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創䜜『あさっおむ゚ロヌ、たっさかピンク』第6話・はなぞの通はなぞの通⑀

    山本蛇内 yamamotojanai

    前回たで
    小孊5幎生の岩氞灯倚いわながずうたは、はづきさんに案内され、はなぞの通の䞭に入る。廊䞋を通り抜けるずき䞍思議な感芚に襲われ぀぀、倧きな郚屋に行き、先に来おいる子どもたちに混ざる。
    同じ孊校区に䜏むアキトず共に垰路に着く䞭で、はなぞの通にいた時間が早くもあいたいになる。


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    蚘憶力は、悪い方じゃない、ほんらい。
    そういう自負はある。
    ただ僕のそれは、明確に「暗蚘力」に寄っおいる。
    昔あったこずを思い出す、いわば「再珟力」のほうは、そこたででもないのだろう  認めたくはないけれど。

    実際、僕の脳が蓄積しおいる玄17幎の蚘憶のうち、
    「小孊校時代より以前のもの」
    は、だいぶ飛んでしたっおいお、再珟が難しい。
    これは、はなぞの通関連に限らず、党䜓ずしお。

    幞手垂内ではなく垂倖の私立䞭孊校に進孊したこずや、長期入院などがあり、「それ以前の自分ず切れおしたった」感が、僕の䞭にはある。

    ただでさえ、そう●●なずころ、はなぞの通関連に぀いおはもう、䞍自然なたでにがやけおいる。あるいは、抜け萜ちが倚い。
    あたかも、䜕者かが、
    「これは残しおおくずたずい、このたたにはしおおけんな  」
    なんお癜ペンキで僕の脳内を塗りたくっお芋えないようにしたんじゃないのか、などず邪掚するほどに。



    䟋えば、最初に蚪れたあの日の、倕方、垰宅埌。
    はなぞの通で過ごした時間のこずを芪に䌝えたのか。
    䌝えたずすれば、いったいどんな蚀葉でだったか。
    枅々しいほど䞀切を、思い出せない僕がいる。

    ただ、僕がはなぞの通に通っおいた期間を通しお、少なくずも
    芪には、隠し通さなきゃな  
    ずかは、ほんずうに、なかったはずで。

    はなぞの通での過ごし方、あるいは、はづきさんあるいはたりあさんほかスタッフさんたちからどんな食べ物をいただいたずか、そういうこずを母や父ず話した蚘憶自䜓はある  、
    あるような気がするのだが、これ、蚘憶が嘘を぀いおいるのだろうか。

    呚りの雑朚林っぜい庭で、ひずり虫や草や石を眺めおいたこず。

    はづきさんずの将棋の察局。

    はづきさん以倖にも、たりあさんや将門さんなどの倧人たちも通に顔を出しおいお、料理を䜜っおもらったり、遊んでもらったりしたこず。

    あるいは皆でやった倧富豪や䞃䞊べや「はあっおいうゲヌム」のこず。

    はっきりず蚀えるのは、はなぞの通に行き、そこで時間を過ごしおいるこずに぀いお、芪的にOKだぞ、通うゆるしは埗られおいるぞずいう安心感が圓時の僕の䞭にあった●●●●●●●●●●、ずいう、そのこず。



    䞀方で、孊校では、口倖しないこずに決たっおいた。
    アキトず、そういう玄束を亀わした。
    ずいうか、「アキトがそういうので埓った」、これが停らざるずころだ。

    かなり初期、はなぞの通の行きか垰りかに、

    「なななトヌタ、奜日うちのや぀らに、ぜっおヌ話すなし。
    これ以䞊誰か来るずか、嫌ダし、俺」

    ず蚀われ、圓時、はなぞの通に誰ず誰が来おいるのかそもそもよくわかっおいない状態ながら、
    「おぅヌ  」
    ず、了解を䌝えた。

    その時、ちょっず、もやっずした気持ちになったのは憶おがえおいる。

    あれもしかしお、アキト、俺が珟れたの、面癜くなかった感じ  

    っお内心、考えおしたっおだ。



    アキトず僕は、いわゆる幌なじみずいうか、保育園ず孊童で䞀緒だった。
    1歳ぐらいから小3終わりたで、7、8幎は、同じそれこそ「通」内で、はなぞの通ではなく保育園や孊童の建屋で、過ごしおきたわけだ。

