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Photo bymsk_design33

匕きこもりが5䞇歩あるく旅 東京線

    この出䞍粟が


    1067
    これは、私の日垞䞀週間の平均歩数である。厚生劎働省の什和6幎床調査によれば、成人の1日の平均歩数は7,071歩。䞀週間平均にするず49,497歩ずいう結果。それに比べ公私ずもにスヌパヌむンドア人間の私。数字にするずなおのこずマズそうだ。歩数蚈の぀いおいるスマホを眮いお家事や移動をするこずもあるから ず蚀い蚳を含めおみおも、立掟な運動䞍足日本代衚である。

    飛行機のドアをくぐった瞬間、ブワッず抌し寄せる暖かい颚ず排気ガスのにおい、人々の喧隒。人間を蟞めおスラむム化しおいるず蚀っおも過蚀ではない私が、これから“普通の”成人の䞀週間歩数玄5䞇歩をたった3日で螏砎するこずになろうずは出発時点では倢にも思っおいない物語が始たろうずしおいた。

    人がくれたきっかけ


    事の発端は去幎の冬。姉から結婚匏の代わりにフォトりェディングをするから芳に来おくれないかず声がかかった。圌女の孊生時代からの友人たちは結婚ず出産ラッシュで子䟛や旊那をぶら䞋げお花嫁姿を眺めに東京たで出おくるこずが出来ない。人生の䞭でもビッグむベント、家族の私が行っお倚少なりずも盛り䞊がりの糧になっおやらねばなるたいず重い腰を䞊げた。「フォヌマルずカゞュアルの間くらい」ずいう絶劙な服遞びに戞惑い、通販からショッピングモヌルたで手広く圷埚い歩いた。その間は少し歩数が䌞びおいたかもしれない。デパヌトの匏定番服からファストファッションたで芋たが結局、最初に目を぀けおいたナニクロで綺麗なストレヌトラむンの膝䞋䞈ワンピヌスを賌入。黒でハリ感のある生地がシックにたずたっおいお、3千円ずはたるで思えない仕䞊がりである。ありがずうナニクロ。あずはワンピヌスに合う倧きめの黒サテンのリボンを髪食りに遞び、フォトりェディング本番春先のビル颚を予想しお䞊着は持ち合わせのトレンチコヌトでたずめた。絶察に長時間立っお歩くだろうず螏んだので靎はヒヌルほがなしのビットロヌファヌ。ファッションセンタヌしたむら、顔も実瞟もよく分からないが有名そうなりォヌキング講垫の方ずコラボ商品だしおくれおありがずう。履き朰しおいたす。できれば次買うたで店頭から消さないで。
    それはさおおき、せっかく東京たで行くので日付を足しお東京呚蟺を芋お回っおもいいのではず匕きこもりのおのれに盞談し、今回はフォトりェディング参列に前乗りず埌付けをプラスした合蚈2泊3日を思い切っお予玄した。我ながら良い決断をしたず悊に入った。戊法のわからない飛行機・ホテル空き捜玢ず争奪戊を繰り返しおヘトヘトに気疲れするも、心身ずもに簡単にぞばっおちゃあ旅なんぞできんず䞀念発起しおりォヌキングも始めた。これは3日で念頭から消えた。

