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【毎週ショートショートnote】ある読書家の末路 #積読美術館 

積読美術館。今日子は自身の実家をこのように例える。

「今は七十過ぎた母が一人で暮らしているのだけど、まぁ酷いものよ」

かつては祖父母も合わせて六人家族が暮らした田舎の一軒家は、まるで古書店の在庫倉庫の様相。亡き祖父母が使っていた十畳間はもちろん、家族の団らん場所だった茶の間だって足の踏み場もない。廊下の半分はコンテナや段ボールで埋まり、ベランダに繋がる広縁はもはや魔窟。洗濯物を干す時は、一度玄関から外に出なければ移動出来ない有様だ。

「蔵書を見られるのは裸を見られるより恥ずかしい、なんて意見もあるけど、もはやあの家そのものがお母さんの人生、お母さんの為の美術館なのよね」

昔から読書家ではあったが、加齢に伴い一度に読める数が減少するのに反比例するように、はたまたストッパーでも外れたかのように、購入する書籍の量は年々増加し続けているようだ。
もはや残りの余生どころか、来世に持ち越した所で読み切れまい。崩壊の時はまだ来ない。



以上410字、こちら参加させて頂きました。

今回は初めての私小説に挑戦です。そう、名前以外は実話なのですよ。
六人家族が住めるサイズの一軒家で足りなくて、駐車場に書籍用倉庫まで建てたのに、廊下まで侵食してるの、もはやホラー。

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