    サッカヌ少幎団に行くようになったのも、自分からではなく、アキトに誘われたのがきっかけだった。

    もしそういう時間がなかったら、アキトず僕、友達なのかなぁ

    的なこずは、時折、保育園時代からすでに、頭をよぎった。
    性栌、気質、物事の奜みだずか、自分ずだいぶ、違っおいたから。

    僕は、単なる本奜き少幎➻埌に文孊かぶれ䞭高生に進化➻の繊现もどき野郎であっお、実のずころそれほど繊现ずかじゃない、そう自己分析しおいる。
    だが、アキトは、盞圓繊现なほうだろう本はぜんぜん読たないけど。

    䟋えば、呚囲の子䟛や先生の、流せばいいようなこずをセンサヌが感知しお、ず぀ぜん喰っおかかったりする。
    サッカヌの地区戊で、他チヌムの芋知らぬ子が通りがかりに発した䜕気ない䞀蚀を勝手にずらえお、
    「おぃゎルァおめいた、うちらのこず銬鹿にしたよなラァ」
    っお突っ掛かっおいくような、狂犬芁玠がある。

    アキトずの友達関係は、だから、ちょっず考え考えKANGAEKANGAEで接しおきた、ずっず。
    党く察等、を求めおも、アキトの性栌䞊、難しいのだ。
    あるずきは、たるで蚀いなりめいた感じに、芁望を呑んでやるこずもあった。
    別のずきは、「やヌそれ無理」ず、圌のご機嫌●●●を文字通り䌺い぀぀、修正したり、拒んだりした。

    かずいっお「考え考え」だず知れるずそれはそれで面倒くさいず思い、極力フランクで自然にいるんだよヌ接しおいるんだよヌずいう感じに、芋せおいた。

    で、はなぞの通のこずは、玠盎に埓った。
    ぀たり、普段、孊校では5、6幎通しお、いっさい誰にも蚀わず過ごした。



    あ、それで思い出したこずがある。
    うちの芪は、僕がはなぞの通に行くこずを問題芖しおいなかったどころか、月謝的なものたで振り蟌んでいたようなのだが、それはもしかするずアキトの芪から䜕らかの話、はなぞの通に぀いおの玹介が、あったかもなのだ。

    ここのずころは、これたで、こちらから父や母に聞いおみたこずがなく、たた芪たちからも話題にしおきたこずもない。

    通っお平気っぜいぞ、ずいう安堵感。
    あず、それならば敢えお自分から話題を振るのもリスキヌかもず、それ以䞊芪たちぞはなぞの通のこずを蚀い出さなかった。

    アキトの母芪は、介護斜蚭で働いおいた。
    それで、看護垫をしおいる母ず保育園時代ずかどこかのタむミングで぀ながったはずで、LINEでやりずりもしおいた。

    にしおも。
    アキトは、あの母ちゃんに、どんなふうに蚀っおいたんだろうかな。
    で、芪は、はなぞの通に぀いお䜕か知っおたのかな。

    小孊校卒業以来、アキトには䌚っおいない。
    行った䞭孊が別だったのが䞀番倧きい。
    小孊校の頃なんだかんだ䞀番匷く぀ながっおいたのは圌なのに、卒業以降はぶっ぀り切れた感じだ、お互い「䌚おう」ずもならなかったし、たずえば地元の祭りでばったり再開するずかもなかった  あ、そもそも、僕が地元のお祭りに行っおいなかった。

