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信長✖光秀【ダブルエンジン】全80話(第46話)~『前田利家 × 現実』


    第46話 織田信長 × 支配

    支配はどこまで可能なのか


    私は最近、

    信長の目が変わったように感じていました。


    昔は敵を見ていました。

    ですが今は違います。


    国を見ている。

    時代を見ている。

    もっと大きなものを見ていました。


    ある日のことです。

    信長は新しく築いた城を歩いていました。


    私は少し後ろを歩きます。

    城下町を見下ろしながら。

    信長は静かに言いました。


    光秀。

    人は何で動くと思う。

    突然の問いでした。


    私は少し考えます。

    恩でしょうか。

    信長は首を振ります。


    金でしょうか。

    また違う。

    恐怖でしょうか。


    信長は笑いました。

    全部や。

    私は黙りました。


    信長は歩き続けます。

    恩だけでは裏切る。

    金だけでも裏切る。


    恐怖だけでも裏切る。

    だから全部使う。

    私は思わず信長を見ました。


    そこまで考えていたのか。

    信長は続けます。


    光秀。

    国も人も同じや。

    一つでは動かん。


    私は言葉が出ませんでした。

    その時でした。

    城下で小さな揉め事が起きています。


    商人同士の口論でした。

    役人が慌てて駆け寄ります。

    ですが信長は止めました。


    しばらく見ておれ。

    役人は戸惑います。

    やがて一人の年配の商人が間へ入りました。


    まぁまぁ。

    落ち着きなされ。

    その一言で争いは収まりました。


    信長は笑います。

    光秀。

    見たか。


    私は頷きました。

    殿がお止めにならなくても。


    そうや。

    人は人を治める。

    わし一人ではない。


    私はその言葉が意外でした。

    信長は全てを自分で決める男。

    そう思っていました。


    ですが違った。

    支配とは。

    命令することではない。


    仕組みを作ること。

    そう考えていたのです。


    城へ戻る途中。

    私は信長に尋ねました。

    殿。


    人は全て支配できるのでしょうか。

    信長は立ち止まります。

    そして静かに笑いました。


    できぬ。

    私は耳を疑いました。

    信長は続けます。


    できぬから面白い。

    私は思わず笑ってしまいました。


    天下に最も近い男が。

    できぬ。

    そう言ったのです。


    その夜。


    私は一人で考えていました。

    信長は支配者ではない。


    支配しようとする挑戦者なのだ。

    だから止まらない。

    だから恐れられる。


    ですが。

    人の心だけは。

    誰にも支配できない。


    私は最近。

    そのことが少しずつ分かるようになって

    いました。


    光秀の今日のつぶやき

    支配とは、

    人を縛ることではない。


    人が自然に動く仕組みを作ることである。


    次回

    明智光秀 × 役割
    参謀の限界とは何か


    💖ここまでです。


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