    ずうきょう散策

    頭の圌方遠くにあった「りォヌキングで䜓力を぀けおおく」が思い出された出発圓日、午前遅くの䟿に乗っおやっおきた東京。荷物を預けに目指す最寄りのホテルたでの道のりで持っおくる掋服の数を絞った有難みずそれを匕きずる腕の筋力の無さを思い知った。ボロいキャリヌのタむダの小回りが悪く、力を少し加えた状態をキヌプしおいないずうたくキャスタヌが回転しない。事前にキャリヌケヌスを匕いお動䜜確認おくのっお倧事なんだな、ず気づくず同時にこれから旅でするいろいろな事柄も実際経隓しおおくのっお倧事だったんだな、ず思う時が来そうだずがんやり考えた。
    ブランド物に囲たれたストリヌトず田舎には圧倒的に店舗数がないマツモトキペシを通り過ぎ、均敎の取れた珟代的なビル矀に浮く目立ち方をする桜䞊朚に目を现め、舞い散る花びらの䞭を進む。颚が吹くず銖元が肌寒いが日差しはだいぶ暖かい。3月末から4月初頭の東京駅呚蟺は晎れおいればコットンのTシャツに目の粗いニットカヌディガンを矜織り、トレンチコヌトで颚陀けの仕䞊げをしおちょうど良い䜓感枩床だった。屋内ではトレンチコヌトを脱いでも良いくらいだ。ホテルに荷物を預かっおもらい、ようやく身軜になったずころでたた東京駅ぞ。空枯から東京駅たではモノレヌルずJRを乗り継いでさっさず通り過ぎたので再床ゆっくり芋回す。レトロな雰囲気の赀レンガ駅舎にそれぞれ違う時代から集っおきたように倚様な人がごった返しおいる。背䞭をサメリュックに霧り぀かれおいる少幎が駄々をこねおいる暪で海倖客がショップ限定の戊利ぬいぐるみの数々を地べたに広げおリパックし、チャむナシャツにスカヌト姿のおじいさんが咳く先にそれを避ける緑髪の量産系ギャル。実にカラフル。人々のしゃべり声、音楜、アナりンス、車の蜟音などすべおの音で発電すれば東京の電力はすべお䜙裕で賄えるのではないか。その枊䞭ではたらくお土産ブヌスの呌び蟌み店員さんを心底尊敬した。私の喉では到底人を呌べそうにない。喧隒を朜っおくぐっおたどり着いたレストランフロアは12時を倧きく過ぎおちょうどよい人出になりはじめおいた。むタリアンのお店サバティヌニ・ディ・フィレンツェで遅めの昌ご飯にあり぀くこずにしお、サバティヌニの䌝統的なパスタを頌んだ。お腹を鳎らしお埅ったパスタはカリカリのベヌコンず銙り高いバゞル、濃厚な旚味のチヌズがふりかかったトマト゜ヌス仕立お。空きっ腹を重厚に満たすもちもちのスパゲティ麺に舌錓を打っお暫しの䌑息をずった。
    口呚りがすっかり゜ヌスのコヌラルオレンゞ色に染たったずころで垭を立ち、腹ごなしに駅の䞭を探玢するこずにした。倧䞞から駅内の暙本ミュヌゞアムぞ。民俗的な歎史資料から昔実圚した倧ワニの暙本骚栌たで。倧ワニの尻尟の先っちょだけで身長170センチの私がすっぜり。私なぞおや぀にもならない倧きさである。これず同じ時代に生きおなくお本圓に良かった。
    歩き途䞭に慢性的な肩こりを和らげるため貌っおいたピップ゚レキバンのテヌプ郚分が痒くなっお剥がす。家を出る前日に緊匵しおガチガチの身䜓のたた寝たら悪化した肩こり。湿垃が効かなくお困っおいたずころ母がピップを貌っおくれたずいうわけだ。いい母さんだよ。黒くお䞉角錐圢の磁石を幟぀か取っおいく。黒、黒、癜、黒。 癜
    思わず華麗な二床芋を決める。癜いのは磁石ではなく、磁石を貌るテヌプの磁石接着面甚に䞞く切れ蟌みの入った剥離玙。぀たりただのテヌプ。やられた。母はたたにこうやっお隙し蚎ちしおきおは私がプラシヌボ効果で喜んだり苊しんだりしおいるのを論砎論ですらないしおくるのだ。今じゃない。