    はなぞの通の謎。
    アキトかアキト母にか聞けば、䜕かわかるかも。
    再䌚できたら、必ず、聞こう。



    さお、アキトは奜日小の子がはなぞの通に来るのを嫌がっおいたわけだが、実際には、僕の埌にひずり、来た。

    厳密には、「奜日小の子」ずいう定矩に圓おはたらないずいえばそうなのだが、なんずいうか、「ほがほが奜日っ子●●●●●●●●」ではあった。

    僕もアキトも想像だにしおいない、あさっおの方向●●●●●●●から、その子ははなぞの通にやっおきた、ず蚀えるだろう。



    ある時、それはただ初期、はなぞの通ぞ僕が3回目か4回目に行った頃ずかに、アキトず僕は屋根裏郚屋の窓から倖、぀たり屋根に出お、屋根に座っお北、぀たり䞭川の方角を芋おいた。
    結構思い返すず危なくお、良い子たちにはお勧めできない。

    はなぞの通は、か぀おは堀だったろう盛り䞊がった地圢を、なだらかに䞋った高さに䜍眮しおいる。
    そのため、3階の高さであっおも、少し離れた「元堀」、そこにはゞョギングやサむクリングに適した幅の道が川沿い、東西にはしっおいるのだが、そこずの高䜎差はあたり感じない。
    少しだけ芋おろすずいう感じだ。



    僕が通にある挫画の単行本➻冚暫矩博の『レベルE』➻を読んでいるず、アキトが「おヌん」ず声を発し、
    「あれ、走っおんの、ダノモリじゃね」
    アキトが川の方を指差しおいった。
    「え」、びっくりしお僕は挫画を手攟しそうになった。
    「だよなあれ」、アキトの指す先に、誰かが川沿いの道をミントグリヌンの半袖Tシャツ、ハヌフパンツ姿でゞョギングしおいる。

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    確かにそうだ。
    倕陜の䞭、走っおいる、野ノ守芳子やのもりよしこがそこにいた。



    奜日小で僕らの孊幎は、䞊がっおいっおもギリ、2クラスのを維持し぀づけた。
    僕が野ノ守さんず䞀緒のクラスだったのは、1幎ず3幎の時。
    5幎の時、僕のクラスにはいなかった。
    では、隣、アキトのいる1組にいるかずいえば、そこにもいなかった。
    どこにいるかずいえば、隣の五霞町の小孊校にいるのだ。
    5幎の1孊期いっぱいで、転校しおいった。

    4幎生の頃、あるいは5幎生に入っおも、孊校の普段の時間では、孊幎合同で䜓育をやるずかあるいは行事や委員䌚の時の移動の廊䞋なんかで、僕は野ノ守さんの姿を芋かけおいた。
    でも、転校しおしたうず  、小孊生にずっおは、それは「れロ」「存圚の終わり」を意味しおいた。

    野ノ守さんは、僕が4幎生の終わりたで、奜きだった女の子だ。
    だけど転校によっお、やむなく●●●●、奜きの察象を新たに、同じ2組の倧島さんに倉えおいた。
    けどもちろん、野ノ守さんが嫌いになったりしたずかではないわけだ。



    野ノ守さんに察する孊幎での基本認識➻曞いおいお、そんなものあるのかなぁず思わないでもないが➻は、「バドミントンがすごい子」だ。
    䜕かの倧䌚に出お、党校朝䌚で校長先生から衚地されたりしおいた。

    でも僕が魅かれたポむントは
    「それなのに字がうたい」
    ずいう、ギャップの郚分だった。

    「玚でやめお、段は持っおいない」ずいう曞道の字䜓が、たたらなく奜きだった。
    曞写の授業で曞いた字ずいうか半玙が、教宀の埌ろや、廊䞋に匵り出されるたび、僕はその新䜜リリヌスに、心ひそかに湧いおいた。

    アキトは、そのこずを、知らないはずだ。
    蚀った芚えがない䞀方で、倧島さんが奜き情報は知られおいたが。



    「普通に走っおんだなヌふヌん」、アキトが蚀った。
    僕たちは、芋えなくなるたで野ノ守さんを目で远っおいた。
    僕にずっおは、「たさか、たさか」の野ノ守さんだった。
    こんなふうに、たた姿を芋るこずができるなんお。



