楽器も知識もゼロで楽曲を作る」

 

どんな人向け?

 
> 動画のBGMを自作したい人(著作権フリーを確保したい)
> 「雰囲気に合った音楽」を素早く用意したい制作者
 

代表ツール:Suno

Suno(https://suno.com)は、テキストのプロンプトを入力するだけで楽曲を生成できるサービス。

「落ち着いたジャズ、カフェのBGM風、1分30秒」
——このくらいのテキストを入れると、ボーカル付きの楽曲がアウトプットされる。
 
楽器の知識は不要。音楽理論も不要。
動画のBGM・ポッドキャストのオープニング・SNS投稿の効果音など、クリエイターが地味に困っている「著作権フリーの音楽を探す手間」を解消してくれる。
 
ここで大事な判断ポイント:
生成した楽曲の商用利用・著作権の扱いは、利用プランによって異なる。
「フリーで使えると思っていたら規約違反だった」というケースが報告されているため、必ず公式の利用規約を確認する。
 
---
 

その他のAI音楽ツール

 
Udio:Sunoと並んで評価が高い。スタイルの細かな指定が得意。
 
---
 

4ジャンルをまとめて「自分に必要なもの」を選ぶ

 
ここまで読んだ人に、一度考えてほしいことがある。
 
「自分がやりたいこと」はどれだろう?
 
- 動画にナレーションを付けたい → 音声合成(ElevenLabs)
- 写真や画像から映像を作りたい → 動画生成(Runway)
- 顔出しなしで"話す人"の動画を作りたい → アバター生成(HeyGen)
- BGMや音楽を自作したい → AI音楽(Suno)
 
この4つは組み合わせて使うことも多い。
たとえば「RunwayでペットのショートムービーをつくってElevenLabsでナレーションを付け、SunoのBGMを乗せる」というワークフローは、すでに個人クリエイターの間で広がっている。
 
日本AIラボの書籍『最新!AI実用ツール完全図解大全』では、ElevenLabsとRunwayを使った実際の制作フローを具体的なステップで解説している部分がある。
「読んで理解した」から「実際に手を動かせた」に変わりたい人は、参考にしてほしい。
 
---
 

AIに渡していい作業、渡しちゃいけない判断

 
今回紹介した4ジャンルのツールはどれも、「作業」を驚くほど速く仕上げてくれる。
音声生成・映像生成・音楽生成——どれも数分以内にアウトプットが出る。
 
ただ、「判断」だけは渡せない。
 
- 生成した音声の内容は正確か?
- 生成した映像を投稿していい規約か?
- 生成した楽曲を商用利用していいプランか?
 
これらはツールが代わりに確認してくれない。
AIが作業を速くしてくれた分、浮いた時間で判断の質を上げる——それが、音声・動画AIを使いこなす人の考え方だ。
 
---
 

おわりに:「迷い」は悪くない

 
AROIの口癖に近いことを言うようだが——
「AIに迷う。その迷いこそ、人が判断すべき余地がある証拠」
 
どのツールを使えばいいか迷うのは、まだ自分が判断しようとしている証拠。
ジャンルの地図を持っていれば、迷っても戻れる。
 
まず1つ、自分が「やりたいこと」に近いジャンルのツールを触ってみてほしい。
試した感想、ぜひXで教えてください。
 
毎日、こういう「使えるAI情報」を発信しています。
note(@jp_ai_lab)とX(@jpAIlab)のフォローをお待ちしています。

---
 
#AI #生成AI #AIツール #音声合成 #動画生成 #仕事術 #業務効率化 #AIリテラシー #ElevenLabs #日本AIラボ
 
---
 
書籍『最新!AI実用ツール完全図解大全 ─タイパ100倍の仕事術』(一般社団法人 日本AIラボ)でも、AIの実務活用を体系的にまとめています。ElevenLabsやRunwayを使った実践ステップも収録。気になった方はこちらからどうぞ。
 
▶ Makuake先行応援購入:https://www.makuake.com/project/navibookai/
▶ 公式ショップ(著者直営):https://jpailab.theshop.jp/items/149914138
▶ Amazon:https://amzn.asia/d/0eNMt0a1

いいなと思ったら応援しよう!