    東京駅からビルの合間をするするず流れるように瞫っお走る電車。い぀の時間垯もテレビで芋かける超満員電車を芚悟しお乗り蟌んだがすんなりず座れた䞊に人もそこたで倚くない。たあ地元の「汜車」鈍行2䞡線成ずはキャパ違うか。思っおいる間に日比谷駅。日比谷公園の桜門でフォトりェディング参列の埅ち合わせをしおいたが少し時間に䜙裕があったので公園内を散策。よくコンクリだらけの東京で銀杏の巚朚が育぀もんだ。近所の裏山のや぀より栄逊状態いいかも、などず流し芋お人々の集たる花壇たわりぞ。そこにはネモフィラが䞀面に咲いおおり、青く透けた花びらが春颚に吹かれおただ寒そうにそよいでいた。説明曞きには「4月初頭〜䞭旬の枩かくなる頃が芋頃」ずあったが、それを螏たえお芋おも3月末20℃いかない朚陰の咲き誇り具合にしおはもりもり咲いおいる。姉は旅行に行くたび雚雲を退け䞍運を避けずナゟの豪運を発揮する女なので、今回も豪運をここに䜿ったのだな、フォト映えのために ず劙に玍埗しおしたった。

    埅ち合わせの時間に合わせ、郜合によっお東京に来れなかった䞡芪ず通話を繋いでカメラを姉が来るであろう方向にむけお埅っおいた。テニスりェアを着た䞀行やランニングしながら通り抜ける人々の間からやけにゆっくりず、そしお飛び抜けお癜いシル゚ットが芋えた。り゚ディングドレスを着た姉だ。隣には新郎、埌ろにはメむクアシスタントさん数名ずカメラマンさん。呚りが二床芋する倧名行列である。ちょっずこっちに来ないでほしかったが埅ち合わせをしおいるのだもの、来る。母はり゚ディングドレスを着た嚘を芋お泣いた。
    「いやちがう、シチュ゚ヌションに匱いのよ」ずナゟに抵抗しおみせるあたり私の母らしい。父は終始笑っお「いいねえ」ずだけ蚀った。
    「やっほヌ」ず軜いノリで合流し぀぀母の泣き声を聞いお「メむク萜ちる」ずいいながら姉も぀られ泣きしおいる。おいおい泣いおる姉に芪もずいスマホをおし぀けお話させながら撮圱チヌムず新郎さんに挚拶ずお瀌申し䞊げる。数週間かけお打ち合わせ぀぀衣装からメむク、ブヌケたで手掛けお圓日数時間新郎新婊を盛り䞊げ぀぀ごった返した人の䞭でベストな写真を撮る。プロの仕事ず劎力に頭がさがる。䞋がりすぎお「なんで嫌にならないの」ずか䞍躟な質問を投げたくなる。さすがに姉の晎れ舞台なので謹んでおいた。
     撮圱堎所移動なども含めお玄4時間。立ちっぱなし歩きっぱなしで誰よりも姉ず新郎さんの写真を撮りたくった。新郎さん持参の䞀県レフずスマホ二刀流。レンズ越しに雑誌の衚玙を食るようなポヌズを指導される姉を芋お勝手に共感性矞恥が湧いたり、いい写真が取れお思わずプロのカメラマンさんの埌ろで「プロかも」ず呟いおしたい自分を恥じたりし぀぀、桜吹雪のなかで笑う2人にシャッタヌを切り続けた。合間、オフショットで姉効2人の写真を撮っおもらった。私ずお揃いの誕生日ベアを抱えお笑顔を向ける。姉ず私、装いは癜ず黒。性栌も真逆。幌い頃は姉のほうが人芋知りで臆病だったのにい぀しか逆転した。泥だらけでおたたごずをした幌少期。ベランダから手をふる私にただいたず叫びながら自転車を挕ぎ続けそのたた田んがの溝に静かに突っ蟌んでいった䞭孊生の姉。色んな姉が思い出される。もう結婚したんだなあ。思い出した゚ピ゜ヌドがちょっずズレおいたせいか、プロのカメラマンさんの前でゞョゞョポヌズを自信満々にキメお撮られおいる姉を芋おいるせいか、䞍思議ず涙は出なかった。ただ、幞せそうなこずに安堵した。日が暮れお、ラストショットでヌすずいうカメラマンさんの号什ずずもに倜桜ず新郎新婊の写真を撮ったら、新郎さんのカメラの充電が切れた。ベストタむミングに䞀同が湧いた。
    撮圱を無事終えおお瀌ず祝いをそれぞれに述べお珟堎を埌にする。枩かい気持ちを胞に浅草ぞ向かい、老舗の牛鍋を心眮きなく食べた。ガス火が久し振りで火の扱いに䞍安がよぎったが、マッチ点火もうたく行き䞀安心。薄い牛肉にも䞊質な霜が降りおいお鉄板から匟けるように脂の粒が散る。小さなビヌルグラスを片手に関東の甘いだしず春菊を含んだ䞀切れを頬匵る。肉汁ずだしが混ざっお口腔内から喉の奥、胃にわたるたで隅々に染み蟌み、春菊のかすかな苊みが刺激しお食べるたび腹がすく。気が぀くず腹が服の䞊から分かるほど膚らむたで詰め蟌んでいた。
    ギシギシず急な階段を降りお今どき珍しいそろばん䌚蚈を通っお店を出る。銅鑌を叩いお送り出されるず思わなかったので少々照れた。
    浅草挔芞ホヌルで食埌の萜語鑑賞。調子よく快掻に話す着物の人々、座垃団ぞの座り方、裟の払い方、矜織の䜿い方、袖の端たで掗緎された動きで噺を力匷く発しおいく様に匕き蟌たれ、い぀になく声を出しお笑う。2人、3人ず聎き終えお真打に近づくに぀れ、なんずなく真打がどういうものか玠人目ながら分かるようになっおきた。前時代的な文化の内容や単語が䞍思議ずするする入っおくる。立お板に氎ずいうこずばがぎたりずくるような早口も耳に匕っかかりなく聞き取れるのだ。あれ、さっきより分かるぞ。聎いおいる間に前のめりになり、終わる頃には惜しみない拍手が莈られる意味が分かった。このショヌト動画ドヌパミン䞭毒の時代に数十分にわたる口䞊を最埌たで面癜く語る技術は受け継がれお然るべきず考えが改たった。

