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【ナンパ細胞】ポンコツな一目惚れ【BL?】

    木野山キノ

    「一目惚れしやすい人間っているだろう」

    あれは一種のフェロモンセンサー、ナンパ細胞とでも呼ぶべき器官の感度と許容範囲の問題だと彼は言う。

    「一説では遺伝子レベルで相性が良い対象に出会うと起きるんだと」

    思春期の娘さんが実の父親を嫌うのにも似た理屈だ。あれは遺伝子が近すぎる為、本能が細胞レベルで拒否する訳だ。

    「その理屈で言うと、お前のナンパ細胞はポンコツだ」
    「確かに俺は惚れっぽいけども」

    性欲というよりは承認欲求。いつだったかそのように分析したのも彼だった。
    彼、理屈っぽくて考えすぎる俺の可愛い恋人は、いつだって後ろめたそうな顔をしていた。

    「イルカやキリンだってそういうのは一定数いるんだから、別に不自然なもんじゃないでしょ」「自然科学じゃなくて文化人類学の問題だ」
    「それこそ異文化尊重しなって」

    それっぽい事言えばふわっと納得すると思うなよ。

    「俺の細胞が選んだんだ、お前が良い」
    「……ポンコツ細胞!」


    こちら参加させて頂きました。(本文397字)


     
     
     
    コノヤマ キノ と読みます。 昭和生まれ平成育ちな令和のおかん。 猫と忍者が好きなオタク。 noteではショートショートとBLメインに活動中。 2025年6月よりエブリスタ始めました。 https://estar.jp/users/1861844409

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