    その埌、僕は隙を芋おは、屋根の䞊に登る時間を぀くった。
    はなぞの通の本棚から、その郜床ひずり挫画を読むテむで。
    挫画の内容は、あたり頭に入らない。気もそぞろKIMOSOZORO。

    野ノ守さん通らないかなぁ

    それだけ埅ち焊がれおいる。
    マチカネオオゞサマMACHIKANEOOJISAMA※状態だ。
      いや、僕は王子じゃない、だし野ノ守さんもだ。
    埅ちかねお姫様だ。
    そうしおいるうちに、野ノ守さんが、「奜きな女の子筆頭」に再浮䞊した。



    䜕床ずなく、はなぞの通3階の屋根の䞊で、粘っお座っおいた。
    でも、そうやっお30分ずか粘っおみおも、野ノ守さんはたったく珟れおはくれなかった。



    幎が明け、1月か2月のどこか。
    灰青色ブルヌグレむの曇倩の䞋、もうほが期埅感もなく、惰性に近い感じで、窓から屋根に出る、そのずき、
    あっ、あ
    ず思った。

    最初に芖界に入ったのは、野ノ守さんではなかった。
    巊から、道を歩いおくる孊生服姿。
    間違いなく、れいさんだ。

    そこに、右から、ただ遠いが、走っおくる人圱がある。
    わ、きた、野ノ守さん、
    こちらも、間違いない。

    れいさんが歩いお、巊から。
    野ノ守さんが走っお、右から。
    䞀本の同じ道を、互いに、近づいおいき  、
    ふたりのシル゚ットが、道を、すれ違った。

    僕はその光景を、ただただ目で远うだけだったけど、さらに「わ」ずいうこずが、そのずき目の前で起こった。

    すれ違っお、そのたた離れおいくはずのずころ、野ノ守さんが枛速した。
    止たっお振り返っお、れいさんのずころに歩いお、寄っおいった。

    少しの間、ふたりが、なにか、立ち話しおいた。

    そしお、野ノ守さんが、道の䞋の傟斜する草地を降りお➻぀たりははなぞの通の方ぞ、芋おいる僕の方ぞ、近づいおきた。
    隣には、同じように傟斜を降りる、れいさんがいる。

    僕はもうものすごい玠早さで、ぎゅんず屋根から窓ぞ駆け蟌み、階段をどだだだず降り、わよんわよん●●●●●●の廊䞋を䞀気に駆け、皆のいるテヌブルぞぎゅわんず、滑り蟌んだ。

    もうほどなく、野ノ守さんがここに来る。
    僕は、今床は、迎える偎の存圚ずしおここにいる、
    心臓はただただ、ありえないほど、バクバクだった。



    そうやっお、野ノ守さんが僕らに加わった。



    そのおよそ1ヶ月埌に、がくらはタむムカプセルを埋める。

    野ノ守さんは最埌に、今振り返るず滑り蟌み的に、タむムカプセルのメンバヌに入ったのだった。


    ※マチカネオオゞサマ  か぀お実圚した競走銬の名前。


    第7話に続く

    ←第5話ぞ ・ 第7話ぞ→
    ←第0話登堎人物・キヌビゞュアル


    この小説はフィクションです。
    実圚の人物・団䜓ずは関係がありたせん。


    #幞手
    #幞手垂
    #幞手垂映画むンスパむア系
    #䞭線小説
    #珟代ファンタゞヌ
    #あさっおむ゚ロヌたっさかピンク

     
     
     
    X他SNSを山本蛇内名矩で䜿っおたせん。なりすたし垢通報願いたす😭HN読み「やたもずじゃない」。本名は山本じゃないです、党囜玄102䞇人匷の山本姓誰かじゃないです。 昭和49幎たれ、フォヌティヌナむナヌズを自称。 「心の遊び、心に遊び」などず申しながら、曞きたすぜ_φ(_

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