    火照る䜓を腹ごなしに浅草寺に向かい、新郎新婊の安寧を祈願したのち自分の運詊しにくじを匕く。

    『枯朚春に逢ふお艶やかなり
    芳枇再び林に開く
    雲間たさに月を芋る
    前んで貎人の欜ずるにあふ』

    蚀っおいるこずはめちゃくちゃ倧吉そうなこずである。矎しい自然になぞらえお努力が報われる予兆ありず蚀っおいる。内容蚀ったら運が逃げるずかないよねず執筆䞭のいた少しひやりずしおいるが「貎人」を公開募集ずいうこずでよしずしおおく。くじの心埗には倧吉がでたからっお調子のるなよ、凶がでたからっおあきらめるんちゃうぞ、的なこずが曞いおあったので、吉でちょヌうど良かった。

    さお、空枯での土産の冷やかしたで入れた今回の東京旅今回の歩数は 

    53,754歩

    3日で5䞇歩をゆうに超える倧躍進。足の筋肉はパンパンに匵っお湿垃たみれだが、匕きこもりでも5䞇歩螏砎できるずいうこずが蚌明された。䜙談だが、筋肉痛が収たっおからも運動意欲が衰えず、りォヌキングやペガを定期的に取り入れるようになった。倧進歩である。キャリヌケヌスは垰宅ず同時に限界を迎えおチャックが匟け飛びそれに私が被匟した。この初倏に買い替えたキャリヌケヌスは䞀回り倧きく頑䞈な䜜りになっおおり、次なる旅に備えお小回りが効いおいる。4.8キロプラス衣類ずお土産を䜙裕で担げる筋肉を次回たでに鍛えおおかねば。旅は軟匱な人間を短期間叩き䞊げで匷くしおくれる。


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